第7回 翻訳、教えてます。

最終的には人のため

もちろん「自分だけのため」では決してない。僕自身が通訳学習者として通学しており(現在はコロナで休学中)、なおかつセコい人間(ドリンクバーでも元を取りたがる人間)である。だから、決して安くはない受講料を払って話を聞いてくれている皆さんに、それ以上の価値を届けようと思わないわけにはいかない。

翻訳実務、通訳ガイド実務、通訳学習を講師業に役立てようという姿勢の下で、一人一人の訳の傾向を分析している。もちろん、それもまた自分にとってプラスになると確信しながら。そして、経験一筋でやってきた僕が今、理論と合体しようとすることで、学ぶ人にとって極めて効果的な講座になるのではないのかと自負している(ベーコン的経験論とデカルト的合理論がアウフヘーベンしたカント的講座、と呼んでいる)。

そんなわけで翻訳、通訳ガイド、通訳に講師も加えた4つの職で高みを目指していきたい。繰り返してきたように、これは家族を養うという必要に迫られたリスク分散である。ただし、相乗効果が高いということは相関が高い、つまりリスク分散の効果は小さいということにほかならない。要するに、英語能力に対する需要がなくなれば4つとも共倒れである。完全なリスク分散をしようとするなら、例えばウーバーイーツ配達員のような、英語とまったく関係ない仕事も加えるべきなのかもしれない。

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