ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
ビジネス現場における footprint の意味って?
ビジネスで足跡(footprint)を付けるとは
グローバルビジネスの現場で“footprint”という単語が頻出するようになってしばらく経ちました。
「“foot”(足)+“print”(跡)」と分解すると分かるように、元来は「足跡」を意味する言葉です。ここから派生したのでしょう、グローバルビジネスの文脈で使われる場合は、その会社やビジネスの「足跡=拠点」を指します。
たとえば会社紹介のパワーポイントで“Our Footprint”というタイトルのスライドがあった場合、世界地図や特定の国の地図上でその会社の各拠点をプロットしたスライドになっていることが多い印象です。
“Footing”は「足場」を意味する単語ですが、“footprint”と同じように「拠点」という意味で使われることもあるので、類似表現として合わせて覚えてしまいましょう。
環境問題でも使われる footprint
最後に触れておきたいのが、環境問題の文脈で使われる“ecological footprint”という表現。日本語ではそのまま片仮名で「エコロジカル・フットプリント」、または「環境負荷」と訳されることもあります。
「人間の活動が環境に与える負荷」をあらわす指標で、SDGsなどと併せてよく聞くようになりました。グローバルビジネスの現場でも、環境負荷を低減するための環境経営の議論などに登場する用語なので、覚えておきましょう。
“footprint”ですが、具体的には次のように使えるでしょう。
A:We’ve decided to expand our footprint in the U.S. and open a second branch office there.
B:That’s a superb idea!
A:米国で拠点を拡大し、2番目の支社を開設することにしたよ。
B:とてもいいアイディアだね!
ぜひ使ってみてください!
★前回のコラム
会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。