ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
企業の戦略会議でよく出てくる言葉
グローバルビジネスをしていると、常に順風満帆とは行かず、不調な状態に陥ることもあります。そんな時は流れを変えるような商品や戦略がほしいもの。ではこの「流れを変えるようなモノ」を英語でどう表現したらいいでしょうか。
それが今回ご紹介する“game changer”。直訳すると「試合(の流れ)を変えるもの」ですが、ビジネスの場面で使われた場合は「事業成果や市場の流れを変えるようなモノ」を指します。全社的な戦略会議や営業・マーケティングの会議でよく使われますので、出てきても慌てないように覚えておきましょう。
なお、同じく“game”を使った表現で、同僚の通訳者が最近耳にして印象的だったと教えてくれたフレーズが“skin in the game”です。調べてみると、もともとは金融業界の用語で「自らも投資をしている」、つまり投資案件がうまく行かなければその影響は自分にも及ぶことを意味するそうです。一般には「結果次第では自らも責任や痛みを引き受ける立場にある」ことを指します。覚えておくと使える場面があるかも知れません。
今回の表現“game changer”に戻ると、具体的には次のように使えるでしょう。
A:Will digital marketing be a game changer?
B:That might work for us to overcome the current challenges.
A:デジタルマーケティングをすれば状況は変わるかな?
B:今抱えている課題を乗り越えられる可能性があるかもね。
ぜひ使ってみてください!
★連載一覧はこちら
日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CRO・シミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。日本会議通訳者協会(JACI)・認定通訳者。立教大学(社会デザイン学 [博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳 [修士])卒。国連英検・特A級(外務大臣賞)、英検1級、全国通訳案内士。JACIのHPでコラム「製薬業界の通訳」を、『通訳翻訳ジャーナル』(2022-23年)でコラム「専門分野の通訳に挑戦【製薬編】」を連載。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版)、『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(三恵社)がある。 立教大学・兼任講師/研究員、社会デザイン学会・理事、文学・環境学会 役員(広報)。趣味は小6から続けているテニス。