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2023.05.12 UP

第60回 pull-through / 最後まで引っ張りぬけ!!

第60回 pull-through / 最後まで引っ張りぬけ!!

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

最近、営業やマーケティングの会議でよく耳にするフレーズが“pull-through”という名詞。句動詞“pull through”は直訳すると「最後まで引っ張りぬく」ですが、ビジネスの現場で使われた際の意味は「やり抜く」「実行する」「乗り越える」といった意味になります。同じような意味で“carry through”を使用することもできますので、一緒に覚えておきましょう。

この“pull through”の名詞形が“pull-through”で、「やり抜くこと」「実行」という意味になります。よく見かける組み合わせが“pull-through strategy”で、企業によって定義は異なるかも知れませんが、一般的に言えば「やり抜く戦略」、つまり「実行戦略」ということ。営業やマーケティングでは、決められた目標・行動等を「実行しやり抜く」ことが重要ですから、こういった言葉がよく使われることになります。

具体的には次のように使えるでしょう。

A:What can we do to improve our business performance?
B:Executing our pull-through strategy, I think.

A:業績を上げるためにはどうしたらいいかな。
B:実行戦略の徹底かな。

ぜひ使ってみてください!

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。