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2023.05.12 UP

第32回 a bit about /「~について少し」という意味から変化?

第32回 a bit about /「~について少し」という意味から変化?

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

「a bit about」 様々な場面で耳にする表現

“a bit about”は「について少し」という意味の挿入句ですが、最近では、実際には「少し」でないような場面でもよく使われる挿入句になっています。その結果、意味をなさない形式化(形骸化)した常套句clichéになってしまっている印象です。

しかし語調がいいためでしょうか、ビジネスの場面でも特に「~について少し話す」という際に、“talk a bit about …”や、“speak a bit about …”のフレーズがよく使用されています。

上述したように、常套句化しているので、“a bit about”と言いながら、長話をする方も多くいらっしゃるのですが……。

具体的には次のように使えるでしょう。

Moderator:So, Ms. X, the floor is yours.
Ms. X:Thank you. Today, I’d like to talk a bit about the Japan-U.S. Security Treaty.

モデレーター:ではXさん、ご講演をよろしくお願いします。
X氏:ありがとうございます。今日は私のほうから日米安保条約について少しお話させていただきます。

ぜひ使ってみてください!

★前回のコラム

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。