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2023.06.30 UP

第160回 calendar dayとbusiness day/間違えると危険な日数の数え方

第160回 calendar dayとbusiness day/間違えると危険な日数の数え方

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

グローバルで仕事をしていると、日数の数え方で注意を要する場面が出てきます。そこで押さえておきたいのが、“calendar day”と “business day”の違いです。

“calendar day”は日本語では「暦日(れきじつ)」と訳され、暦(こよみ)上の日はすべて該当します。なので、土日が休日の国・文化の場合、“calendar day”には土曜日、日曜日も含まれます。他方、“business day”は「営業日」を指しますので、休日は含まれないことになります。まとめると、例えば“7 calendar days”であれば「(休日を含めた)7暦日」、“7 business days”であれば「(休日を含めない)7営業日」となります。特に契約に関わる場面では2つの違いが重みを持ってきますので十分注意しましょう。

少し脱線しますが、“business”で思い出すのが“open for business”という表現です。東日本大震災後に当時の松本剛明外務大臣がインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙に寄稿した際、“Japan is open for business”(日本はビジネス先としてもオープンしている)というフレーズを使い、知られるところとなりました(https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/iken/11/0430jp.html)。

閑話休題。最後にご参考まで、“business day”と同じ意味で“working day”や“workday”といった単語が使われることもあります。Cambridge Dictionaryによると、“workday”はアメリカ英語とのこと。そう言われてみると、確かに、アメリカでの勤務時代の人事システムの名称は、カリフォルニアに本社を持つWorkday社の“Workday”でした。

具体的には次のように使えるでしょう。

A: Can you complete the task within 20 calendar days? 
B: Within 20 calendar days, not 20 business days, correct?

A:そのタスクを20暦日以内で完成させることは可能ですか?
B:20営業日ではなく20暦日以内ですね?

ぜひ使ってみてください!

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。