ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
“WFH”は、コロナの影響で広まった表現?
カレンダーのスケジュールでもよく見る「WFH」
第100回と区切りを迎えている今回は、多くの死者と感染者を出した新型コロナウイルス(Coronavirus Disease 2019;COVID-19)の拡大によって広く使われるようになったと感じられる略語を取り上げたいと思います。
その表現が“WFH”。
ワークフロムホーム(Work From Home)の略で、意味は「在宅勤務」「自宅勤務」。
今回のCOVID-19で社会距離戦略(social distancing)による感染拡大を防止するために、海外でも日本でも在宅勤務が推奨されています。それに伴い、Outlookのスケジュール上などでWFHという略語を使用する人が増えた印象です。
口語では、“remote work”の方が一般的
日本では在宅勤務のことを「テレワーク」と言う人も多く、実際に“telework”という英単語も存在していますが、以前から在宅勤務が広まっていたアメリカに住んでいた際、“telework”という言葉は一度も耳にしたことがありませんでした。
代わりに耳にしていたのが“remote work”という言葉。上述のように、Outlook上など、書き言葉ではWFHが使えますが、口頭では“remote work”やそれを動詞化した“work remotely”が一般的ですので覚えておきましょう。
またおさらいですが、同じ三文字でスケジュール上でよく使用される略語としてCOB(第29回)、OOO(第30回)、PTO(第63回)も合わせて復習しておきましょう。
具体的には次のように使えるでしょう。
A:I’m looking at your Outlook schedule and what does WFH stand for?
B:It stands for Work From Home.
A:今あなたのOutlookの予定表を見ているんだけど、WFHは何の略?
B:Work From Home、在宅勤務の意味よ。
“WFH”、ぜひ使ってみてください!
会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。