ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
“data-driven”=データ主導で、データに基づいた
ITやAIの進展に伴い、グローバルビジネスもデータ主導で進むことが多くなりました。ではこの「データ主導で」をどう英語で表現したらいいでしょうか。
それがこの表現、“data-driven”です。直訳すると「データによって運転・駆動された」になりますが、つまり「データ主導で」「データ駆動型の」「データに基づいた・裏打ちされた」という意味になります。最近では片仮名で「データドリブン」と言うようにもなりましたね。ビッグデータ(big data)時代で、大量のデータを収集して人間の行動予測等に使うようになりました。それに伴い“data-driven”という言葉もグローバル会議で頻出するようになったので、ぜひ覚えておきましょう。
ちなみに“drive”という語は応用の利く便利な単語です。“cost driver”と言えば「コストを駆動させるもの」⇒「原価作用因」「コストドライバー」、つまり原価・費用を増減させる要素となります。また「~がきっかけとなって」という日本語は英語にしにくいのですが、そんな時にも“drive”という語が使えます。たとえば“gas price hike is driven by the war.”であれば「ガソリン価格の高騰はその戦争がきっかけとなって生じています」と言うことができます。
具体的には次のように使えるでしょう。
A:Data-driven decision-making is more critical than ever.
B:I agree with you 100%.
A:今ほどデータに基づく意思決定が重要視される時代はないね。
B:まったく同感です。
余談ですが、“data-driven decision-making”は“DDDM”と略されることもあるので覚えておきましょう。
ぜひ使ってみてください!
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日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CRO・シミックのシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。立教大学(社会デザイン学 [博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳 [修士])卒。英検1級、全国通訳案内士、国連英検・特A級(外務大臣賞)。日本会議通訳者協会(JACI)のHPでコラム「製薬業界の通訳」を、『通訳翻訳ジャーナル』(2022-23年)でコラム「専門分野の通訳に挑戦【製薬編】」を連載していた。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版)、『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(三恵社)がある。 立教大学・兼任講師/研究員、社会デザイン学会・理事。趣味は小6から続けているテニス。