さまざまな分野別・レベル別に50を超える講座を開講
翻訳会社の母体を生かし、プロ翻訳者へのチャンスを掴む

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各分野のスペシャリストである現役翻訳者が講師を務める実践に即したカリキュラムで、これまでに3000名以上の翻訳者を輩出しているサン・フレア アカデミー。翻訳実務検定「TQE」合格者には母体である翻訳会社サン・フレアの登録翻訳者としての道も開かれ、学び、仕事の両面でサポートが得られるのも大きな魅力だ。

訪問クラス 初級講座「はじめての翻訳文法」

少人数制クラスでどんな質問にも丁寧に答える

「はじめての翻訳文法」は、英語をきちんと理解し、正確な訳文を導く土台となる英文法を学ぶコースだ。講師は、IT・通信分野の翻訳者として30年以上のキャリアを持つ冨田淳二先生。

通信科と通学科の2コースあるが、コロナ禍の現在は通学科でもビデオ会議システムが取り入れられている。受講生にはあらかじめ課題が与えられており、訳文を用意した上で授業に臨む。課題は英日翻訳が主だが日英翻訳もあり、またテーマも環境・エネルギー、金融・経済、法律・ライセンス、医薬・化学・バイオなど多岐にわたる。

今回見学したクラスは第18講「グローバルビジネス」。受講生2名のうち1名が欠席したためマンツーマンレッスンとなった。マンツーマンというのはさすがに珍しいが、サン・フレア アカデミーでは最大でも定員6名という少人数制をとっており、きめ細やかな指導が受けられるのが特徴だ。この授業でも、受講生から「訳出にあたって時制はすべて一致させたほうが良いのか」「産業翻訳では『です・ます体』で訳出しないのがルールだと聞いたが、すべて『だ・である体』で訳すべきか」「英文でA and Bとあった場合、A『と』Bと訳出するのがよいのか、それともA『や』Bとしても良いのか」とさまざまな質問が飛び出したが、そのすべてに冨田先生は丁寧に答えていた。

自由課題の英文訳出「石油依存」では、受講生からこんな質問があった。
「Oil price shocks and price manipulation by OPEC have cost our economy dearly という部分で、私はOPECが恣意的に価格を操作したととらえて『(アメリカが)大きな損失をこうむっており』と訳出しました。ところが解答例では『大きな負担を強いられており』と訳されていて、違和感を覚えたのですが」

冨田先生は、
「それはどちらの立場に立って訳すのか、によります。アメリカが世界経済を牽引していると考えて訳出すると『負担』になるのかなと。ただし、今おっしゃったような視点も当然ある。そこが翻訳の難しいところですね。視点を変えると訳し方が変わりますから、訳出対象者が誰なのかということを常に考える必要があります。例えば子ども向けに書いてあるものなら子どもに分かるように、エンジニア対象ならエンジニア向けに訳さなければいけません。選ぶ語彙も訳出対象者によって変わります」
と回答。それが翻訳物の商品性にもつながるという。

きちんと調べ知識を吸収することで語彙選択のレベルを高く保つ

冨田先生が強調していたのが、「プロの翻訳者になるなら一生勉強しなければならない」ということ。

「翻訳者としてやっていくなら、語彙選択のレベルを高く保つことが大切です。そのためには新しい知識を学ぶこと、そして調べ物が好きだということが欠かせません。まずは、基礎力をつけるために大量の英文を読んで、わからないところはウィズダムなどの辞書、Googleやコーパスでその都度調べながらしっかり和訳をすると良いと思います。母語で書いてある専門用語は、英語よりも頭に入ってきやすいですから。そこから英単語と紐づけていくことによって、専門分野でも通用する表現力がついていきます」

また、日本語にした時に自然な表現になっているかどうかが大切、とも。

「Their など所有格は『それら』『かれら』と訳さない。また指示代名詞は、何を指しているかをはっきり訳出するようにします。形容詞として訳出してうまくいかなければ、副詞的に訳すこともできますし、倒置法を使っているからといって必ず強調しないといけないわけでもありません。翻訳でいちばん難しいのは橋渡しです。日本語ではこういういい方はしない、英語ではそうはいわない、という違和感をどこまでゼロにできるかが重要です」

時には辞書の訳をそのまま入れず、文脈から適語を判断することも必要になってくる。もちろん英文解釈を間違えないことが大前提だが、翻訳者にとって日本語力は非常に重要なのである。

授業中、課題についてだけではなく、今後翻訳者としてのキャリアをどう築いていくといいのか、どうやって専門分野を決めるのかという質問にも答えていた冨田先生。

「今まで文法が苦手だったが、冨田先生がわかりやすく解説してくれるおかげで文法に対する恐怖感がなくなった。先日受検したTOEICでも、感覚に頼るのではなく理由を考えて文法問題を解けるようになった」という受講生の言葉が印象的だった。

講師コメント

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初級講座
「はじめての翻訳文法」
冨田淳二先生

青山学院大学文学部英米文学科卒。ソニー、河合塾、社内翻訳・通訳、辞書編集者を経て、翻訳者として独立。現在、AX-Globe LLC の代表。翻訳部( 英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・スウェーデン語他)に加え、教育部として品川インターシティにて、大学受験予備校の運営も行う。東京西南ロータリークラブ会員。

翻訳文法の基本は中学・高校の文法
辞書をこまめに引くことが文法克服のカギ

「はじめての翻訳文法」では、文法・語法に関する苦手意識をなくすことがひとつの目標です。翻訳文法の基本は規範文法。中学や高校で学ぶ文法を無視して先に進むことは決してできません。英文法が苦手な人は、基本に立ち返ることが何よりも大切なのです。

特に重点を置いているのが、単語に対する姿勢を変えること。中学校1、2年生レベルの英単語にはたくさん意味があり訳出が非常に難しい。例えば「hand」には「手」や「手渡す」のほか「(時計の)針」という意味があり、さらにa second hand(秒針)、a minute hand(分針)、an hour hand(時針)という表現もありますが、簡単な単語だと辞書をあまり引かない方もよく見かけます。語学学習の基本は辞書ですから、意味だけでなく語法を含めてしっかり確認する、例文も必ず読むなど、普段から自学自習の重要性について触れるようにしています。最終的には「自分で調べてわかるようになる」能力を身につけていただきたいですね。

講義では常に「プロになる」という意識を明確に持つように伝えています。プロの翻訳者は誰でも簡単になれるものではありませんが、明確な目標意識を持ち、スクールのカリキュラム通りに学習を重ねていけば目に見える形で実力アップが図れます。いつまでにどのようにプロとして稼ぎたいかを考えながら学習に取り組むと良いでしょう。本校のテキストは、講座修了後すぐに翻訳者として活躍できる実践力を身につけることを目標に作成されています。サン・フレアが行っている翻訳実務検定「TQE」を受けて一定以上の成績をおさめればサン・フレアの登録翻訳者になれることも大きな魅力です。