ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
優先順位をつけるときに使える「triage(トリアージ)」
皆さんはアメリカでER(Emergency Room;緊急治療室)に行かれたことがあるでしょうか。もちろん行かないに越したことはありませんが、私がERに駆け込んだ際に驚いたのが、“triage”(トリアージ)という仕組みでした。
医療現場で“triage”というと、症状の重症度に応じて治療の優先度を変えることを指します。私が訪れた病院は重症度別に部屋が分かれており、私は軽症だったので軽症の部屋に案内されました。
この医療現場で使用される“triage”が応用されたのでしょうか、ビジネスの文脈で使われると「優先順位をつける」という意味になります。
「優先順位をつける」というと、ついつい“prioritize”や、“put [place] priority on”を使いがちですが、同じ表現ばかり使用していても芸がありませんから、これを機にこのフランス語由来の単語“triage”も覚えてしまいましょう。
具体的には次のように使えるでしょう。
A:I have too many teleconferences!
B:You need to triage your calls.
A:電話会議が多すぎる!
B:会議に優先順位をつけるべきだね。
“triage”、ぜひ使ってみてください!
★前回のコラム
会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。