コロナ禍では通訳者が自宅から遠隔通訳をする形が定着。自宅に設備を整えて遠隔通訳に対応するケースも。通訳者としてご活躍中の方たちに、自宅の通訳環境を見せていただきました!
ブラッドリー純子さん
米国在住の日英会議通訳者。EJ Expert代表。RSIプラットフォームの使用経験は5年以上。ITを中心に、政府、金融、イノベーション、環境エネルギーなどの分野を手がける。
〇RSIプラットフォーム案件のセットアップ〇
・アーム付マイク/Blue Microphones Yeti(イエティ)マイク + Yetiマイクアーム
・外付けモニター/SAMSUNG 32 モニター
・メインPC(RSIプラットフォーム用)/MS Surface Laotop4 15インチ(2021)
・資料閲覧用/iPad Air4(2021)+ Apple pencil
・予備のPC/MS Surface Pro6(2018)
・イヤホン/Sennheiser(ゼンハイザー)IE 40
・キッチンタイマー
・スタンド式クリップボード
〇RSIプラットフォームでは、有線LAN接続での通信回線速度(例えば上り下り10Mbpsなど)、使用PCのCPUや最新版のOSやブラウザなどまで指定がある。時には、ヘッドセットやマイクを指定されることも。
仲田紀子さん
仲田組代表。長野冬季オリンピックにて通訳デビュー。現在は、社内通訳者として勤務中。その他、建築・建設に特化した通訳・翻訳をを請け負う。
〇社内通訳者のセットアップ〇
・PC2台/Surface
・ヘッドセット/ROCCAT Elo 7.1 Air
・マイク/Blue Microphones Yeti USB コンデンサマイク
〇今は社内通訳メインで、非常にシンプルな環境。社内会議の逐次通訳はほぼ1台で間に合うが、同通の場合は回線は2回線必要で(会社ではRSIプラットフォーム未導入)、1台をインプット用、もう1台をアウトプット用として使用。2回線ひく場合、どちらかは必ず有線(LAN)で接続。
〇ヘッドセットはゲーマー用で、マイクの性能が非常に良い。いろいろ試したが、社内の会議出席者の多くから「一番声が聞きやすかった」とのフィードバックあり。リモート通訳の環境づくりの時に一番参考になったのはゲーマー用の製品で、ゲーミング用チェアも長時間座っていても疲れにくく優れもの。
〇イヤホンはAir pods proを使用することも。ノイズキャンセリングの機能が優秀。建築現場にいながら、リモート会議の逐次通訳をする際、周囲の音声環境の悪さをAir pods proのノイズキャンセリングで乗り超えた。
巽美穂さん
東京在住の日英会議通訳者。コロナ前にRSIプラットフォームを利用していた経験を生かし、2020年4月からZoomやTeamsなどのWeb会議システム上での同時通訳を工夫。
〇非RSIプラットフォーム案件のセットアップ
・PC1台目/MacBook Pro16 2019(2.6 GHz 6 core Intel Core i7)+イヤホン/Sennheiser PC5
・PC2台目/M1 MacBook Air 2020+イヤホン/Apple EarPods w/3.5㎜ plug
・資料閲覧用/iPad Pro12.9(第3世代)+Smart Keyboard
・その他連絡用/iPhone11
〇非RSIプラットフォームの遠隔通訳案件の時のPCの使い分け例は以下の通り。
【パターン1・Zoom(同時通訳機能使用)の場合】
1台目⇒Zoom(同時通訳機能使用)/ソース聞き取り+訳出用回線
2台目⇒Teams/通訳者間モニター回線
【パターン2・Zoom(通訳機能非使用)の場合】
1台目⇒Zoom(通訳機能非使用)/本会議(日本語)回線=ソース聞き取り用回線
2台目⇒Teams/英語通訳回線=訳出用回線
菱田奈津紀さん
Beyond Language代表。外資系企業の通訳を10年務め、独立。現在は政治や外交、ビジネスなど幅広い分野の会議通訳者として活動。
〇主にWeb会議システムでの通訳用のセットアップ〇
・メインPC/HP Spectre x360 intel core i7(1.80GHz) 16Gオンボード 512G SSD
・資料閲覧用or2つ目のデバイス/iPad(9.7インチ A10 128G)
・外付けモニター/HP(21.5インチIPSモニター)
・スタンドマイク/Blue Microphones Yeti Nano BM300SG USB
・ヘッドセット/Sennheiser SC665 USB
・イヤホン/B&O Earset 3i(3.5㎜)とApple EarPods(lightning)
〇逐次通訳時は、ノートPC1台と中央のスタンドマイク&イヤホン(3.5㎜オーディオプラグ)を使用。
〇遠隔同通時は、メインデバイスとしてノートPC、2台目のデバイスとしてLAN接続したiPadまたはiPhoneを使用。また同通の際は、中央のスタンドマイクではなく、ヘッドセット(写真左)と、Apple EarPods(中央)を重ねて装着。
〇外付けモニターは、資料閲覧用やクラウドタイマーに使用。
〇その他、iPhoneでは、同通の際にパートナー通訳者と接続したり、LINE等で連絡を取り合う。目の前の壁に用語集を貼る。椅子も長時間の座り心地にこだわってコロナ禍で新調。
山本みどりさん
山本ランゲージサービス代表。社内通訳を経て、2009年よりフリーランス。サイバーセキュリティ案件やAIや量子コンピューティング分野に強い。
〇主にWeb会議システムでの通訳用のセットアップ〇
・ノートPC2台/VAIO(Core i5、RAM 8GB)
・資料閲覧用/iPad Pro 10.5インチ
・ヘッドセット/Sennheiser PC8
・その他/スマホホルダー(窓枠にクランプを設置。パートナーやクライアントとiPhoneでつなぐ際はスマホを固定)
〇PCは資料用とZoomなど、Web会議システムでの同時通訳用に2台用意するが、実際は、1台+iPadで済ませることも多い。
〇ノイズを入れたくないので、イヤホンではなくヘッドセットを使用。Sennheiserは聞こえる音もマイクの音も音質が良く、軽くて使いやすい。以前使っていたJabraのヘッドセットも予備として近くに置いておく。