• 通訳

2023.05.16 UP

第89回 biobreak/直截的な表現が避けられます

第89回 biobreak/直截的な表現が避けられます

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

今回取り上げたい単語は “biobreak”。Merriam-Webster辞書によると、1990年代半ばにいわゆる「オタク」の人たちが最初使い始めた言葉で、今ではビジネスの場面でも使われるようになりました(https://www.merriam-webster.com/words-at-play/bio-break-meaning-and-origin)。
“Biological”“break”を組み合わせた言葉で、「トイレ休憩」の婉曲表現(euphemism)、つまり遠回しな表現になっています。 “Can we take a toilet break?”と言ってもいいのですが、あからさまな直截的な表現を避ける意味でも “Can we take a biobreak?”を使ってみてはいかがでしょうか。

具体的には次のように使えるでしょう。

A: We need a biobreak.
B: Sure, no problem. Sorry, I should’ve realized earlier.

A:トイレ休憩が必要です。
B:もちろん、取りましょう。すみません、もっと早く気づくべきでした。

ぜひ使ってみてください!

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。