EXPO’70大阪万博を機に設立(1966)された全国規模の通訳名門校
業界トップクラスのプロフェッショナルを数多く輩出

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国際会議やビジネス、医療現場など、多様な分野で活躍する語学のプロフェッショナルを多数輩出している名門校。キャリアサポート体制も厚く、当校の母体である㈱インターグループと連携し、「スクールで学び、現場で生かす」というインターメソッドを実現。実力ある受講生は在学中にプロデビューするチャンスもある。

訪問クラス ビジネス通訳コースⅣ

社内通訳に必須のトピックだけでなく時事的な周辺情報にもアンテナを張る

「ビジネス通訳コース」では、社内通訳の基本から、さまざまな現場で必須の通訳スキルを身につけるべく、4つのステップを経て通訳力を積み上げていく。今回見学したのは、最上級レベルの「ビジネス通訳コースⅣ」。逐次通訳、同時(ウィスパリング)通訳など、社内通訳者として求められるパフォーマンスを強化しつつ、多業界・多分野にも対応可能な幅広いトピックを扱う現場に最も近いクラスだ。

授業開始前、スクール部門と連携している通訳部門のスタッフが授業の見学に入る、というアナウンスがあった。授業での訳出、対処力によって、実力が認められて仕事のオファーにつながるケースも少なくないという。

授業を担当するのは、自身もインタースクール出身である押田泉先生。まずは社内通訳の現場で頻繁に出てくる「数値」の訳出だ。10万、100万単位の英語の数を1の位まで訳出するのだが、「最初はメモをとらずにやってみてください」と先生。皆、集中して聞いているものの、指名されると、1の位まで正確にアウトプットするのは難しい。再度同じ数字を聞き、正確に訳出できるまでトライする。後半はメモとり可の訳出。今度はすらすらと数字を訳出できるようになるが、先にメモなしでリテンション力を鍛えたことも、訳のスムーズさにつながっているのだろう。

こうして頭慣らし、口慣らしをした後は逐次通訳の訓練になる。最初に取り上げるのはロヒンギャに関するニュース。ビジネス通訳で時事トピックを扱う理由について、先生から「ビジネスシーンではトップレベルに行けばいくほど、業界以外の話題が出てくる場が増えます。例えば社長同士の夕食でビジネスに影響を及ぼす政治ネタに話が展開したり環境系のトピックを経営会議や社内外の会合で訳すことも多くあります」と説明があった。ふだん仕事で扱っている題材と異なるせいか、指名されて訳出に難儀する受講生もいる。ニュースも、ビジネスパーソンとして最低限知っておくべきトピックについては、意識して広く情報収集しておく必要があるようだ。

「聞き取れなかった」「わかりません」ではプロとして現場に立てない

続いて経済トピックの逐次通訳に移る。ネイティブ2人による日本経済談義だが、話がヒートアップするにつれて早口の応酬になるため、聞き取り力や内容把握力もさらに求められる。論旨が追いきれず、訳出の際に主語が入れ替わってしまったり、聞こえた単語の意味に引きずられ、誤訳をしてしまったりする受講生が続く。そのつど、「まずはインプットが正確かを試すために英語で繰り返してみましょう」「スピーカーの真意を理解して訳せていますか?ご自分の言葉で結構ですので、説明してください」と、先生からオリジナルの発言に忠実な理解と共に情報整理を促すアドバイスが飛ぶ。

ある程度逐次通訳を行った後、同じ教材の続きを今度は同時通訳で訳出する。全員がヘッドセットをつけて訳出を行い、先生が各人のパフォーマンスをモニタリングしていく。終了後、各自の訳出を自己分析してもらうと、「速くて訳しきれなかった」「途中で止まってしまった」といった声が上がる。それぞれについて先生から、「わかっているところは丁寧に訳が出ていて、日本語も美しいです」「言いよどみが多いようですね。まずはスクリプトを見ながらサイト・トランスレーションでしっかり訳出する練習を」といった個々人に寄り添った評価や指摘が返される。

「話者の言葉をもう少し先まで聞いてから訳そうと思ったけれど、結局訳せなかった」という声もあった。同時通訳の場合、どこで区切って訳出するかが悩みどころにもなる。判断を誤ってしまった場合でもパニックにならず、「内容の幹となる部分だけでも極力小さな単位に区切って訳出しましょう」と先生。

現場では「わからなかった」「聞き取れなかった」が通用しない場面も多い。粘り抜いてできるかぎりの訳出を目指す。それが現場に立つときに求められる通訳者の姿勢にも通じる―と、先生は強調する。

実力がある人でも、この姿勢のあるなしでプロとして通用するかどうかの差が大きくつくという。教室と現場を切り離さず、ひとつひとつのパフォーマンスをプロの意識で積み上げていく。そんな重要性を強く感じさせる、限りなく実践を追求した授業だった。

講師コメント

ビジネス通訳コースⅣ 押田泉先生 おしだ・いずみ 立教大学文学部英文学科卒。在学中、英国に交換留学。自動車、小売、IT、保険などの複数業界で社内通訳・翻訳に従事しつつ、インタースクールで会議通訳、IR通訳コースを受講。ワークショップ修了後、インターグループ通訳者として稼働開始。当校のビジネス通訳コースのほか、会議通訳コースの講師も務める。

ビジネス通訳コースⅣ
押田泉先生
おしだ・いずみ

立教大学文学部英文学科卒。在学中、英国に交換留学。自動車、小売、IT、保険などの複数業界で社内通訳・翻訳に従事しつつ、インタースクールで会議通訳、IR通訳コースを受講。ワークショップ修了後、インターグループ通訳者として稼働開始。当校のビジネス通訳コースのほか、会議通訳コースの講師も務める。

AIでは実現できない「付加価値」のある通訳者としての実力を身につけましょう

「ビジネス通訳コースⅣ」は、社内通訳者としての自立を目指す最上級コースです。社内のどの部門においても通訳ができ、また、フリーランスであればビジネスの範疇で仕事を受けつつ異業種業界で幅広く活躍できる通訳者として独り立ちできることを目標に据えています。そのため、扱う題材もビジネス関連を基本としつつ、世界情勢に関する時事問題や環境問題など、実際の現場で求められるようなトピックも積極的に取り上げています。

スクールで学ぶ魅力は、まず、同じ未来を目指すライバルたちと切磋琢磨できることでしょう。スピーディーな訳出をする人、自分の知らない知識を豊富に蓄えている人など、教室には背景の異なる多様な方々が学びに来ています。そうしたクラスメートの存在は大いに刺激となり、クラス全体の力が底上げされることもあります。

また、教室では、現場を意識した訓練を行うだけでなく、私自身の現場での体験談などについてもお話しするようにしています。失敗談、事前の準備のしかたなど、現場の空気感を伝えることは、とても大事です。受講生がいざ現場に出たとき、「あ、この雰囲気、知っている」と感じると、それだけで実力が発揮しやすくなるからです。

通訳という仕事は、単に言語を置き換えるだけのものではありません。人と人とをつなぐ配慮、コミュニケーション力がビジネスチャンスを支え、広げていきます。AIが登場し、今後通訳ニーズがどう変化するのか、予測することは難しいですが、通訳の仕事を通して得られる人脈や知識は長い人生をあらゆる意味で豊かにしてくれるものと信じていますし、その喜びをできるだけ多くの生徒さん達と分かち合いたいと思っています。