• プロとして働く

2023.08.25 UP

越前敏弥 著『名作ミステリで学ぶ英文読解』【おすすめ新刊案内】

越前敏弥 著『名作ミステリで学ぶ英文読解』【おすすめ新刊案内】

通訳・翻訳・語学関連の注目の新刊書籍を、著者の方のコメントとともに紹介します。

誰もが知る有名作家の名作ミステリで
文学作品の妙と英文読解の楽しさを味わう


『名作ミステリで学ぶ英文読解』
越前敏弥 著 早川書房
出版社HP
Amazon
※NFT電子書籍版には、特典として著者・越前敏弥さんと飯城勇三さん(ミステリ評論家・翻訳家)の対談「エラリイ・クイーン 翻訳の極意」が収録されています。

【著者が語る】
結末を知らない人でも楽しめるよう
「ネタバレ」防止の工夫も

語学に興味がある人と、ミステリに興味がある人の両方に読んでもらいたい。この本を作るにあたってめざしたのは、そういうことでした。ミステリの老舗である早川書房が新書(ハヤカワ新書)をはじめるということで、その第1弾としてふさわしい本になったと思っています。

ミステリ作品は、文学としての描写の妙だけでなく、叙述の仕掛けや読者へのミスリードなどもていねいに読みとる必要があるので、英文読解のテキストとして適していますが、最も微妙な技巧の話をするにはネタバレ部分への言及が避けられません。この本では、作品を未読の人たちに名作を手にとってもらいたいという願いと、ミステリ作品を読み解く真髄にまで言及したいという願いの両方を実現するために、ネタバレのゾーンをはっきりと設けて、ひと目でそれがわかるようにしました。

そのほか、この本ではNFT電子書籍付版に特別対談を入れるという、出版業界初の試みもおこなっています。よかったらそちらもどうぞ。

※ 通訳翻訳ジャーナル2023年秋号より転載

越前敏弥
越前敏弥Toshiya Echizen

文芸翻訳者。学習塾経営、留学予備校講師などを経て、ミステリなどの翻訳の仕事をはじめる。おもな訳書に『Yの悲劇』『クリスマス・キャロル』『ダ・ヴィンチ・コード』( 以上、KADOKAWA)、『災厄の町』『解錠師』(以上、早川書房)、『ロンドン・アイの謎』『真っ白な嘘』(東京創元社)、『世界文学大図鑑』(三省堂)、『ストーリー』(フィルムアート社)など多数。著書に『翻訳百景』(KADOKAWA)、『文芸翻訳教室』(研究社)、『日本人なら必ず誤訳する英文・決定版』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『越前敏弥の英文解釈講義』(NHK出版)など。