オンライン/通信講座からレベル・目的・学習環境に合わせて選択可能

 翻訳の3大分野「実務」「出版」「映像」すべての講座を提供しているフェロー・アカデミーには、医薬分野に特化したレベル別講座もある。オンライン講座は中級「メディカル」、上級「翻訳会社ゼミ(臨床試験)」、通信講座は中級「ベータ応用講座 メディカル」、上級「マスターコース メディカル」「マスターコース メディカル英訳」というラインナップで、中上級で体系的に医薬翻訳を学べるように設計されている。初級者向けには、実務翻訳の基礎から学べる初級講座もある。いずれもオンラインまたは通信講座なので、日本国内のみならず世界のどこからでも受講できるというメリットがある。自宅に居ながらにしてライブ授業を受けたい人にはオンライン、自分のペースで学習したい人には通信講座がおすすめだ。

 また、メディカル翻訳に必要な医療統計や、メディカル文書に見られる英訳しにくい日本語の対処法を学ぶ講座など、テーマを絞った録画配信講座もあり、こちらは気軽に視聴できる内容となっている。
 

翻訳会社のスタッフから直接指導を受け仕事獲得のチャンスも拡大

 プロデビューを控えた上級者におすすめなのがオンライン講座「翻訳会社ゼミ(臨床試験)」だ。このゼミ講座は、翻訳会社で品質管理、プロセス開発、ベンダー管理などを担当するスタッフを講師に迎え、直接指導してもらうというもの。臨床試験の実務にフォーカスした実践的な課題を用いて内容の理解力を高めるとともに、品質基準の原則や各種資料に関する知識などを習得する。

 優秀な受講生は、講座を担当する翻訳会社のトライアルに挑戦できる機会があり、場合によってはトライアル無しで即戦力として登録翻訳者に採用される可能性もある。過去4期は受講者のうち、50%以上が登録された実績がある。
 
 このほか、オンライン講座中級「メディカル」と通信講座上級「マスターコース」では、講師から「仕事で通用する実力がある」と認められた受講生は、翻訳者ネットワーク「アメリア」のクラウン会員に推薦される制度もある。クラウン会員になると応募できる求人の幅も広がるため、未経験者にとって心強いサポートとなっている。

講師インタビュー

福岡先生

オンライン講座「翻訳会社ゼミ(臨床試験)」
福岡由仁郎先生
(ふくおか・ゆうじろう)

東京外国語大学大学院博士後期課程修了(Ph.D)。国内翻訳会社を経て、2012年よりトランスパーフェクト・ジャパンにてプロジェクトマネジメントチームを統括。2017年以降は品質管理、プロセス開発、ベンダー管理などのチームでリードを務める。

臨床試験のデザインを読み取り原文の内容を考えることが重要です

 「翻訳会社ゼミ(臨床試験)」は、上級コースを修了して実務的な知識を深めたい人、プロとしてさらに上のレベルをめざす人を対象に、毎回異なるテーマの講義と実務的な内容の演習とを組み合わせ、ゼミ形式で授業を行います。臨床試験の翻訳において特に重要なポイントを選び、知識としてまとめていますので、他ではあまり目にすることのない詳細な情報を提供できる教材になっていると思います。メディカル翻訳は、いわゆる英文和訳ではなく、実際に文書に書かれている内容をしっかり考えることが重要です。そのため授業では、臨床試験の制度やプロセス、デザインを読み取ることを重視しており、臨床試験に関わる幅広い情報をお伝えするよう努めています。
 
 英文で正しい情報を読み取るスキルと、和文で間違った情報を出さないスキルは、似ているようで少し違います。これら2つを別のスキルとして捉え、それぞれを伸ばしていくことを考えましょう。例えば、間違った訳文を防ぐには、正しい日本語で書くことが必要です。そこで、書き方について習得すべきスキル、いわゆる書法についても意識が向くように、できるだけクリアでシンプルな法則を提示したりもしています。
 
 プロの翻訳者になるには、「私はこの仕事をするのだ」という強いイメージを持つことが大切です。また、品質管理の観点を持つことも重要です。先進的なプロセスを持つ翻訳会社であれば、おそらくエラータイプを分類したり、誤訳発生率などを数値化したりしているでしょう。そうした環境の中で活躍するには、どのようなことをすればエラーになるのかということを理解し、それを防ぐ能力を身につけることが第一です。バックグラウンドについて言えば、理系出身の人は日本語文章力を、文系出身の人は内容理解力を固めておくと、安定した受注につながる傾向があります。

修了生インタビュー

宮元さん

オンライン講座「翻訳会社ゼミ(臨床試験)」修了生
宮元法子さん
(みやもと・のりこ)

学業を終えた後、外資系企業勤務などを経てフェロー・アカデミーでメディカル翻訳を学ぶ。「翻訳会社ゼミ(臨床試験)」修了後の2021年、講師の推薦で翻訳会社のトライアルを受け、QM(品質管理)担当として仕事をスタートした。

通信講座とオンライン講座で学び、QMの仕事を獲得しました

 派遣社員として外資系企業に勤務していた頃、業務の一環で社内会議資料や活動報告書などを翻訳する機会がありました。この時の経験がきっかけで翻訳という仕事にやりがいを感じ、いずれはライフワークにしたいという思いもあってフェロー・アカデミーの門を叩きました。

 メディカル系を中心に入門から上級まで通信講座で学び、最後の仕上げとしてオンライン講座「翻訳会社ゼミ(臨床試験)」を受講しました。このゼミでは、初めて耳にする言葉、初めて学ぶ事柄が多く、情報量も多かったのですが、先生が作成された講義資料と解説のおかげで、臨床試験の主要な当事者の役割、翻訳の対象となる文章のタイプなど、臨床試験の全体像を把握することができました。「治験実施計画書」を翻訳する際の注意点、臨床試験のデザインを読み解くコツ、医療統計の文脈を把握するためのチェックポイントなどについても理解を深めることができました。

 受講後は、臨床試験に関係する文章の原文を読み取りやすくなりましたし、原文と訳文を比較する際は、その翻訳が適訳か、用語の選択が適切かどうか判断しやすくなりました。また、実務的なことだけでなく、翻訳者に求められる心構えや仕事・学習への取り組み姿勢についても教えていただけたことに感謝しています。

 「翻訳会社ゼミ」で福岡先生のご指導を受け、トライアルの推薦をいただいて、現在のQM(品質管理)の仕事を獲得することができました。ここに至るまでに5つの通信講座で学んできましたが、それらの講座で身につけた知識やスキルがあってこその成果だと思っています。私にとってはどの講座も不可欠でした。

 当面の目標は、QMとしての仕事の正確さを高め、スピードアップを図ることです。いずれは難度の高い文書を任せてもらえるQMになりたいですし、その先には翻訳のお仕事にも挑戦したいです。