無理なく着実にレベルアップが図れるクラス設計
アイ・エス・エスのフォロー体制によりキャリアアップも

iss_main

通訳学校として伝統と実績を誇るアイ・エス・エス・インスティテュート。「英語通訳者養成コース」は、8段階のレベルから実力に応じたクラスを受講することで、着実にレベルアップできる構成になっている。在校生・修了生にOJTや仕事の機会を提供するなど、アイ・エス・エス全体で受講生のキャリアアップをトータルにサポートしている。

訪問クラス 英語通訳者養成コース「本科1」

遠方や海外からの受講もOKZoomを使った授業

「本科1」は、全18回、1回2時間15分の授業で、語彙力・理解力・表現力という通訳の基礎力を強化し、基本的な通訳スキルを習得する。今回取材したのは、IT関連の仕事を中心に通訳者・翻訳者として活躍している栗原恭子先生が担当する金曜午前のクラス。コロナ禍のため、Zoomを使って授業が行われていた。
 
まずは単語のテストで授業がスタート。「consumer use」「chain of command」など、栗原先生が出題する英単語を受講生が次々と日本語に訳出していく。さらに構文のテストも行われ栗原先生はZoomの通訳機能でモニター。言葉に詰まってしまった受講生にアドバイスをしたり、間違えて訳出していることを指摘したりする。構文のテストでは、一文を聞いた後に同じ文章を復唱する「リプロダクション」も実施された。

続いて、前回の授業の復習。「Cat Café」というタイトルの英日通訳と、「東北復興」がテーマの日英通訳だ。2文ごとに逐次訳していくという形式で、当てられた受講生が全員の前で訳出する。復習教材だけあって受講生はよどみなく訳していくが、ここで栗原先生から「皆さんよく復習されていて内容に間違いはありませんが、発声にも気をつけましょう。通訳の現場では、クライアントにとって聞きとりやすいことも大切です。お腹から声を出すこと、イントネーションに注意して一定のスピードで発声すること、pやtなどの破裂音をきちんと発音するようにしましょう」と指摘が入った。こうした指摘は、現場をよく知る現役の通訳者ならではだろう。

事前に内容は知らされず初見で逐次通訳

後半は、いよいよ今日の授業の教材に取り組んでいく。英日が「Spice」、日英が「コーヒー」と、どちらも食品関係がテーマだ。「食品は通訳の需要が高い分野です」と栗原先生。ちなみに事前に受講生に知らされているのは、教材のタイトルのみ。当日にいくつかの単語が栗原先生から日本語・英語訳とともに示されるが、基本的には初見で逐次訳をしていく。

英日教材では「Spice」をシャドウイングした後、当てられた受講生が一文ずつ逐次訳。「The world’s spice market is worth over 6 billion dollars.」という文章では複数の受講生が「6 billion dollars」を正しく訳出できず、「数字と固有名詞は必ずメモを取ること。この場合は『6 billion』だけでなく『dollars』までメモしましょう。でないと、単位が円だったのか、ドルだったのか迷うことになりかねません。それから、数字の単位はまず英語で聞いた通りにメモをし、訳出するときにパッと換算できるように日ごろから練習しておきましょう」と栗原先生。また「ditch out」など一見なんでもない単語ほど、辞書で調べてすべての訳語を頭に入れるように、とのことだった。

次に、日英教材の「コーヒー」も逐次訳していく。ここで栗原先生が取り入れたのが、「山手線ゲーム」の手法だ。「コーヒー価格は急騰しています」という一文を受講生全員に英訳させたのだが、「急騰」という日本語に対し同じ英単語を使ってはならない、という縛りをかけた。受講生は「significantly」「sharply」「shot up」など6人全員が違う表現を使って訳出。与えられたテーマを基に、単語リストを作るなど予習をしっかりとしていることがうかがえた。栗原先生は「本科1のクラスでは、常に内容の7~8割程度を正しく訳出することが求められます。そのためには下調べが重要ですが、今回はみなさんよくできましたね」と受講生をほめた上で、「『急騰』という言葉が出てきたら、反意語の『暴落』を表す単語も考えておきましょう」とアドバイス。「コスタリカの小さなコーヒー農園で、あるプロジェクトが始まりました」という文章を訳出する際には、「日本人は受動態を多用する傾向があるので、まず能動態で訳せないか考えてみましょう」と注意する場面も見られた。

最後に「コーヒー」の教材に関連して、栗原先生が英語字幕付きの動画を紹介。「関連する動画や音声を探して聞き、自分で訳してみることも大事です。この動画はよくできていて、コーヒーの歴史やコーヒー農家の現状についてよく分かりますので、ぜひ自宅で最後まで見て訳出してみてください」と言って授業は終了。

Zoomを使ったオンライン授業ではあるが、栗原先生の操作が大変スムーズなこともあり、LLブースを使った通学の授業と変わらない緊張感ある2時間だった。解説やフォローアップがきめ細かいことも印象的で、このクラスを受講すれば通訳の基礎力がつくだろうことを実感できた。

講師コメント

asanosensei

英語通訳者養成コース
「本科1」
栗原恭子先生

聖心女子大学英語英文科卒業後、日本IBMにて営業系SEとして勤務。IBM在職中に英国留学。その後ISSに入学し、「通訳科1(現「プロ通訳養成科2」)」在籍中より、通訳の仕事を開始。IT関連の仕事を中心に通訳・翻訳業務に携わる。

通訳の訓練方法が確立されているISS興味があるならぜひ入学を

「 本科1」は、通訳準備科クラスを修了した人が対象のクラスです。英語・日本語両言語において正確に原文を聞き取り論旨を理解できること、1 ~ 2行程度の一般的な内容の文章を初見で逐次訳し、内容の7割程度を正確に訳出できること、通訳に必要な基本文法・構文、語彙力を身につけることを目標にしています。いわば、通訳者として通用する能力の土台を作るクラスです。

英語力=通訳力、と誤解されがちなのですが、決してそうではありません。英語ができることと通訳ができることの違いはなにか、そのためにどんな学習をしていけばよいのか、授業初回のオリエンテーションで、通訳訓練のやり方や英語全般の勉強方法についてみっちりと説明をします。また、せっかくプロの通訳者が教えていますので、実際に仕事の準備における時間配分や、内容がはっきりと理解できなかった時の対応、オファーされる仕事レベルの見極め方など、実際に私が経験したエピソードも授業中でお話しています。

クイックレスポンス、リプロダクション、シャドウイング、サイトトランスレーションなどさまざまな訓練方法を使って勉強していきますが、もちろん週1回の授業を受けているだけでは勉強量は不十分です。ご自宅でも復習を中心にしっかりと勉強されている方でないと、上のクラスへの進級は難しいのが現状です。

私自身、アイ・エス・エス・インスティテュートで学んで通訳者になりました。歴史が長い本校では通訳の訓練方法が確立されており、カリキュラムにのっとってしっかり予習・復習をしていけば確実に力がつくようになっています。Zoomの授業が始まって、遠方や海外からの受講生も増えました。短期コースもありますので、通訳をめざす方は躊躇せず入学していただきたいと思います。