医薬翻訳に加えメディカルライティング講座も開講
サン・フレア アカデミーは、実務翻訳で約50年の実績を誇る㈱サン・フレアが運営する翻訳学校だ。産業翻訳の多様な分野をカバーした講座はレベル別に分かれており、初級者から上級者まで幅広く対応。徹底した少人数制の下、各分野のスペシャリストである現役翻訳者が実践的できめ細かな指導を行う。
医学・薬学分野は〈中級〉〈上級〉〈実践〉〈特別〉の4レベル設定。中級講座では医薬翻訳の土台となる医学用語・知識や基本的な翻訳テクニックを習得し、上級講座では医学・薬学のさまざまな領域の課題文を題材に実践的な翻訳テクニックを身につける。中級・上級の総まとめとなる実践講座では、翻訳実務に近い課題文を題材に演習に取り組み、翻訳実務検定「TQE」やトライアル合格をめざす。
治験や医療機器に特化した特別講座、1カ月で完結する短期講座など、講座ラインナップが充実していることも同校の特長である。また、気軽に参加できる短期集中型のセミナーや講習会も開催しており、内外で好評を博している。2020年10月期には、特別講座「日本語メディカルライティング〈理論と応用〉」を新規開講する。メディカルライティングが本格的に学べる講座として注目される。
オンライン授業で利便性高まる
通学科は年4回(4・7月・10月・1月)開講、通学科と同一のテキスト・カリキュラムを採用した通信科は随時受講可能であり、ライフスタイルに合わせて通学科/通信科を選択できるので無理なく学習を続けられる。なお、2020年10月期以降、通学科はオンラインでの授業を実施する。これにより、遠方に在住している人も、多忙で通学時間が取れない人も、今後は対面式オンラインで講師から指導を受けられることになる。新型コロナウイルス感染症終息後も、オンライン授業の提供は継続する予定であり、受講生にとってはさらに利便性が高まるといえそうだ。
受講修了後、翻訳実務検定「TQE」に合格すれば、㈱サン・フレアの登録翻訳者として活躍の場が得られる。翻訳者としての明確なキャリアパスが描けることも、サン・フレア アカデミーで学ぶメリットの一つである。
講師インタビュー

特別講座「日本語メディカルライティング〈理論と応用〉」
山名文乃先生(やまな・あやの)
筑波大学大学院バイオシステム研究科修了。2010年から翻訳業に携わり、2011年にフリーランスとして独立する。以降、バイオ・メディカル分野を専門に、医薬翻訳(日英・英日)とメディカルライティング(英文・和文)を手がける。本業のかたわら、後進の育成にも取り組んでいる。
ジュニアメディカルライターのスタートラインに立ちましょう
製薬分野のメディカルライターは、経験やスキルに応じてジュニアメディカルライターとシニアメディカルライターに分かれます。ジュニアメディカルライターの登竜門とされるのが「CTD 2.7.6 個々の試験のまとめ」。本講座では、「CTD 2.7.6を書けるようになること」を目標に和文メディカルライティングを学びます。開講にあたっては、1年以上の時間をかけて準備し、オリジナルテキストを開発しました。基礎演習から長文の演習へと段階的に進む中で体系的に学べるカリキュラムになっていますので、メディカルライターをめざす方はぜひ本講座を受講して、キャリアのスタートラインに立っていただきたいと思います。
メディカルライティングは、医薬翻訳以上に内容を理解していないとできない仕事ですが、本講座ではライティングの演習を通じて治験文書で好ましいとされる書き方や表現を学ぶことができます。そのため、翻訳にも大いに役立ちます。訳文が冗長になってしまう人や、いわゆる翻訳調の文体を好む人にとっては、自分の癖を矯正するよい機会になるでしょう。また、メディカルライティングのベースはテクニカルライティングですから、技術文書を書く場合にも応用できる部分はあると思います。
メディカルライティングも医薬翻訳も、語学力と専門性の両方が高いレベルで求められるため、「なる」までは大変ですが、長く続けていける仕事です。次々に新しいことが解明されていく中で、毎日のように刺激を受け、ワクワクしながら取り組める、幸せな仕事でもあります。今メディカルライターの世界では人材が不足しています。興味があって勉強したいという方に増えてほしいですし、その中から一人でも二人でも優秀な方が出てきてくれることを願っています。
スクール事務局インタビュー

特別講座「日本語メディカルライティング〈理論と応用〉」を開講します
当校の母体である㈱サン・フレアでは、医薬翻訳に加え、メディカルライティングの案件も多数受注しています。市場のニーズに応えるためにも、優秀なメディカルライターを育成する必要があり、2020年10月期より特別講座「日本語メディカルライティング〈理論と応用〉」を新規開講することにしました。
本講座は、全8回の授業でメディカルライティングの特徴やルールを学び、「CTD 2.7.6を日本語で書けるようになること」を最終目標とします。英文で書かれた治験ドキュメントの内容を理解できる方、メーカー・CROなどでライティングの経験がある方、医薬品関連の法規制を理解している方、当校講座「治験和訳演習」を修了している方、製薬・治験分野の英日翻訳者などにぜひ受講していただきたいと思います。
当面は、ビデオ会議ツールである「Zoom」を利用したオンライン授業を行います。学習環境として、インターネットに接続されているパソコン、カメラ、マイクが必要です。顔出しは必須としておりませんが、円滑なコミュニケーションのためにできるだけカメラをご利用いただくことをお勧めしています。
受講修了後、翻訳実務検定「TQE」やトライアルに合格された方には、㈱サン・フレアからメディカルライティングのお仕事をご案内します。また、テーマやレベルを絞った1日完結型のセミナーや講習会なども実施していますので、気軽にご参加いただき、専門知識や翻訳スキル、ライティングスキルを磨いていただければと思います。
医薬分野は、「新薬開発」を中心に、景気に左右されずコンスタントに翻訳需要があります。同様にメディカルライティングも不況に強く、需要が安定しています。長く着実に続けていける仕事ですので、ぜひチャレンジしてほしいです。