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2023.05.18 UP

第121回 wrap up/ コロナ禍で増えたウェブ会議で使えます(4)

第121回 wrap up/ コロナ禍で増えたウェブ会議で使えます(4)

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

第119回の例文で“we can wrap up.”(閉会としましょう)という文を取り上げました。今回はこの“wrap up”に注目してみたいと思います。

グローバルのウェブ会議の司会をしていて、会の最後に適切な表現が見つからず、うまく締まらずに参加者が三々五々去っていく形になってしまった経験はないでしょうか。そんな時に使える締めの表現が“wrap up”“wrap”は「包む」という意味ですので“wrap up”は何かを丸ごと包み込むことを指します。そこから派生したのでしょう、会議を丸ごと包み込んで終わらせるイメージで“Let’s wrap this meeting up.”(閉会にしましょう)と言えば、締まりよく会議が終わるでしょう。

“wrap up”の代わりにもちろん、通常よく使われる“close”や“conclude”、またやや堅苦しい響きがありますが“adjourn”といった動詞も使うことができます。なお、日本語でも「ラップアップする」と言うことがありますが、「閉会にする」という意味よりは、「会議で話し合った内容を簡単に確認する」という意味で使われることの方が多いようです。

具体的には次のように使えるでしょう。

【ウェブ会議の最後に 司会の言葉】
If there are no other questions, we can wrap this meeting up. Thank you for joining and have a good one!

他に質問がなければ閉会にしたいと思います。ご参加いただきありがとうございました。どうぞよい1日を!

ぜひ使ってみてください!

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。