
オンライン・通学・通信、
ライフスタイルに合った学び方でプロになる
フェロー・アカデミーの始まりは1975年。創立以来翻訳の3大分野である「実務・出版・映像」を全て学べる唯一のスクールとして、多数の修了生を翻訳業界に輩出している。ここ数年は通学講座や通信講座に加えて双方向型のオンライン講座を増設、さらに多彩となったラインナップから目的やライフスタイルに合った講座が選択できる。コロナ禍は通学講座にオンラインで出席することもでき受講生に好評だ。
また、仕事につながるサポート体制も整っている。実務翻訳コースでは、翻訳会社による講座を開講。優秀者はそのまま企業の登録翻訳者になれる。映像翻訳コースでは映像制作会社が同校のゼミ生だけを対象に書類選考なし・経験不問のトライアルを実施し、今までに多くの受講生が採用されている。翻訳者ネットワーク「アメリア」を運営しており、多数の求人情報を紹介。自分にあった求人検索のアドバイスも行っている。
第一線で活躍する講師陣が
翻訳のやりがいや厳しさを伝授
講師を務めるのは、それぞれの専門領域で活躍し、翻訳という仕事のやりがいも厳しさもよく理解している現役の翻訳者たちだ。今回は、初級「実務基礎」修了生の茨木茂雄さんと、講師の藤澤將雄先生に対談していただいた。
講師×修了生 対談インタビュー
厳密な訳文が求められる実務翻訳
基本的な文法を大切に実務翻訳の基礎を学ぶ
逐語訳からの脱却を図り
論理的に物事を説明する
藤澤將雄先生(以下、藤澤):「実務基礎」は、実務翻訳者の吉本秀人先生がフェロー・アカデミーのために執筆された『BETA』というオリジナルテキストを使い、逐語訳からの脱却を図りながら論理的に物事を説明する書き言葉の基本を学ぶ内容ですが、茨木さんは、なぜこの講座を受講しようと思ったのですか?
茨木茂雄さん(以下、茨木):私はフェロー・アカデミーで「翻訳入門」から受講しています。「翻訳入門」では、無生物主語の構文、特に主語が名詞句や動名詞になっているようなセンテンスを訳すのにとても苦戦しました。翻訳センス以前の問題として、まずは基本的な知識や技術を学ぶべきだと思い、「実務基礎」を受講することにしました。
藤澤:なるほど。クラスでは、受講生が各章の表現ノート、翻訳のヒント、例文などを参考にしながら、短い英文の翻訳に取り組んだうえで、和訳と英訳両方を含んだ6問の課題を訳して提出します。皆さんの訳文を基にした「たたき台」を使って全員で改善すべき点、見習うべき点などを議論していくので、本クラスを受講すれば少なくとも自然な日本語で原文に忠実に訳す基礎は身につくでしょう。
茨木:「たたき台」を使った議論はとても役に立っています。たたき台として提示された訳文に違和感を覚えた場合、その理由をロジカルに説明しなければならないのですが、的外れなことを言うとすかさず藤澤先生から突っ込まれます。この緊張感のおかげで講義前にしっかり準備するようになり、結果として良い勉強になりました。
藤澤:実務翻訳は高校で学んだ英文和訳とは違うということを認識していただく必要がありますからね。高校英語の授業では、なんとなく意味が合っていれば正解がもらえたかもしれません。ところが実務翻訳ではもっと厳密な訳が求められます。具体的には、定冠詞、不定冠詞、無冠詞、単数形、複数形、不可算名詞、仮定法などの訳し方が高校英語とはまったく違うわけです。ですから、講座の前半ではこうした部分を繰り返し指摘することになります。
茨木:藤澤先生のご指導で、定冠詞か不定冠詞か、単数か複数か、総称表現か特定のものを指すのか、この3点に常に注意を向ける習慣が身についたと思います。受講前は、「翻訳に必要なのは日本語の表現力とセンス」というイメージを持っていたのですが、それ以前に、英語と日本語の論理の違いを理解して正しい変換ができる「知識と技術」が必要だと気がつきました。知識や技術なら練習で身につくはずだと考え、理解があやふやなときは必ず調べるようになりました。
藤澤:大事なことです。開講当初、茨木さんの訳文には表記や用語のミスが多かったのですが、回を重ねるごとに改善されていき、講座後半では訳文の完成度がかなり高くなっていました。テキストを熟読する、添削や講師訳例を見直すなどの復習を怠らない、リサーチを徹底するといった地道な努力があったのではと推察します。がんばりましたね。
技術用語は画像や動画で検索
徹底的なリサーチが大切
茨木:リサーチがいかに大切かということも学びました。授業で先生のリサーチ方法やどんなサイトを調べたかも見せていただけたので、自分になじみのない用語をどのように調べればよいのかがよくわかりました。特に知らない技術用語はGoogleで画像検索や動画検索し、実際の動きを見てみるという方法は参考になりました。また「専門用語がその分野や業界でどのように使われているのかを調べる」というアドバイスは今も実践しています。
藤澤:うれしいですね。講座修了後、トライアルなどは受けていますか?
茨木:「実務基礎」修了後、中級「ITマーケティング」講座に進みました。「実務基礎」で勉強していなければ、「ITマーケティング」の課題文には歯が立たなかったと思います。「IT・マーケティング」の学習を終えた今は、翻訳会社のトライアルにも挑戦しようと考えています。
藤澤:プロへの道を着実に歩んでおられるようで、安心しました。僕の翻訳人生を振り返っても、興味本位で受けたトライアルが突破口になった、単発と思って引き受けた仕事が長期にわたって続いたということがあります。茨木さんも当面はジャンルや分野にこだわらず、さまざまなトライアルを受けてみて下さい。今後のご活躍に期待しています。
茨木:ありがとうございます。