
第3回 Google Homeで家中どこでもメール受信を音でキャッチ!
仕事中以外でもメールに気がつけるようにするには
第2回では、仕事中に重要メールを受信した際にすぐ気がつくようになれる方法をお伝えしました。今回は、自宅にいるときで、かつ仕事中(PCの前にいるとき)以外もメールに気がつけるようになる、とっておきの方法をお伝えします。重要メールは、仕事中ではなくても、当然、来ることがありますからね。
私自身は夕方、夕食を作っている時間帯に重要なメールをよく受信します。こんなとき、たとえ仕事用PCをキッチンの近くに置いていたとしても、食事を作る音や子どもたちの騒ぐ声にPCから発せられる音がかき消されてしまい、気がつけないことがあります。
今回は、スマートスピーカーのGoogle Homeシリーズから、重要メールが届いたときのみ、そのメールの件名が読み上げられる環境を作ります。さらに、その重要メールを開封するまで繰り返し件名が読み上げられるようにしますので、いやでもメールに気が向きます。Google Homeシリーズは、コンセントがあればどこでも置けますので、家の中のどこにいても、メールの受信を逃してしまうことはありません!
ちなみに、夜間など特定の時間帯には、音を出さないように設定できますので、睡眠が妨げられる心配もありません。
さて、今回お伝えするコツは、第2回でお伝えしたChecker Plus for Gmailと何が違うのでしょうか。
・PCを立ち上げていないときに重要メールが来たときにも、件名が読み上げられるようになる
・開封するまで何度も音声で読み上げられるようになる
・家の中のPCを置いていない場所でも、音声通知ができるようになる
このあたりが、前回お伝えしたコツよりも優れているところです。
逆に短所としては、
・初期投資が少し必要になる(GHKit Zero という小さなガジェットの購入に12,980円+Google Homeが必要)
・プログラミングが必要になる(ただし、手順に従ってコピー&ペーストして、一部を自分の情報に変えていただくだけ)
などがあります。プログラミングが必要、と書くと身構えてしまう方がいらっしゃるかもしれませんが、今回はお伝えするものをそのままコピー&ペーストして、情報を一部変えるだけですので、普段PCを仕事に使っている方なら、さほど難しいことはないと思います。プログラミング言語のGoogle Apps Script(GAS)を使用します。
初期投資と手間が多少かかりますが、それに見合うだけの効果がある最強のコツだと思っていますので、ぜひご活用いただければ、と思います。
使用するツールと大まかな手順
今回使用するものは、以下の4点です。
① Gmail
②「Google Home」シリーズのいずれか
③ GHKit ZeroとGHKit Zeroアプリ(iOS版 / Android版)
④ Google Apps Script(GAS)とGoogleスプレッドシート
さて、順に説明していきます。
①Gmail →第2回で、Gmailの「フィルタ」と「ラベル」を使い、重要メールに自動でラベリングが行われるように設定しました。今回もこの設定を使用しますので、まだ設定を行っていない方は、第2回の「A. Gmailの「フィルタ」と「ラベル」を使って通知させたいメールを仕分け」の設定を行ってください。なお、前回と同様、Gmailをメーラーとして使っていない方は、すべてのメールをGmailに転送するか、あるいは通知させたいメールのみをGmailに転送する設定にすれば、今回ご紹介する機能は使えます。転送の設定を行い、かつ普段使っているメーラーにもメールが残るように設定すれば、普段のメーラーはそのまま使えます。
②スマートスピーカー「Google Home」シリーズのいずれか →③のGHKit Zeroに対応しているのが2020年3月現在はGoogle Homeシリーズのみであるため、Amazon Echo(アレクサ)などほかのスマートスピーカーではこの設定は行えません。GHKit Zero Webサイトによると、Google Homeシリーズのいずれも、すなわちNext Hub Max、Nest Hub、Google Nest Mini(第2世代)、Google Home Mini、Google Homeのどれでもこの設定ができるようです。Googleの公式ウェブサイトでは定価が載っていますが、今現在、一番安いGoogle Home Miniなら家電量販店で2,000円台前半から購入できるようです。
③GHKit Zero →これは、Google Homeシリーズで「プッシュ通知」をできるようにする、小さな機械です。プッシュ通知とは、「メールを受信した」など何らかの事象が発生した際に行われる通知のことです。皆さんのスマートフォンでは、メールを受信した際に通知が行われると思いますが、これがプッシュ通知です。Google Homeシリーズには、このプッシュ通知を行う機能がないのですが、このGHKit Zeroと組み合わせることでプッシュ通知が可能となります。GHKit Zeroは、税込み12,980円でAmazonより購入できます。
④Google Apps Script(GAS) →Googleが提供するプログラミング言語です。今回はGoogleスプレッドシートからこのGASを開きます。先程も書いたように、基本的にはお伝えするものをコピー&ペーストして、一部をご自身の情報に変えていただくだけですので、難しい知識は必要ありません。
今回行う手順は、大きくわけて3つあります。まずA. 下準備として、1. Google Home、2. GHKit Zero、3. Gmail、4. Googleスプレッドシートの設定を行い、次にB. Google Apps Scriptの記述・実行を行い、最後にC. GHKit Zeroアプリの設定を行います。
また、今回のコラム記事は、GHKit Zeroの開発会社である「てとてとて合同会社」が書いたこちらの手順を参考にしています。特に、コードについては大半がこちらと同じです。上記の記事では、特定ラベルがついたメールではなく、全体の受信トレイにメールが届いたときに、Google Homeシリーズから音声通知させる方法が紹介されていますが、本コラムでは、特定ラベルのついたメールを受信したときのみ、Google Homeシリーズから音声通知させる方法をご紹介します。