• 通訳

2025.05.30 UP

第193回 MC/マックのことではありません

第193回 MC/マックのことではありません

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

会議の「司会」を指す表現は?

グローバルビジネスをする中で会議を開催することになり、司会を命じられたことはないでしょうか。司会役は第一言語であっても大変ですが、それを第二言語の英語でこなすとなるとさらにハードルが上がりますね。
今回ご紹介するのはこの「司会」に該当する英単語です。

それがこちら、“MC”“Master of ceremonies”の略で、直訳すれば「式典のマスター」、「式典を仕切る人」といった感じでしょうか。“MC”をスペルアウトして“emcee”と綴られることもあります。また“I’ll be MC’ing the gig.(僕がそのコンサートの司会をします)のように動詞として使われるケースもあります。
意外と知られていない略語ですが、少なからず使われる単語なのでのでぜひ覚えておいてみてください。少し略式な感じもするので、使用の際には留意しましょう。

略式な感じを避けて安全策を取りたいのであればるなら、やはり学校英語で習うような“moderator”がいいでしょう。“moderator”の動詞形は“moderate”で、“moderate a session”と言えば「セッションの司会をする」となります。

また、“facilitator”という単語を使ってもいいですね。その元となる動詞は“facilitate”で、“I’ll facilitate the workshop.”と言えば、「私がワークショップの司会(ファシリ)をします」という意味になります。

具体的には次のように使えるでしょう。

(グローバル会議の冒頭で)
司会:Hi, my name is David, I’m your MC for today’s meeting.

司会:こんにちは、デービッドと言います。今日の会議の司会を務めます。

ぜひ使ってみてください!

★連載一覧はこちら

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CRO・シミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。日本会議通訳者協会(JACI)認定通訳者、JACI同時通訳グランプリ(学生部門)審査員(2023年~)、コミュニケーターズ土曜学校・通訳講師。モントレー国際大学院(会議通訳 [修士])、立教大学(社会デザイン学 [博士])卒。国連英検・特A級(外務大臣賞)。JACIのHPでコラム「製薬業界の通訳」を、『通訳翻訳ジャーナル』(2022-23年)でコラム「専門分野の通訳に挑戦【製薬編】」を連載。 編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版)、『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(三恵社)がある。 立教大学・兼任講師/研究員、社会デザイン学会・理事、文学・環境学会・広報担当役員。趣味は小6から続けているテニス。