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2023.05.16 UP

第90回 What’s your read?/takeの代わりにreadです

第90回 What’s your read?/takeの代わりにreadです

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

第48回で取り上げた“What’s your take?”。それと似たような表現だけれども最近よく使われるようになったのが “What’s your read?”。意味は変わらず、「あなたの解釈は?」と尋ねる表現になっています。 “take”の場合と同様、この名詞化された動詞“read”“on”と仲がいいので、 “What’s your read on~”で「~に関するご自身の見解はいかがでしょうか?」という意味になります。

これは想像の域を超えませんが、第37回で紹介したように、パソコンから読み出した情報、そこから派生して「(事前配布)資料」を英語では“readout”と言います。このようにパソコン用語としての“read”が広く使われるようになった結果、takeに加えてreadもよく使われるようになったのかも知れません。

具体的には次のように使えるでしょう。

A:What’s your read on this accident?
B:First of all, we should wait for the official report to come out.

A:今回の事件に関してどのように解釈していらっしゃいますか?
B:まずは正式な報告書が出るのを待つべきでしょう。

ぜひ使ってみてください!

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。