第2回 文書校正支援ツール Just Right!6 Pro入門

翻訳LifeHack2017.02.07

共同通信記者ハンドブック第13版for Just Right!

Just Right!では、校正用辞書、スペルチェック用辞書、表記ゆれ辞書、ルール辞書、などさまざまな辞書やルールを作成してカスタマイズが可能です。ただ、自分で辞書を作るのは時間と手間がかかります。私は「共同通信社 記者ハンドブック校正辞書 第13版 for Just Right!」を併用しています。書籍版に掲載されているすべての項目がチェックされるわけではありませんが、漢字、かなづかい、送りがな、用字用語等、記者ハンドブックの基準に沿った文章校正が可能になります。特に客先からスタイルガイドなどの指定がない場合、私はメインの基準を記者ハンドブックにして「ぶれ」のない統一された表記にしています。もちろん全項目を守るわけではなく、自分なりの基準をもって適用する・しないを決めています。

校正できるデータ形式

テキストファイルとPowerPoint、HTMLファイルはJust Right!から読み込みます。「ファイルを開く」で、レイアウトのないテキストだけが読み込まれます。複数ファイルを一度に読み込むこともで、細かいファイルが多数あるHTMLファイルの場合便利です。

Word、Excel、Outlook、Internet Explorerでは、アドイン機能でアプリケーションから直接Just Right!を起動できます。例えばWordの場合、Just Right!がインストールされるとリボンに「Just Right!」タブができているので、そこからJust Right!を起動できます。
05Wordアドイン

アドイン機能で読み込んだデータは、修正後に元のデータに書き戻すことができます。一度に反映させることも、1つずつ確認しながら修正することも可能です。
06アドイン編集内容

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いかがでしたでしょうか。私の場合、冒頭に挙げた納品前チェック5項目のうち、1~4までで90%のミスは見つけられます。残りの10%は読み上げソフト/プリントアウトでチェックします(印刷できない場合はデュアルモニターで原文と訳文を見比べ)。読み上げソフトでは入力ミスがあると意味が通じないのでわかりますが、同音異義語は区別できません。プリントアウトを読みながらチェックする場合、私はその文書の分野(機械工学なり化学なり)やテーマを常に意識しながら読み進めます。すると、その分野/テーマに関係ない語句(同音異義語)が不思議と目につくようになります。最終的には自分の頭が最強のツールですね。

色々失敗を重ねながらようやくこの方法にたどり着きましたが、人によって最適な方法は異なりますし、もっといい方法があるかもしれません。これからも工夫を続けるつもりです。ご参考になれば幸いです。

過去に自分のブログでもJust Right!を取り上げました。
校正作業を楽に-文書校正支援ツール Just Right!5 Pro
Just Right!の使い方

第1回の「メモアプリ Google Keep」について、補足・追加事項をまとめました。
コラム『翻訳LifeHack 翻訳に集中できる環境作り』がスタート

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