実務翻訳50年の翻訳会社が
運営する翻訳学校

サン・フレア アカデミーは、実務翻訳で50年以上の実績を誇る㈱サン・フレアが運営する翻訳学校だ。特許、医薬、法務、金融、ITなど産業翻訳の多様な分野をカバーした講座はレベル別に分かれており、初級者から上級者まで幅広く対応している。
通学科は年4回(4月・7月・10月・1月)開講、通学科と同一のテキスト・カリキュラムを採用した通信科は随時受講可能であり、ライフスタイルに合わせて通学科/通信科を選択できるので無理なく学習を続けられる。2022年1月現在、通学科はオンラインによる授業を実施しているが、新型コロナウイルス感染症収束後もオンライン授業の提供は継続する予定。これにより、遠方に在住している人や多忙で通学時間が取れない人も対面式オンラインで講師から指導を受けられることになり、受講生にとってはさらに利便性が高まったといえそうだ。

スペシャリストによる
実践的できめ細かな指導

 通学科は最大6名の少人数クラスで、各分野の現役翻訳者が講師を務め、実践的な翻訳テクニックを直接指導する。通信科は翻訳課題への添削とコメントを通してきめ細かく指導し、受講生からの疑問・質問にも丁寧に回答する。
 今回は、通学科の中級講座「医学・薬学」、短期講座「医学・薬学プレ上級」を修了し、通信科で上級講座「医学・薬学」を学んでいる小暮佳代さん、講師の渡辺理恵子先生にお越しいただき、「医学・薬学」講座の特徴や医薬翻訳市場について語っていただいた。


講師×受講生 対談インタビュー

 

専門性の高い医薬分野を基礎から実践まで
体系的に学べる「医学・薬学」講座

原文から訳文に仕上げる
プロセスを大切に

渡辺理恵子先生(以下、渡辺):小暮さんは医薬業界で勤務経験があるそうですが、中級講座「医学・薬学」を受講してどんな感想を持ちましたか。

小暮佳代さん(以下、小暮):CROや製薬会社に勤めた経歴があり、医薬分野についてはある程度わかっているつもりでした。ところが、いざ受講を始めたらそれまでの知識が全く役に立たず、身につけた専門性がすべて崩れ去ってしまったような感覚でした。毎回の課題をこなすのは楽しくもあり苦しくもありましたが、とにかく新しいことをたくさん習得できたように思います。

渡辺:講座を受講して、意識的に取り組むようになったことはありますか。

小暮:調べる作業にかなり時間をかけるようになりました。それまで専門用語一つをとことん調べるということをしてこなかったので、調査の大切さを知ることができてよかったと思います。

渡辺:翻訳には「原文理解力」「訳文表現力」「専門知識と調査力」の三大要素があって、この三つのどれが欠けてもいい訳文は作れません。小暮さんも「よく調べるようになった」と言われましたが、専門性の高い用語は医学辞書にも載っていないので、インターネットを駆使して信頼できる情報源から訳語を見つける必要があります。辞書にない用語はダブルチェック、トリプルチェックも重要ですね。

小暮:渡辺先生は「その訳文にした根拠を説明してください」とおっしゃって、原文から訳文に仕上げるまでのプロセスを重視した指導をされます。これにはどんな意図があるのですか。

渡辺:翻訳学校では何かわからないことがあったとき講師に質問できますが、プロは何事も独力で解決していかなければなりません。受講生には今のうちから問題意識を持って翻訳に取り組んでいただき、卒業後は自分の力で仕事ができるようになっていただきたいと思っています。翻訳のプロセスに重点を置くのはそのためなんです。

小暮:なるほど、よくわかりました。

渡辺:小暮さんは授業中、よく質問をしていました。不明点をそのままにしないでそのつど解決しようとするのは、とてもよい学習姿勢です。それに、ムードメーカーの役割を担ってくださったから、クラス全体が明るい雰囲気の中で学び合うことができました。

小暮:中級講座は楽しかったです。クラスメートの方々が皆さん熱心で、いつも引っ張っていただいていました。

渡辺:中級講座を修了して、現在は通信で上級講座を学ばれていますが、よく復習もしていますね。小暮さんの訳文を添削していると、学習したことがしっかり反映されていて感心します。用語集を作っていつでも検索できるようにしているんでしょうね。

サン・フレアの講座で使用されているテキスト。各講座において学ぶべきことがテキストとしてまとめられており、体系的に翻訳スキルを習得することができる。通学(オンライン)・通信講座どちらも共通で使用されている。

好きな気持ちが
翻訳を学び続ける原動力になる

渡辺:仕事ではどんな分野を手がけていますか。

小暮:IT、医療機器、チャイルドケアなどの案件をいただいています。「医学・薬学」講座を受講して、英訳より和訳のほうがおもしろいと思うようになったので、今は英日翻訳をメインにしています。

渡辺:「医学・薬学」講座で学んだことが役立っていますか。

小暮::調査の仕方や翻訳全般に関わるテクニックなど、渡辺先生に教えていただいたことを思い出しながら仕事に臨んでいます。いずれは医薬分野の翻訳に携わりたいのですが、どんなニーズがあるでしょうか。

渡辺:医薬分野の翻訳はいつの時代も着実にありますし、産業翻訳の他の分野よりニーズは高いと思います。新型コロナウイルス感染症が流行して以降はコロナ関連の翻訳が増えています。治療薬の承認が急がれていますので、効果があると思われる薬剤の臨床試験に関する翻訳が急増しています。

小暮:やはり治験関連の案件が多いということですね。

渡辺:医薬業界ではグローバル化が進んでいます。世界規模で新薬の開発・承認をめざす国際共同治験のように、複数の国や地域の間で情報を共有することも多くなりました。その意味で、グローバル化に対応できる力を持っている翻訳者は強いと思います。

小暮:そのほか、医薬翻訳者にはどんなことが求められていますか。

渡辺:翻訳スキルが高いことが前提ですが、加えてコミュニケーション力も大切です。対面だけでなく、Eメールなどの文字によるやり取りも含め、翻訳会社やクライアントとは円滑なコミュニケーションを心がけましょう。訳文については、英文を前から順に訳すとチェッカーがチェックしやすいですし、読み手にとっても読みやすい文章になります。訳文を作る際はその点を意識するとよいでしょう。

小暮:現場のお話を聞くととても参考になります。いつかは医学文献などの翻訳ができるようになりたいので、それを目標にがんばります。

渡辺:上級講座では、これから臨床試験や統計学へと進みます。新しい専門用語や表現を学んで、さらに広く深い知識を身につけていただきたいと思います。医薬翻訳が好きだという気持ちがあれば、それが「優れた訳文を作りたい」という意欲につながりますし、翻訳を学び続ける原動力になります。好きな気持ちをずっと持ち続けてください。

小暮:貴重なアドバイスをどうもありがとうございました。


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