2023.10.16 UP
ラップで上達する英語音読レッスン!Vol.1
『HIP HOP ENGLISH MASTER』刊行記念連載!
2023年8月に『HIP HOP ENGLISH MASTER』(Gakken)を刊行した、ラッパーのMEISOさん。実は通訳者・翻訳者としても活躍しており、日本会議通訳者協会主催「同時通訳グランプリ2019」ではグランプリ、「B-BOY PARK2003」ではMCバトル王者という異例の2冠を達成しています。本の出版を記念して、『通訳翻訳ジャーナル』のWeb連載にて、実際にビートを使ったレッスンをしていただきます!
シャドーイング×ラップ
皆さまはじめまして。ラッパーであり通翻訳者のMeisoです。通翻訳者としてはハワイ大学で基礎を学び、15年近くアニメ・ゲーム制作、映像翻訳、ハワイ関係の分野で活動してきました。そして、通翻訳者になるさらに前から続けているのがラッパー。キャリアで5枚の名作アルバム(自称)をリリースし、しぶとく精進しております。
通訳とラップって?と思う方も多いと思いますが、その「混ざり合わない」「混ぜるな危険」な二つをつなげた本『HIP HOP ENGLISH MASTER』(Gakken)を2023年8月にリリースしました。
同時通訳者のトレーニング法「シャドーイング」は英語の反射神経を磨くのに有効な反面、一般の人にはとっつき難い。シャドーイングを、ビートの上でラップをスピットする音ゲー要素と組み合わせることで、音楽として楽しみながら英語を練習できるのではないか?どうせ作るなら最強にヤバいビートでラップもビシッと決めたい!そんな欲張りな思いつきからこの本は生まれました。
この連載では「ラップで英語がうまくなる」、そして「英語でラップも身につく」方法を紹介し、さらに実際にレッスンも体験していただければと思います。
Lesson1 【come】
早速レッスンです。1回目はCome and join us!ということで、本で紹介している25の基本句動詞からcome[来る]をセレクトしました。単体での発音はカムではなく、カm。mのあとには母音が入りません。今回は[来る]という意味のcomeではなく、[偶然性]と[結果]を表す句動詞としてのcomeを紹介します。
ビートは日本を代表するビートメイカーDJ Mitsu the Beats。
(書籍にはSTUTS, EVISBEATS, DJ Mitsu the Beats, Eccyによる16の極上オリジナルビートを収録)
下の再生ボタンを押し、ビートと一緒にラップをしてみてください!
🎧Lesson1-1
【come out】
come out:現れる、~という結果になる、明らかになる
【Let’s try】
How did your book come out?
ハウディヂョァブックカムアウト
I guess it came out quite well.
アイゲスイットケイマウトクワーイトウェウ
When will your book come out?
ウェンウィウユアァブックカマウト
It’ll come out in the end of July.
イロウカムアウト インズィエンダヴヂュラーイ
【訳】
本の出来はどうだった?/なかなかうまくできたと思うよ。/本はいつ出版されるの?/7月の終わりごろに出るよ。
【解説】
まるでこの書籍の出来栄えについてラップしているような4小節。come outは主語が「姿を現す」、「明らかになる」という基本的なイメージを持つ。そこから「どんな具合にことが進んだか」や「出版される」などの表現にも使うことができる。/1・3ライン目は「ドン・タン」を待って、2ライン目は「ドン」を待ってからラップ。
🎧Lesson1-2
【come across】
come across:~を横切る、~に偶然会う、~を偶然見つける
【Let’s try】
I came across the street.
アイケイマクロースザストリート
Then I came across my ex.
ゼンナイケイマクロースマイエクス
She said she came across my website.
シーセドシーケイマクロースマイウェブサイト
How did she come across it?
ハウディドシーカマクロースイット
【訳】
通りを渡って来たら、/元恋人に出くわした。/彼女は偶然僕のウェブサイトを見つけたって。/そんなものどうやって見つけたんだ?
【解説】
come acrossは何かを横切るイメージ。そこに「偶然」のニュアンスが含まれている(偶然出くわす)。/3ライン目のShe said sheを一気に「シセシー」ぐらいのリズムで言おう。/どのラインも「ドン・タン」を待ってからラップし始めている。
書籍にはこのほかにcomeを使った句動詞2つと、4つのcome句動詞を使ったより難易度の高いライムが炸裂するWrap-up Rapを収録しています。残念ながら文字数の制限上ここには掲載できないので、気になった方はぜひ本を手にとってみてください。
では、See you next episode!
【試聴】HIP HOP ENGLISH MASTER (SAMPLE MIX)
【書籍紹介動画】『HIP HOP ENGLISH MASTER ラップで上達する英語音読レッスン』
【Podcast】HIP HOP ENGLISH SCHOOL(ヒップホップ ・イングリッシュ・スクール)
-MEISO&EM島
MEISOと、編集者のEM島がおくる、ラップを通して「世界」と「英語」を学ぶ、ヒップホップ エデュテインメントプログラム。
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日本生まれ。幼稚園まで米国で育ち、小・中・高は日本で過ごす。ハワイ大学卒。アニメーション制作会社の社内通訳者で、通翻訳チームのリーダー。CGアニメ・映像制作を中心に通訳として活動。2019年、日本会議通訳者協会主催「同時通訳グランプリ」でグランプリを受賞。またラッパーとしても「B-BOY PARK2003」MCバトル王者として知られる。アルバムを5枚リリースし、最新作は「轆轤」(2017)。「ENGLISH JOURNAL」に「英語でラップを学ぶ〜Rap in English!」を寄稿。