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2023.05.16 UP

第82回 learning curve / ビジネスにおける「学習曲線」

第82回 learning curve / ビジネスにおける「学習曲線」

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

「学習曲線」という概念をご存知でしょうか。学習曲線とは、学習時間と学習効果の関係を表す曲線のグラフです。学習時間と学習効果が正比例の関係にあること、つまり時間をかければかけるほど学びが身につくことが理想とされます。しかし、実際には一定の時間に達するまでは効果があまり現れず、一定の時間を超えると急激に学習効果が上がるのが現実です(シグモイド曲線[sigmoid curve]のような軌跡を描きます[わからない方はググってみてください])。

この「学習曲線」を英語で、“learning curve”と言いますが、グローバルビジネスの現場で使用される場合は「十全な知識を獲得できるまで時間がかかる」「知識習得中」の状態を指します。

プロジェクトが始まったばかりでメンバーがまだ勉強中であったり、新しい会社に転職をし、色々なことを学んでいる途中の様子を表す際に使用することができる表現です。

具体的には次のように使えるでしょう。

A:Have you gotten used to your new job?
B:I’m facing a learning curve now.

A:新しい仕事には慣れた?
B:まだ勉強中の身だよ。

ぜひ使ってみてください!

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。