3.翻訳発注(外注)の手順
翻訳会社に翻訳を依頼する際の手順は以下の通りです。
①翻訳会社の選定
翻訳会社を探すには、Web検索を利用して探すのが一般的です。
翻訳会社をある程度の数、まとめて一覧で見るには
①翻訳会社が参加する業界団体のホームページ
②当サイト「通訳翻訳ジャーナル」の「通訳・翻訳会社リスト」
などを利用しましょう。
①の一例として一般社団法人日本翻訳連盟のホームページでは、会員企業200社(2023年3月末現在)の情報が閲覧できます。
国際規格ISO17100とプライバシーマークの取得状況も閲覧できるようになっています。
このようなサイトを活用して条件に合った翻訳会社を探すと良いでしょう。
②原稿と資料を揃える
翻訳を依頼する原稿や用語集、参考資料を準備します。また、翻訳に求められる品質仕様と納品時の仕様もあわせて決めておきます。
原稿と資料の準備は下記のような手順とルールを設けて行うとよいでしょう。
翻訳の質やコストへ大きく影響する部分ですので、日常的に翻訳依頼することがわかっている場合は、下記の内容を社内でルール化しておくと良いでしょう。
■原稿を揃える-作成のコツ
●原稿は編集可能なファイル形式にする
手書き原稿や画像ファイルなど、テキストを電子的に抽出できない原稿は文字起こしなどの別費用が発生することがあります。
●テキストボックスなどのオブジェクト処理は多用しない
オブジェクト内のテキスト処理には工数が掛かるため、別途、編集費が必要となる場合が多く、翻訳料が高額になる傾向にあります。
●原稿の内容確認をする
原稿の内容に間違いがないか、第三者が読んでも誤解無く理解できるかを確認し、必要であれば修正しておきます。一般的に、文書が言語的に正しいかという視点でチェックされることはほとんどないでしょう。翻訳が常に発生する原稿の場合、言語的な事前チェックをルール化したほうが良いでしょう。
■用語集の準備
社内用語や専門用語など、統一して欲しい用語がある場合は、用語集を準備します。
■参考資料の準備
原稿内容が専門的な場合や社内特有の表現を含む場合は、内容理解を助ける参考資料を準備します。
■翻訳仕様を決める
●翻訳対象箇所を明確にする
翻訳の必要な箇所を明確に指示するようにします。
●文体・スタイルを決める
特に決まりがない場合は、翻訳会社に相談すると良いでしょう。
■納品仕様を決める
●納期を決める
●納品時のファイル形式や送付方法を決める
③見積りを依頼する
準備した原稿、用語集、参考資料および仕様を伝えて、見積り依頼します。
■料金を確認する
翻訳料金は、翻訳単価と翻訳分量(文字数や単語数)を乗じたものが主流です。
【翻訳分量の計算の方法を確認する】
●翻訳分量の計算の仕方には「原稿の分量」か「翻訳後の分量」の2通りがある。どちらを使った見積かを確認
・「原稿の分量」とは原稿の文字数/ワード数を計数したもので、原稿に変更が入らない限り、見積金額がそのまま請求金額になります。
・「翻訳後の分量」とは、翻訳した後の翻訳物の文字数/ワード数を計数したもので、翻訳結果によって請求金額が変動する性質を持っています。
・「翻訳後の分量」の場合、見積金額と請求金額に乖離が発生しやすいので、見積の計算方法を十分に確認しましょう。
●一式表記の価格があった場合は、その内訳を確認
●特別料金や編集料金などの記載がないか、あればその内訳を確認
●ミニマムチャージの有無を確認
・翻訳分量が少ない場合、ミニマムチャージが適用される場合がありますので、事前にミニマムチャージとなる分量を確認しておきましょう。
■納期を確認する
希望納期通りの納期となっているかを確認しましょう。必要な場合は、翻訳会社と納期調整しましょう。
④翻訳を発注する
⑤問合せへの対応
翻訳会社から原稿内容や翻訳仕様について問い合わせがあれば、それに回答します。
⑥納品
■翻訳物の確認
翻訳物が納品されたら、指示通りに翻訳されているかを確認します。
●納品仕様どおりか
●翻訳仕様どおりか
・翻訳漏れはないか
・編集作業は漏れなくされているか