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2023.05.19 UP

第146回  NDA/商談に必須の略語

第146回  NDA/商談に必須の略語

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

ビジネスを進めていく際には、お互いの機密情報を開示しながら協力関係が築けるかどうかを見極めていくものです。開示に当たっては、相手方が第三者にその情報を漏らしてしまっては困るので、秘密(機密)保持契約を結ぶことになります。この「秘密保持契約」を英語で何と言えばいいでしょうか。

「秘密保持契約」の英語での正式名称は“Non-Disclosure Agreement”と言います。ですが、通常は各単語の頭文字を取って“NDA”と称されることが一般的ですので覚えておきましょう。なお、人によっては“Confidential Disclosure Agreement”の頭文字を取った“CDA”という単語を使う方もいます。また、あまりグローバルビジネスの現場では耳にしたことはありませんが、“Secrecy Agreement(SA)”という語も存在するようです。

ちなみに、言語学で“CDA”と言った場合は“Critical Discourse Analysis”を指し、「批判的談話分析」のことを指します。場面・文脈によって意味を判断しましょう。

具体的には次のように使えるでしょう。

A:Can we discuss this business in more detail?
B:Sure, but we need to conclude an NDA before engaging in negotiations.

A:このビジネスについてもっと詳しくお話しできますか?
B:もちろんですが、交渉に入る前にNDAを締結する必要があります。

ぜひ使ってみてください!

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。