ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
新型コロナウィルスの影響ですっかりリモート会議が定着しました。会議中、スクリーン上に投影されたスライドの文字があまりに小さいと読みづらく、拡大してもらう必要があります。この「拡大する」にどのような英語を当てるといいでしょうか。
もちろん、学校で習ったような単語を駆使して“make ~ bigger”、“enlarge”、“magnify”といった表現を使うこともできます。そのリストに付け加えていただきたいのが“zoom in”という句動詞です。「ズームイン」というとテレビの朝の情報番組を思い出す世代の方もいらっしゃるかも知れませんが、英語では「(カメラなどで)拡大撮影をする」という意味があります。ですので、オンライン会議などで使われる場合には「(スクリーンなどを)拡大する」ことを指します。
なお、“zoom in”の反意語は“zoom out”になります。細かい文字よりも全体を確認したい場合には、画面を引いてもらうという意味で“Can you zoom out?”とお願いしてみましょう。こう見てくると、リモート会議で使用される代表的なプラットフォームの名称に“zoom”の語が使われているもまさに“むべなるかな”、ですね。
具体的には次のように使えるでしょう。
A:(リモート会議中にスライドを投影して)Apologies, this is quite a busy slide.
B:Can you zoom in?
A:こちらはかなりビジーなスライドで申し訳ありません。
B:表示を拡大してもらえますか?
ぜひ使ってみてください!
会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。