
ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
修正を示す「横線」英語で何という?
グローバル会議を重ねていると、画面を共有して参加者全員でWordの文書を見ながら加筆修正を進めていくような場面が出てくるものです。その際、どこをどのように修正したのか後から判別できるように、単語や文を消さずにWordの機能を使って横線を引いておくことがあります。では、この「横線」を英語でどう表現したらいいでしょうか。
そんな時に使えるのが“strikethrough”。「取り消し線」のことで、分解すると“strike through”という句動詞になり、「取り消し線を引く」という意味になります。
日本では取り消し線は二重線の場合がほとんどですが、以前住んでいたアメリカでは一本線が主流だったと記憶しています。ですので二重線の場合は“double strikethrough”のように“double”をわざわざ付ける必要があります。
それ以外のWordの文書機能に係る英語表現には“bold”(太字)、“italics”(イタリック)、“underline”(下線)、“superscript”(上付け)、“subscript”(下付け)などがあります。また以前、Wordのテンプレートに関する会議を通訳した際には“toggle”という動詞も登場していました。「切り替える」という意味の動詞で、“toggle between the two windows”であれば「その2つのウィンドウ間で切り替えをする」という意味になります。合わせて覚えておきましょう。
具体的には次のように使えるでしょう。
(グローバル会議でWord文書を画面共有しながら)
A:Can you place a strikethrough on the word?
B:No problem.
A:その単語に下線を引いてくれますか?
B:了解です。
ぜひ使ってみてください!
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日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CRO・シミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。日本会議通訳者協会(JACI)認定通訳者、JACI同時通訳グランプリ(学生部門)審査員(2023年~)、コミュニケーターズ土曜学校・通訳講師。モントレー国際大学院(会議通訳 [修士])、立教大学(社会デザイン学 [博士])卒。国連英検・特A級(外務大臣賞)。JACIのHPでコラム「製薬業界の通訳」を、『通訳翻訳ジャーナル』(2022-23年)でコラム「専門分野の通訳に挑戦【製薬編】」を連載。 編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版)、『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(三恵社)がある。 立教大学・兼任講師/研究員、社会デザイン学会・理事、文学・環境学会・広報担当役員。趣味は小6から続けているテニス。