第9回 それぞれのLifehack その2

翻訳LifeHack2017.10.14

2.AutoHotkeyも利用したマウス操作の負荷分散

●紹介してくれる人=山名文乃(Ayano Yamana)さん
(東京都在住のメディカル翻訳者&メディカルライター。専門はバイオ生命科学。2010年より翻訳業、2011年からフリーランス。HP:http://biomedicallabo.com、ブログ:http://www.mw-yamana.com)

マウス操作の負荷分散
「もっと疲れにくいマウスはないかな?」「左手で使ってみたらどうだろう?」
マウスで悩んでいる翻訳者の方、少なからずいらっしゃると思います。
対策としては、キーボードだけで作業できるように訓練する、自分の手に合うマウスを探す、多ボタン式のゲーミングマウスを使う、トラックボールマウスに変える、ローラーマウスを試してみる、などが考えられるでしょうか。
私は、左右どちらでもマウス機能を利用できるようにしています。
こちらが配置です。
01_yamana_haiti.jpeg左端にトラックボールマウスを置き、右端のテンキーにはAutoHotkey(AHK)でマウス機能を割り当てています。

テンキーは、キーボードのなかでも邪魔者扱いされがちですが、意外と便利なところもあります。たとえばAHKのキーリストをみると、NumLockのON/OFFを切り替えて最大27種類の機能を指定できることがわかります。
02_yamana_tenkey.jpeg

そこで、AHKのスクリプトに
NumpadLeft::
MouseClick,left
MouseClick,left
return

NumpadClear::LButton

NumpadRight::RButton

と書くと、NumLockをONにすればいつも通りに数値入力できますが、NumLockをOFFにすると、テンキーの「4」でダブルクリック、「5」でクリック、「6」で右クリックできます。
私はこのほかに「範囲選択」「コピー」「カット」「ペースト」「エクスプローラーを開く」「デスクトップを表示する」「ウィンドウを閉じる」「ブラウザのタブを閉じる」といった動作もテンキーに割り当てています。(テンキーがないキーボードの場合は、プログラマブルキーボードを使ってもよいと思います。)

また、トラックボールマウスにもボタンごとに機能を設定できます。
03_yamana_trackball.jpegこのようにして私は両手とも使える状態にしています。
実際には、ポインタ移動だけはトラックボールの方が早いので左手ですが、そのほかは左右どちらも使います。効率化というよりは負荷軽減策でしょうか。でも、右手だけで普通のマウスを使っていた頃よりも肩や手首の疲れが格段に違っています。

もっと効率のよい方法も沢山あると思いますが、悩んでいる方のヒントになれば幸いです。
※参考サイト(https://autohotkey.com/docs/KeyList.htm

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AutoHotkeyは数年前に翻訳勉強会十人十色でセミナーを開催してから私も毎日辞書引きに使っています。翻訳者といっても言語やPC環境、専門分野が違うと必要なマクロもまったく異なります。既製のツールと違ってマクロは自分の希望に合わせて工夫できるので、ある程度仕事が軌道に乗って環境もかたまってから使い始めるといいかもしれません。
初心者には翻訳者の内山卓則さんが作成された「串刺し検索」用の検索支援ツール、AHK版「かんざし」がお薦めです。

さて、次回はとうとう最終回です。
Evernoteなど、これまでのテーマではまとめきれなかった便利なツールをいくつか紹介する予定です。

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