大阪万博を機に1966年に設立された全国展開する通訳の名門校
トップクラスのプロフェッショナルを養成

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国際会議からビジネス、医療現場まで、さまざまな分野で活躍する語学プロフェッショナルを多数輩出している名門校。母体である㈱インターグループとの連携により、「スクールで学び、現場で生かす」インターメソッドを実現している。在校中にプロデビューを果たす受講生も多く、キャリアサポートが整っていることも同校の特徴の一つだ。

訪問クラス 通訳基礎コース レベルⅢ

「理解しながら聴く」訓練に“5語遅れ”のシャドーイング

「通訳基礎コース」は、通訳訓練を通して「英語理解力」と「人に伝える力」を高めるコース。カリキュラムはリスニングパートとリーディングパートで構成されており、通訳に必須の構文理解力・文法力・語彙力・リスニング力・リーディング力を総合的に鍛えることができる。今回は、インタースクール出身の通訳者、松浦俊先生が担当する「レベルⅢ」のリスニングパートを見学した。このクラスは上級クラスの進級を控えたレベルであり、社内で通訳業務を任されるビジネスパーソンや観光ガイド、電話通訳をしている人も多く受講しているという。

授業は、宿題になっていた「ボキャブラリーエクササイズ」から始まった。時事英語から出題されているため内容は難しく感じたが、受講生の反応は良く、レベルの高さがこの時点でよくわかる。後ほど伺ったところ、入学当初、受講生は時事英語に戸惑っていたとのこと。現場で活躍している先生の指導を通じて着実にレベルアップしているのだ。松浦先生は、「新しい単語や表現に出会って、さらにもう一度同じ単語や表現に接したら、次は自分で実際に使ってみましょう。そうすることでアクティブボキャブラリーになっていきます」とアドバイス。自身の経験を交えながら、語彙力をつけるためのコツを見せてくれた。

次は、前回教材を使ったシャドーイングに移る。ここで松浦先生が行ったのが、音声が流れてもすぐにはスタートせず、5単語程度待ってから発声を始める“5語遅れ”のシャドーイングだ。このトレーニングは、通常のシャドーイングに比べ、聴くことと記憶することにより集中しなければならないため、かなり難易度が高い。受講生は、悪戦苦闘しながらなんとか乗り切った後、口々に「難しい」と感想を漏らす。その感想を受け、松浦先生は、なぜこの訓練を取り入れたかを説明する。「言葉だけを追っていると、メモを取ったとしても、何も頭に残らないことが多い。一方、数語遅れのシャドーイングは、理解しながら聴く練習に適しています」。慣れてくると、聴いている自分、理解している自分、話している自分の存在を同時に感じることができるそうで、この感覚が同時通訳にもつながっていくという。「ぜひ、3語遅れ、5語遅れ、8語遅れをやってみてください」との助言でシャドーイングが終了した。

さまざまな効果が期待できるリプロダクションを実践

続いて取り組むのは、リプロダクションだ。各自、ヘッドフォンで一文ずつ区切った英語音声を聴き、聴いたとおり英語で再現していく。各々が最後まで通して復唱した後は、クラス全体の学習に移る。全員でスピーカーから流れる音声を聴き、指名された受講生がリプロダクションを行う。中には、オリジナル音声とは違う表現に言い換えてアウトプットする人もいたが、松浦先生は、「理解しながら聴いている証拠なので、そのアプローチでいい」と評価していた。

リプロダクションの目的は、ネイティブの自然な英語を身につけること、リテンションを高めることなどにある。それに加え、前出のシャドーイングと同様に、「理解しながら聴くことの訓練になる」と松浦先生は言う。「長い文章になると、音を覚えてそのままリピートしようとしても、うまくいきません。しかし、理解しながら聴くことができれば、アウトプットがスムーズになります。自習をする時は、なぜその訓練をするのか、訓練の目的まで考えるようにしてください」とアドバイスを続けた。

授業の後半は、初見の新教材で逐次通訳に挑戦することになった。教材は「ベルリンの壁」に関する話題を扱ったもので、単語リストが配られ、辞書で調べる時間が与えられる。その後は各自、ヘッドフォンから流れる一文ずつ区切った音声を聴き、自分のパフォーマンスを録音した。

授業も終盤に差し掛かった頃、受講生一人ひとりが指名され、逐次通訳を披露することになった。このクラスでは通常はメモを取らないが、今回の教材には名詞の羅列が続く箇所があり、そこは例外的にメモを取ることになった。松浦先生は、「メモなしで聴くことに慣れていると、freedomならば『F』と書くだけでそれがトリガーとなって単語が出てくるようになります。本当にメモが必要な時に、メモを取りすぎないようにするためにも、普段からメモなしで聴く訓練をしましょう」と、リテンションを高める必要性を説いた。

シャドーイング、リプロダクション、逐次訳出という、通訳の基礎訓練を網羅した充実の2時間。プロの通訳者を目指す人にも、語学力を総合的に磨きたい人にもお勧めの講座である。

講師コメント

「通訳基礎コース レベルⅢ」 松浦俊先生 まつうら・しゅん 名古屋商科大学卒。2014年からインタースクールで学び始め、「会議通訳コース」および「専属通訳者養成コース(当時)」修了。外資系企業の社内通訳者として活躍する傍ら、「通訳基礎コース」で後進の指導にあたる。2018年10月より、フリーランス通訳者。

「通訳基礎コース レベルⅢ」
松浦俊先生
まつうら・しゅん

名古屋商科大学卒。2014年からインタースクールで学び始め、「会議通訳コース」および「専属通訳者養成コース(当時)」修了。外資系企業の社内通訳者として活躍する傍ら、「通訳基礎コース」で後進の指導にあたる。2018年10月より、フリーランス通訳者。

訓練法の目的を理解し、効果をイメージして自主学習に取り入れましょう

「通訳基礎コース」は、英語から日本語に訳出する通訳訓練を通して、基本的な通訳スキルを身につけるとともに英語総合力を高めることを目標としています。将来プロの通訳者を目指す人はもちろんですが、仕事で英語を使う人や、英語力をブラッシュアップしたい人にもお勧めです。ぜひ本コースで本格的な通訳訓練を体験し、語学学習に積極的に取り入れていただきたいと思います。英語を正確に聴き取り、適切な日本語で訳出できるようになることが第一の目標ですが、それに加えて、正しい英語で発信する楽しさや、情報を正確に伝える楽しさも感じていただきたいですね。

授業では、シャドーイングやリプロダクションなどの訓練法を実践していますが、その際は、「なぜこの訓練をするのか」という目的を丁寧に説明するようにしています。「この訓練にはこんな効果があり、このスキルが身につく」ということが具体的にイメージできれば、トレーニングにも身が入りますし、高い効果が得られます。また、「通訳基礎コース」の段階で基本の訓練法を備えておけば、「会議通訳コース」や「ビジネス通訳コース」に進んだ後も、自分自身で弱点を克服したり、長所をさらに伸ばすこともできるようになります。

スクールに通学するのは週1回ですので、授業だけではスキルアップは望めません。教室を「発表の場」と捉え、毎日少しでも通訳トレーニングの時間を確保し、発表に向けてコツコツと勉強を続けましょう。初見教材に取り組むことにも意味はありますが、復習に重きを置き、一度学んだ教材を納得のいくまで繰り返して勉強することも大切です。