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2024.05.10 UP

第177回 stretch goal/「ストレッチ体操の目標」ではなく…

第177回 stretch goal/「ストレッチ体操の目標」ではなく…

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

stretch goal=少し背伸びをした目標

第54回では“low-hanging fruit”という表現を取り上げました。そこでもお伝えしたように、直訳すると「低いところにぶらさがっている果物」ですが、ビジネスでは「大した努力をしなくとも達成できる目標」のことを指します。では反対に、少し背伸びをした目標は英語で何と表現したらいいでしょうか。

それがこの表現、“stretch goal”。直訳すると「伸びのある目標」となり、つまり「少し背伸びをした目標」「少し高めの目標」を指します。最近は日本語でも片仮名でそのまま「ストレッチ目標」「ストレッチゴール」などと言うようになりましたね。

実際、アメリカでの勤務時代、毎年、個人目標(personal goals)を立てていましたが、その際に目標のうち少なくとも1つはこの“stretch goal”を立てるように言われていました。会社や部署、チーム単位で営業目標や売上目標を立てる際にも出てくる英語表現だと思いますので、ぜひ覚えておきましょう。

具体的には次のように使えるでしょう。

A:Shouldn’t we set ourselves a stretch goal?
B: Yes, we should not stick to low-hanging fruit.

A:やっぱりストレッチ目標を立てるべきかな?
B:そうだね。簡単な目標にしがみ付いてばかりもいられないからね。

ぜひ使ってみてください!

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森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CRO・シミックのシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。立教大学(社会デザイン学 [博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳 [修士])卒。英検1級、全国通訳案内士、国連英検・特A級(外務大臣賞)。日本会議通訳者協会(JACI)のHPでコラム「製薬業界の通訳」を、『通訳翻訳ジャーナル』(2022-23年)でコラム「専門分野の通訳に挑戦【製薬編】」を連載していた。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版)、『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(三恵社)がある。 立教大学・兼任講師/研究員、社会デザイン学会・理事。趣味は小6から続けているテニス。