ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
「concatenate」⇔「truncate」
IT系の会議で出てくる英語の意味は?
ITの会議で通訳をしていたときのこと。ファイル名を決める議論で、日付や担当者名などをつなぎ合わせた名称にすることに決まりました。
その際に「つなぎ合わせる」の意味で使われていたのが“concatenate”という単語でした。
「つなぎ合わせる」と言うと、ついつい“connect” や“couple”といった単語を使ってしまいがちですが、特にIT系の話題で「データを連結する」「フィールドをつなげる」「レコードを連結する」「文字列(string)を連結する」といった場合に動詞として“concatenate”を使えると、文脈にカチっとはまった英語になるでしょう。
また、“concatenate”の反対の意味を持つ単語が“truncate”です。つながっているものを「切り取る」「切り詰める」という意味になりますので、セットで覚えておきましょう。
“concatenate/truncate”と同じような対(つい)の言葉で、ITで使われる表現として“expand/collapse”があります。
フォルダーがツリー・階層構造になっていて、クリックするとサブフォルダーが出てくる場合に、フォルダーをクリックしてサブフォルダーを展開させることを“expand”と表現します。逆に、展開したサブフォルダーを折りたたむことを“collapse”と言うので、こちらもセットで覚えてしまいましょう。
“concatenate”ですが、具体的には次のように使えるでしょう
A:What shall I do with those files?
B:Just concatenate them to a single file.
A:これらのファイル、どうしたらいいかな。
B:連結させて1つのファイルにしてください。
ぜひ使ってみてください!
★前回のコラム
会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。