
高度医療に対応できる通訳者
高い専門知識とICTスキルを備えた翻訳者を養成
医療分野に特化した専門知識を学びながら実践的な通訳訓練を行う
「人材育成」と「現場経験」の双方向サイクルで多数の語学プロフェッショナルを輩出しているインタースクール。同校は、2009年に「医療通訳コース」を開講して以来、グローバル化が進む医療業界にも即戦力の通訳者を送り出してきた。「医療通訳コース」「医療英語コース」「医療通訳スキル特化講座」「医療通訳Workshop」など目的/レベル別の講座ラインナップになっており、各講座とも医療分野に特化した専門知識を学びながら実践的な通訳訓練を行う。大手通訳翻訳会社の㈱インターグループを母体に持つスクールならではの充実したカリキュラムとなっている。
成績優秀者には大手総合病院で医療通訳OJTの機会が与えられるなど、キャリアサポートも手厚い。また、「医療通訳コース」修了生には日本医療教育財団実施の「医療通訳技能認定試験【基礎】」、「医療通訳スキル特化講座」および「医療通訳Workshop」修了生には「同試験【専門】」の受験資格が付与される。高度医療に対応できる医療通訳者をめざす人は、認定試験合格を一つの目標にしてみるのもよいだろう。
医薬分野のPE(=ポストエディット)案件が増加
一方、翻訳者向けには、仕事に直結する実践的なスキルを習得するワークショップがある。「医薬専門ポストエディット」は、医薬翻訳実務経験3年以上の人を対象にしており、翻訳ニーズが高いCIOMS、CTD、GMP文書などを素材にポストエディット(PE)スキルを磨くことを目的にしている。経験豊富な講師の指導の下、PEスキルに加え、医薬翻訳の専門知識やスキルについても学べるため、実務経験者にも好評を博している。
ワークショップ修了後、翻訳とPE両方の仕事の機会が得られる。最近は医薬分野のPE案件が増加傾向にあり、PEスキルを備えた翻訳者の活躍が期待されている。
このほか、医薬をテーマにした短期講座やセミナーなどもあり、学習者のみならず現役の通訳者・翻訳者がブラッシュアップを図れる機会は多い。「スクールで学び、現場で活かす」インターメソッドは、在学中から修了後まで、キャリアアップをめざすインター生をサポートし続けている。
講師インタビュー

インタースクールで翻訳を学び、㈱インターグループ登録翻訳者に。機械、光学などから医薬に対応分野を広げ、現在は治験および認証関連文書の案件を多く手がける。豊富な翻訳経験と高いICTスキルを生かし、「医薬専門ポストエディット」の講師を務めている。
PE(=ポストエディット)は通常の翻訳にも通じるテクニック
翻訳プロセスの中でうまく使えるようになりましょう
「医薬専門ポストエディット」では、ポストエディット(PE)作業で実際に使われているツールを使用しながら、医薬分野に特化したPEスキルを学びます。実務経験者を対象にしたワークショップですので、仕事として通用するレベルにまでPEスキルを引き上げることを目標にしています。修了後は医薬分野のPE案件を受注できるようになっていただきたいですね。
授業は、CIOMS、CTD、GMPなどの治験関連文書やプレスリリースなど、医薬翻訳市場でニーズの高いものを課題に取り上げ、受講生全員の訳例を共有しながらディスカッション形式で進めます。訳例の問題点や優れている点を自ら考えることで、一つの課題を練り上げていく達成感を味わっていただけたらと思います。
受講生は皆さんが実務経験者ですが、医薬の専門知識はあるが翻訳歴の浅い人、翻訳歴は長いが医薬分野の経験が少ない人など、バックグラウンドはさまざまです。そのため、CATツールの使い方や治験に関する背景知識についてもできるだけお話しするようにしています。キャリアの短い人が質問してくださることで、ベテラン翻訳者が見落としがちな点が浮かび上がってくることもあり、受講生同士お互い学びながら、それぞれがブラッシュアップを図っています。
私自身は翻訳とPEの両方を手がけていますが、徐々にPE案件が増えてきたという感触があります。また、通常の翻訳でもCATツールを使う機会が増えています。PEで求められるテクニックとCATツールを使いこなすテクニックは共通する部分が多いため、PEスキルを磨いておくと通常の翻訳にも生かせることがたくさんあります。機械翻訳(MT)により翻訳者の処理能力が上がれば、推敲に十分な時間を充てることができ、訳文の品質が上がるというメリットもあります。今後は、翻訳プロセスの中にツールやMTを取り入れ、うまく使っていくことが重要になると思います。
修了生インタビュー

「医薬専門ポストエディット」の修了生。同志社大学文学部社会学科卒。英会話講師、企業勤務を経て2015年からフリーランスの医薬翻訳者。2019年から登録翻訳者として活躍。登録後も「医薬専門ポストエディット」を受講するなど、スキルアップに努めている。
CATツール(=翻訳支援ツール)に対する基準ができ自信を持って使えるようになりました
翻訳の仕事をするにあたり、CATツールのMemsource(現:Phrase TMS)を使用する機会が増えていたのですが、実は正しく使えているのか自信がありませんでした。さらにポストエディット(PE)の案件となると、どこまで機械翻訳を修正すればいいのか判断に迷うことも多くあります。こうした疑問を解決するヒントをいただきたいと思い、「医薬専門ポストエディット」を受講しました。
受講生全員の訳例を確認しながら先生の解説を伺うという授業スタイルでしたが、PEの基本を押さえるのはもちろんのこと、Memsourceの使い方のコツや翻訳そのものについても丁寧にご指導いただき、よい勉強の機会になりました。これまで受講したセミナーの中でいちばん仕事に即した実用的な講座だったと思います。受講直後から仕事に活用できたので、非常にありがたかったです。
現在は医薬専門の翻訳者として稼働しており、㈱インターグループからも治験薬概要書や治験実施計画書などの英日翻訳の案件をいただいています。また最近は、GMP文書などPEの日英案件を受注する機会も増えて、仕事の幅が広がっていることを実感しています。「医薬専門ポストエディット」で実際にMemsourceを使って課題を仕上げていたため、自分の中でCATツールに対する基準ができ、自信を持って使えるようになったことは大きな収穫でした。
PEをきっかけに英訳のお仕事もいただけるようになりましたので、今後はさらに医薬に関する専門知識を深めて、英日・日英両方の翻訳案件を手がけていきたいと思います。インタースクールでは通訳コースでも訓練を受けた経験があり、先生方やスタッフの方々に支えられ、厳しくも温かい環境の中で学ぶことができました。いずれは通訳コースにも復学したいですし、将来は翻訳者・通訳者として医薬分野で稼働できればと思っています。
コース紹介
■お仕事Workshop:医薬専門ポストエディット
●受講期間:1ヵ月
●開講月:HPで確認
●受講料:19,800円
■医療英語コース
●受講期間:5ヵ月
●開講月:5月、11月
●受講料:158,400円
■医療通訳コース(英語)
●受講期間:1年
●開講月:4月
●受講料:310,420円
■医療通訳スキル特化講座
●受講期間:2ヵ月
●開講月:4月、5月、7月、11月、1月
●受講料:88,000円
■医療通訳Workshop
●受講期間:5ヵ月
●開講月:5月、11月
●受講料:178,000円
※入学金は33,000円です。
なお、お仕事Workshopは入学金不要となります。
問い合わせ先
オンライン事務局
TEL:0570-067-551
E-mail:school-online@intergroup.co.jp
●東京校
〒105-0001
東京都港区虎ノ門2-2-5
共同通信会館4F
TEL:03-5549-6910
●大阪校
〒531-0072
大阪市北区豊崎3-20-1
インターグループビル2F
TEL:06-6372-7551
●名古屋校
〒450-0002
愛知県名古屋市中村区名駅2-38-2
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●福岡校
〒810-0042
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