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品質管理・教育センター QCグループ
グループ長 中村友美さん
品質管理・教育センター QCグループ 管理チーム
マネジャー 岡林裕子さん

(株)知財コーポレーションは1976年創業、特許翻訳のリーディング・カンパニーとして業界を牽引してきた翻訳会社だ。米国、欧州、中国に海外拠点を構え、基幹事業である特許翻訳を中心に、知的財産関連サービスをワールドワイドに展開している。
翻訳体制は、電気・電子工学、機械工学、化学・生化学の3分野を軸にチーム制を導入。特許翻訳に精通した20名近い社内翻訳者が常駐しており、難関のトライアルを突破した1000名を超える登録翻訳者とともに、高品質の翻訳サービスを提供している。受注は電気・電子工学分野が最も多く、機械工学、化学・生化学と続くが、ここ数年は医薬・バイオ・医療機器などの案件が増えているという。
また、同社は2018年には翻訳支援ツールについて専門的に取り組む部署を発足させ、活用を本格化させている。フリーランスの応募にあたって必須の要素ではないが、登録後に翻訳支援ツールを用いた案件を依頼する際にはOJTで指導を行うなど、支援体制を整えている。

「顔が見える仕事」をモットーに風通しのよい関係を構築

これまで同社は「翻訳インターン®」制度を通じ、実務経験がない学習者や新人翻訳者に、OJTで特許翻訳を学べる場を提供してきた。これは社内ベテラン翻訳者の指導のもと、特許翻訳の基礎から実務までを習得するという同社独自の翻訳者育成システムで、これまでに50名以上の翻訳者を輩出。翻訳インターン®以外にも、有望な人材には短期社内研修で学ぶ機会を提供するなど、特許翻訳者の育成に継続的に取り組んでいる。
フリーランスの登録翻訳者は常時募集中。実務経験が少ない人でも、特許翻訳の学習経験やセミナー受講歴などがあれば、応募書類でぜひアピールを。電気・電子、機械、化学・生化学の特許翻訳者に加え、法務関連の翻訳者も採用を行っている。
書類選考後のトライアルは、複数の分野/言語の中から得意なものを選んでチャレンジすることになる。このトライアルでは、訳文のクオリティに加え、指定のスタイルに従っているかも審査基準になるため、仕様などの細かな指示にも十分気を配る必要がある。合格後の実案件では、チェック結果のフィードバックが受けられるなど、充実したフォロー体制が敷かれている。
「顧客から顔が見えるところで仕事をする」が同社のモットー。ゆえに、顧客とのコミュニケーションツールとなる翻訳メモにおいて、担当翻訳者の氏名も原則公開している。時にはソースクライアントの担当者と直接連絡を取って疑問点を解決したり、オンライン会議に出席したり、同社の登録翻訳者にはプロフェッショナルな仕事ぶりが期待される。その分、責任ややりがいを感じることができるだろう。