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2023.05.18 UP

第138回 table / “テーブル”を動詞で使うとどんな意味に?

第138回 table / “テーブル”を動詞で使うとどんな意味に?

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

ビジネス会議で多くの意味を持つ「table」の使い方

第42回で動詞としての“park”が「(議題を)棚上げする」「ペンディングにする」という意味を持つというお話しをしましたが、その際に動詞の“table”にも同じような意味があるとお伝えしました。今回はこの“table”を取り上げてみたい思います。

“table”は名詞で使うと「机」「テーブル」という意味ですが、動詞で使うと“park”と同じ意味にもなり、たとえば“Let’s table it.”と言えば、「本件は保留にしましょう」という意味なります。

会議は“table”に着いて行われるからでしょうか、グローバル会議でこの“table”という単語は名詞でも頻出します。たとえば“bring ideas to the table”と言えば「(会議等で)アイディアを出す」、“sit at the negotiating table”と言えば「交渉の場(テーブル)に着く」となります。

逆に“under the table”と言えば“table”の上に出さずに下でやり取りすることになるので、「不正な形で」と否定的な意味になります。たとえば“pay someone under the table”と言えば「人に袖の下(賄賂)を払う」という意味になります。日本語では「袖の下」となるところが英語では「テーブルの下」となるのが面白いですね。

動詞の“table”は具体的には次のように使えるでしょう。

A:Shall we table this matter for the next meeting?
B:That’s a good idea.

A:本件は次回の会議まで保留にしましょうか。
B:いい考えです。

“table”、ぜひ使ってみてください!

★前回のコラム

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。