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2023.05.19 UP

第150回 color-code/「色の暗号」ではなく・・・

第150回 color-code/「色の暗号」ではなく・・・

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

グローバル会議でスライドを見せながら発表をしている際に、意図して色を付けた部分について「色分けした部分を見てください」と注目を引きたい場面が出てくるものです。では、この「色分け」を英語でどう表現したらいいでしょうか。

そんな時に便利なのが“color-code”という動詞。直訳すると「色で暗号・コード化する」となり、つまり「色分けする」という意味になります。グローバル会議のスライドでよく見かけるようになった、よく色分けされる例が“リスク”に関するもの。信号機(traffic light)になぞらえてリスクを三段階に分け、リスクが高いものは赤(red)、中程度のものは黄色(yellow)、低いものは緑(green)に色分けされます。各段階で閾値(threshold)が設定されており、その閾値を超えるとリスクレベルが一段上がり、リスクの高い赤と黄色のものについてはそれぞれ取られるべき対策(action)が決められていることが多くなっています。

具体的には次のように使えるでしょう。

(グローバル会議での発表中の質疑応答)
A:How do you measure risk levels?
B:Please look at the color-coding in the table. Risk levels are measured by a three-level, color-coded system.

A:リスクレベルをどう測定されていますか?
B:表の色分けした部分を見てください。リスクレベルは3段階に色分けし測定しています。

ぜひ使ってみてください!

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。