
グループのトータルキャリアサポートで
「現場対応力」を身につけた真のプロを養成
通訳会社・翻訳会社のノウハウを結集したサポート
アイ・エス・エス・インスティテュートは、1966年に創設された同時通訳者養成スクール。高度経済成長期から現在に至るまで、多数の優秀な人材を養成・輩出して日本のグローバルコミュニケーションを支えてきた。運営母体は㈱アイ・エス・エスで、グループ会社には大手翻訳会社の㈱翻訳センターが名を連ねており、通訳会社・翻訳会社のノウハウを結集してトータルサポートを行っている。
プロをめざす人はもちろんのこと、語学力を高めたいビジネスパーソンにも対応しており、各受講生が着実なキャリアアップを図れるよう、現場対応力を意識した「真のプロが育つ環境」を整えている。
プロならではの視点で的確なフィードバックを行う
「通訳者養成コース」「翻訳者養成コース」で講師を務めるのは、さまざまな分野の第一線で活躍する現役の通訳者・翻訳者。現場の「今」を知るプロならではの視点で、受講生一人ひとりのパフォーマンスに対して的確なフィードバックを行い、実践的な指導をしていく。
プロの英語通訳者に必要な能力とスキルを体系的に養成する「英語通訳者養成コース」は、「通訳準備科」「本科1・2・3」「プロ通訳養成科1・2・3」「同時通訳科」の全8レベルからなる。今回は、同コース顧問の日野峰子先生と、修了生で現在は「本科3」の講師を務める箕輪忍先生に対談していただいた。

北海道大学卒業後、フリーランスの通訳・翻訳者に。1988年から2年間、ア イ・エス・エス・インスティテュート東京校「同時通訳科」で学び、卒業と同時に会議通訳デビューを果たす。さまざまな国際会議で同時通訳者として活躍するかたわら、同校「通訳者養成コース」の顧問を務めている。

明治学院大学国際学部卒業。オーストラリア・クィーンズランド大学大学院にて英日通訳・翻訳の修士号を取得。アイ・エス・エス・インスティテュートで通訳訓練を受け、現在は大手建材・住宅設備メーカーでインハウス通訳・翻訳者として活躍中。2021年より同校「英語通訳者養成コース」の講師を担当。
時代を先取りした「同時通訳科」のテーマ選択に現場でいつも助けられる
新たなインプットや刺激を与えられる場であることが大切
日野峰子先生(以下、日野):箕輪さんとは、箕輪さんが「プロ通訳養成科3」の受講生だった頃からのお付き合いですね。当時からとても優秀な方でしたが、その後、「同時通訳科」に進まれました。最上級クラスの「同時通訳科」では、何を学びたいと思っていましたか?
箕輪忍先生(以下、箕輪):日野先生は、1学期を通して一つのテーマを掘り下げていく授業をされるので、その点が良いなと思って受講しました。そのスタイルが私にはとても合っていました。それから、テーマの選択がすばらしいです。その時々で話題になっている問題を取り上げてくださることはもちろんなのですが、日野先生は、2年先、3年先に企業が扱うであろうことまで先取りしてくださいます。例えば、昨年から東証プライム市場の上場企業は「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」に基づく情報開示が求められるようになりましたが、日野先生のクラスでは2、3年前にすでにTCFDを扱っていました。インハウスで仕事をする時に授業で得た知識が使えたので、とてもありがたかったことを覚えています。
日野:それはよかったですね。
箕輪:TCFDは一例で、授業で扱ったすべてのテーマが半年から1年後に会社で必ず出てくるんです。これにはいつも驚かされていますし、日野先生の「先を見通す目」に感謝する日々です。
日野:国際会議で取り上げられるテーマは最先端のものが多く、そのテーマがしばらくして企業サイドに浸透していくという流れがあります。ですから、私がふだん会議通訳の仕事をしていて、会議のテーマとして取り上げられる機会が増えてくると、数年後には社会や企業で話題になるだろうと思って授業のテーマに選定するようにしています。箕輪さんがおっしゃったように、「現場で役に立つ」と思えるテーマのほうが、受講生のモチベーションも上がりますよね。
箕輪:日野先生には、現場で必要な力を身につけるべく、本当にさまざまなことを教えていただきました。資料配付のタイミングにしても、授業の3日前とか開始直前とかいろいろなバリエーションがあって、現場を忠実に再現してくださっていたんだなあと感じています。単に訳出の訓練をするのではなく、現場での振る舞いや資料の扱いなども含めて、通訳者として必要な力をつけていただきました。
日野:「同時通訳科」の受講生は、全員が通訳のお仕事をされていますし、しっかりした力をお持ちです。その高いレベルの受講生に対しても、新たなインプットや刺激を与えられる場であることが大切だと思っています。
箕輪:日野先生は、よく現場のお話もしてくださいました。私たちは自分の現場のことしか知らないので、先生のお話を興味深く伺っていました。
日野:それが皆さんの刺激になって、さらにがんばろうと思っていただけたならうれしいです。

受講生だった時の経験を生かし精神面のサポートもしたい
日野:インハウスのお仕事はいかがですか?
箕輪:社内通訳の場合、一方向の通訳ではなく、意見を戦わせるような場面の通訳も多いのですが、そんな時も話者の意図を汲んでニュアンスが伝わるような訳出ができるようになったなと感じています。日野先生から「通訳というのは、訳す仕事ではなく伝える仕事だ」ということを一貫して教えていただいたおかげです。
日野:お仕事が順調でよかったです。アイ・エス・エスで講師も務められていますが、ご自身が受講生だった頃の経験は生きていますか?
箕輪:私は通訳者養成コースの一番下のクラスから学んでいますので、それぞれのレベルでどんなことにつまずくのか、どんな時にモチベーションを維持するのが難しいと感じるのか、感覚的にわかります。ですので、技術面だけでなく精神面のサポートもできたらと思っています。皆それぞれ、強みも弱点も異なりますので、私の学習法がすべての受講生に適するとは限らないのですが、一つのオプションになればと思って紹介しています。
日野:箕輪さんのような修了生がアイ・エス・エスで教えたり、あるいは通訳の現場で仕事をしたりしているのを見ると、ものすごくうれしいです。修了生とパートナーを組んで同時通訳をすることもあるのですが、初回は私のほうが緊張します。授業では教える立場だったわけですから、現場でかつての教え子にがっかりされないように、「しっかりやらなくちゃ!」と思うんです(笑)。箕輪さんは、これからどんな通訳者をめざしていきたいですか?
箕輪:チームの中に入って、何かを作り上げるプロセスに関わることが好きなので、社内通訳を極めたいという夢があります。経営陣にも実務担当者にも、「この人に任せておけば、会社のことはだいじょうぶだ」と思っていただけるような通訳者になりたいです。
日野:社内通訳を極めたいというのが、箕輪さんらしいですね。箕輪さんならきっと目標を達成できると思います。がんばってください。
箕輪:ありがとうございます。がんばります。
㈱アイ・エス・エスと㈱翻訳センターとの連携で実現するトータル・キャリアサポート
運営母体である通訳業界のパイオニア㈱アイ・エス・エスの通訳部門と社内連携し、国際見本市での商談通訳をはじめとするOJTの機会を提供。在学中から現場で実務経験を積むことができる。また、人材サービス部門では社内通翻訳や英文事務の仕事の紹介を行っている。翻訳の分野では、グループ会社で国内最大級の翻訳会社である㈱翻訳センターと連携。一定の条件を満たす修了生は実務経験なしでも翻訳トライアルを受験できるなど、学んだことがキャリアにつながる体制が整う。さまざまな角度から、在校生・修了生の実力に応じたトータルキャリアサポートを提供している。
現在、授業は全コース双方向型オンラインで実施。これまで通学できなかった地域に住んでいる国内外の人の受講が増えている。加えて、翻訳コースではすべての授業を録画し受講生向けに配信。授業動画の視聴だけでも受講が可能なため、個々のライフスタイルに合わせて学習できると受講生に好評だ。また、通訳・翻訳のeラーニングのラインナップも充実している。
コース紹介
オンライン講座
英語通訳者養成コース
通訳準備科/本科1・2・3/プロ通訳養成科1・2・3/同時通訳科
英語翻訳者養成コース
総合翻訳科[基礎科1・2/本科/実践実務科]
ビジネス英訳科[基礎科/本科]
専門別翻訳科[特許/金融・IR/医薬/映像字幕]
短期集中コース(夏期/冬期)、eラーニングコース(随時) ほか
問い合わせ先
アイ・エス・エス・インスティテュート
E-mail:office@issnet.co.jp
TEL:03-3265-7103