• 通訳

2023.05.18 UP

第117回 escalate /「エスカレート」のビジネスでの使い方とは?

第117回 escalate /「エスカレート」のビジネスでの使い方とは?

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

ビジネスでの“escalate”は「(問題などを)上に上げる」「上司に確認する」という意味

グローバルビジネスでも当然、現場レベルでは解決できない問題が生じた場合は上層部の判断を仰ぐ必要が出てきます。

そのような場合、日本語では「上司に確認する」と言ったり「上に上げる」と言ったりしますが、この「上に上げる」を英語ではどう表現したらいいでしょうか。

その際に使えるのが“escalate”という単語。英語にあまり馴染みのない方だと派生語の名詞「エスカレーターescalator」の方を思い出してしまうかも知れませんが、昇りエスカレーターのイメージ同様、“escalate”は動詞で「上に上げる」「上位レベルでの処理事項として扱うようにする」という意味になります。

他社と協働して作業を進めるに当たって最初に色々取り決めや手続きを決めたりしますが、その際に「現場で解決できない問題が出てきた場合にどうするか」といった主旨の議論でよく出てくる単語ですので、この意味での名詞形“escalation”と合わせて覚えておきましょう。

具体的には次のように使えるでしょう。

A:What if we need to escalate a case?
B:We need to establish an escalation process.

A:上に上げなければならないケースが出て来たらどうしましょう。
B:上に上げるプロセスを構築する必要がありますね。

“escalate”、ぜひ使ってみてください!

★前回のコラム

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。