• PR
  • 翻訳

2023.05.25 UP

産業翻訳 日英プロ科
サイマル・アカデミー

産業翻訳 日英プロ科<br>サイマル・アカデミー

サイマル・グループのサポートと現役翻訳者による
質の高い実践講座でプロを多数輩出

サイマル・インターナショナルが母体の通訳者・翻訳者養成校。現役翻訳者による指導は実践に則した知識の醸成だけでなく、仕事をしていくうえで必要なエッセンスも習得できる。また、サイマル・グループ内で連携し翻訳者登録推薦制度やOJT制度といったキャリアサポートも充実している。

訪問クラス 翻訳者養成コース 産業翻訳 日英プロ科


納品先にふさわしい言葉選びにこだわる

翻訳者養成コース「産業翻訳 日英プロ科」は、その名の示す通りプロの産業翻訳者をめざす人のための講座で、実際、クラスに数人はすでに翻訳者として働いている受講生がいるという。授業はすべて英語で行われ、オンラインで実施されている。

2時間の授業は大きく前後半に分かれており、前半は添削済みの課題や授業当日までに提出した課題についての解説や質疑応答。後半は、前日に配布されている和文記事のインクラス・トランスレーション(その場で見て英訳する)に当てている。

この日の授業も、まずは当日に返却された課題の講評から。「銀行の自己資本比率規制に関する文書」の英訳で、Durfee先生が翻訳のポイントを示しながら解説していく。課題は添削済みなので、ここでは、書き方のルールやリソースの探し方、日本語の「など」を英訳する際の注意点など、より実践を意識したアドバイスが中心だ。

授業中は質疑応答から話題が膨らむことも珍しくない。例えば、Durfee先生が「Factors that will affect…」の翻訳例に触れ、「willは『(間違いなく)影響を与えるだろう』というニュアンスで望ましくない。企業では『(望んではいないが)影響を与える可能性がある』というcouldを使う傾向がある」と紹介すると、「couldの代わりにmayも使えるか」と質問が飛んだ。そこからは、might、may、couldの比較から、might vs. may、could vs.can’will vs.shallまで、可能性の表現や法的文書ではどの言葉が使われているのかなど、ウェブで調べながら話が広がっていく。

「翻訳作業は、文章の正確さはもちろん、読み手まで視野に入れて言葉を構成するので、その言葉一つひとつに時間をかけて考える必要がある」とDurfee先生が言うように、洗練されたネイティブ表現だけでなく、納品先にふさわしい言葉選びにこだわるのも、この授業がプロ科たる所以だ。

また、訳語を考えたり、選んだりする場合は、「こういうプロセスでやっている」「こういうリソースを調べている」とアドバイスする。同時に、重宝している資料や事典、ソフトの使い方、クライアント対応の体験談などを教えてもらえるのも、現役の翻訳者に学ぶ大きなメリットの一つだろう。

10秒で書かれた決まり文句も10分かけて翻訳する

次に、授業当日が提出期限の課題について。政府のまとめた「水循環施策について」の翻訳と、台北の現状を伝えるBBCの記事の英文要約だ。ここでも、受講生が気になる語句の用法などで活発なディスカッションが行われる。資料内の図「コラム2」に対して「図内にすでに英語でcolumnと記載されているので、他の訳語を検討しなくてはいけない」と先生が投げかけたのに対し、「(大タイトルの)『特集』はfeatureと訳したので、topicはどうか」「私はin focusにした」などとさまざまな訳が受講生から上がる。複数の訳を検討し、その文章のトーンに合わせた訳語選択の重要性が見えた場面だった。

「例えば、作成者がそれほど深く考えずに10秒で書いた決まり文句でも、私たちが真面目に向き合って、『本当はこういう意味が込められているのか』と探りながら、10分かけて翻訳することは少なくありません」とDurfee先生は言う。

また、図版に付随する吹き出しの訳語についても、Durfee先生は「日本語版の吹き出しの大きさを、英訳に合うように大きくすることはできません。文字数なども考慮して、最終的にどう見えるかを考えて訳すのが優秀な翻訳者」だと話していた。

台湾の記事では名前の表記に注目。中国本土から来た人はハイフン付きで表記するなど、文化の違いで名前の表記が変わること、人名は英語表記のルールをまとめた各種スタイルガイドを確認するよう助言していた。

後半は喫煙率に関する記事のインクラス・トランスレーションだ。受講生が一人1~2文ずつ口頭で英訳したものをDurfee先生が書き出して画面を共有。誤用やスマートではない言い回しなどを画面上で修正する。喫煙率の「減少」については、「plummetedのほかにもっとシンプルな言葉は何かある?」と受講生に尋ね、一つではない正解の可能性を広げる演習となっていた。

こうした課題の添削やインクラス・トランスレーションを通して、一貫していたのは「読み手を見据えた翻訳」だ。高いの英語力を有する受講者相手だからこそ、小手先のテクニックではない、プロ翻訳者としての土台を堅固にするための授業なのだと実感した。

講師コメント
互いに高め合える理想的な翻訳環境で 最適な翻訳文を作り上げるスキルを養う

本講座は、日本語特有の表現を英訳するスキルだけでなく、翻訳文書の使用目的や対象読者に合わせた実践的な翻訳演習を行っています。教材は、実際に「翻訳者が直面するような課題」を選び、現場ですぐに生かせるスキルを養うのが目的です。国際関係なら外交問題の専門知識、ビジネス関係なら企業の運営・経営の専門知識など、翻訳の土台となる言語的な要素に力を入れながら指導しています。

このクラスの受講生は、原文の理解不足や文法ミスなど、単純な間違いはほとんど見られません。問題が生じるのは、その情報を正しく、読み手のニーズに合わせた形で提供するところです。投資家が読むレポートやニュース記事、海外の政府関係者が見る白書など、それぞれの読み手に期待される文章があって、その「求められているもの」を知り、提供するのが翻訳者の仕事です。

受講生の中にはプロとして活躍している方もいるので、私より課題の内容を熟知しているケースもあります。授業では、私が翻訳のコツを教え、受講生には翻訳のネタとなる文章について教えてもらうというように、お互いが高め合える理想的な翻訳作業の環境ではないかと思います。

翻訳という仕事は、目の前にある原文を目的語の新しい文章に置き換えるだけではありません。書き手の要望、読み手の必要とする情報、クライアントのニーズなど、いろいろな“要素”を考えながら最適な翻訳文を作り上げることです。そして、こうした“要素”は毎回違うので、AIに任せて人間の手から離せる仕事ではない、と確信しています。受講生のみなさんにも、言葉選びの大切さ、背景知識の重要性を伝えていきたいと思っています。

Peter Durfee先生
Peter Durfee先生

翻訳者養成コース 産業翻訳 日英プロ科の講師。高校時代を日本で過ごす。米カリフォルニア大学バークレー校卒業(日本語専攻)。1996年に海外向け刊行物を扱う出版社に入社し、外交・政治・経済分野の英訳を手がける。現在はWebサイト「nippon.com」で日英翻訳・編集に従事。

ここもチェック!
エージェントが母体のスクールならではの充実したキャリアサポート
実績優秀な産業翻訳コースプロ科修了生は、翻訳者登録推薦制度により、㈱サイマル・インターナショナルへ登録が可能。在籍中は、産業翻訳コースの受講生を対象とした翻訳OJT制度に参加することで、実案件での翻訳実績を積むことができる。また、人材派遣・紹介会社の㈱サイマル・ビジネスコミュニケーションズへの登録により、レベルに応じて企業内での翻訳業務が可能。グループを挙げて、受講生が実務経験を積めるようキャリアサポートに力を入れている。

講座紹介
翻訳者養成コース
仕事の現場に即した実践的な文書を教材にして、現場で役立つ翻訳のノウハウを指導。第一線で活躍する経験豊富な翻訳者が、高い翻訳力とビジネスマインドを備えた信頼される翻訳者を育成する。日英クラスの講師陣はすべて英語ネイティブ翻訳者で、授業は英語で行われる。

● 基礎科(日⇔英)

● 産業翻訳コース
日英 本科/プロ科
英日 本科/プロ科

● 出版翻訳コース
英日 本科/プロ科

英語以外の言語の翻訳コース
● 中国語翻訳者養成コース
本科・ワークショップ
※情勢を鑑み、すべてオンラインにて講座を行っている(2023年1月現在)。

インターネット講座
・英日実務翻訳講座
・日英翻訳基礎講座
・日英ディスクロージャー翻訳講座
・日英医薬翻訳 上級
・英文契約書の読み方・訳し方
ほか

問い合わせ先
サイマル・アカデミー
東京校
〒104-0061 東京都中央区銀座7-16-12 G-7ビルディング4F
TEL: 03-6226-3120
FAX: 03-6226-3331

HPはこちらから