ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
グローバルの会議で、「今後の連絡は私をCCに入れて頂けますでしょうか」と伝えなければならない場面に遭遇したことはないでしょうか。その際に使える動詞が今回取り上げる“copy”です。この“copy”は「印刷する」ではなく、「CCに入れる、CCする」を意味します。
ご存知かも知れませんが、“CC”は“carbon copy”の略で、カーボン紙による複写が行われていた時代の名残です。それがe-mailにも応用され、参考までにメールの“写し”を送っておくということで“CC”という言葉が使われるようになったようです。その語源から考えると、日本語の「CCに入れる」が英語の“copy”に対応するのがよく分かるかと思います。
なお、“CC”自体を動詞として使う方もいます。“Please CC me.”であれば「私をCCに入れてください」という意味になります。ちなみにBCCは“Blind Carbon Copy”の略です。“blind”は見えない状態を指す形容詞ですから、宛先に入っている方たちには分からない形で差出人が特定の人にその情報を伝えたい場合に使われるメールの機能となります。
具体的には次のように使えるでしょう。
A:Can you copy me on any emails you send moving forward ?
B:Understood.
A:今後は送るメール全てについて私をCCして頂けますか?
B:了解です。
ぜひ使ってみてください!
会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。