第31回 一次情報の重要性

1.
時には、どんなに気をつけていても、どんなに計画や決めた通りにやろうと頑張っても思わぬ方向に逸れてしまって、自分ではどうしようもないまま日が暮れてしまうことがある。まずいことってのは起きるものだ。そして、起きた時には、ものごとは台無しになってしまう。

(無難な訳ですが、こういうトーンで考えるかな、話すかなとちょっと気になります。きっちりはしているんだけど、色気がないかな。「まずいこと」だと、shitのあの強さがなくなっている気がするんですね。
<余談>難しいです、はい。頭を絞ってしまうと、あまり良い訳って出てこないことが多いです。むしろ、さらっと出てくるところまで読み込んだ方がいいんじゃないかな。グリシャムとかアーチャーもいいですが、もっとダーティな英語を読むとこういうのがすっと入ってくるようになるかも知れません。)

2.
時には、どれだけ気を付けていても、どれだけ台本のとおり、決められたとおりに行動することに拘っていても、人生が正しい道から逸れてしまうことがある。そういう時は、何を言おうが、何をしようが、元に戻すことはできない。そのまま日が暮れてしまう。そんな糞みたいなことは起こるのだ。そして、物事を滅茶苦茶にしてしまう。

(こちらも「人生が」の部分を別にすれば、意味はきちんと訳せているんですが、やっぱり色気がないかな。shitを「糞」と訳してしまうと、やっぱり見栄えが悪くなるんですね。あとやっぱり原文がくだけた英語ですから、もう少し開いた方が良いと思います。
<余談>英語の場合もそうなんですが、基本的に言葉狩りというのは責任を取りたくないということなんですよね。あるいはそういう事象に目を向けたくないのかも知れません。テレビは特に認可権の問題が絡むから神経質かも知れませんね。ちなみに、いまホラーの出版社は少なくなっちゃったんですよ。そのうちRobert DunbarとかNate Kenyonとかもご紹介しますね。)

3.
時に、どんなに気をつけていても、どんなに脚本や日課から離れまいとしていても、日常は道を踏み外してしまい、自分達がなんとわめこうが何をしようが、夜が巡ってくる前に元に戻すことはできない。くだらないことが起こる。そうなると全てが台無しになってしまうのだ。

(まず、「日常は道を踏み外してしまい」という部分が分かりにくいです。擬人法なのかとも思いますが、どうもピンと来ません。従って、何を「元に戻す」のかもはっきりしなくなっています。あと「達」とか「全て」は開いた方が読みやすいかも知れません。
<余談>まだ原文の言葉につかまりすぎてしまって、伝えたいことがはっきりと伝わってこない部分はありますが、初めてということですからこれからがんばってくださいね。)

4.
どんなに注意深くあって、どれだけ台本や普段どおりに物事を進めようとしても、なんだかうまくいかない日というのはあるし、泣こうがわめこうがその日のうちにそれを修正することはできない。そんなことは日常茶飯事だ。そしてそんな日には決まって、全てが台無しになってしまうものなのだ。

(「注意深くあって」という入りが実際には言わないかな、と。「あろうが、しようが」とかになるかな。「なんだかうまくいかない日」は悪くないと思いますが「日常茶飯事」でこういうのが続くとあまり幸せではないと思います。sometimesですから。
<余談>sometimesの部分は肝なので、ここは元の意味通りに訳すべきですね。あと、Shit happensとかfucked upのニュアンスはUrban Dictionaryなどできちんと調べて、自分なりに意味を整理してから改めて訳語を探した方がすっきりすると思います。)

5.
時々、どんなに注意深くても、どんなに台本通りやお決まりの方法から脱線していなくても、私たちは日常から脱線して、何を言ったりやったとしても、夜が来る前に解決することができない。糞が起きる。そしてそれが起きたとき、物事は台無しになる。

(「脱線」が二度続くのはやはり読みにくいです。「糞が起きる」とは日本語では言いませんよね。全体的に横のものを縦にしただけという印象があって、日本語しか分からない読み手にはピンと来ない部分があります。そのあたりをもっと工夫するようにしてください。)

6.
時には、どんなに注意していても、どんなに台本や手順通りにやろうとしても、思うようにいかない日がある。そんな日は一日中、何を言おうが何をしようが、修復不可能だ。そういう日もあるものなのだ。そしてそういう日には、もうお手上げ状態である。

(前半はとてもいい感じなんですが、Shit happens以降が、何か原文ほどの強さがなくて淡々としているように感じました。もう少し強い訳文にまとめた方がよかったかも知れませんね。
<余談>歳月人を待たずは僕も感じますねえ。というか、このシリーズの添削をしてから、その次の添削まであまりに時間がない(^-^; その意味ではお互い忙しいということなのかも知れませんが。時間があればぜひまた応募してみてください。)

7.
どんなに神経使って台本だの慣例だのにしがみつこうとしても、昼のうちにおかしなことが起こって、夜になるまでは何を言おうが何をしようが落ち着きゃしない、なんてことが時にはある。バカみたいなことが起きるもんだ。そんな時は、ミソもクソも一緒になっちまう。

(アプローチとしてはありかなと思うんですが、独白とはいえ地の文であることを考えるともう少していねいでもいいかなとは思います。あとミソというのは英語文化の世界にはないので、翻訳でも使うかどうかはやっぱり思案のしどころなんですよ。
<余談>お薦めの短編ミステリということですが、やはり自分の好みにあった文体の作家を見つけることからスタートするといいですね。その意味では、「The Best American Mystery Stories 2008」あたりはどうかな。amazonで検索してみてください。)

8.
どんなに気をつけていても、どんなに筋書き通り、お決まり通りにやっていようとしても、軌道から外れていく日ってあるのよ。そうなれば、私たちが何をいおうが、しようが、修正できない。気がついたときには、もう、あたりはすっかり、暗くなっていましたってわけ。クソいまいましいことって起きるんだわ。それで、そいつに出くわそうものなら、まず何もかもが、お手上げなのよ。

(まず女性の口調にしたのは丸。「筋書き」はとても良いので、あとは「筋書き通りに、お約束通りに」とペアにすると良かったかな。「修正できない」はちょっと浮いている感じ。やっぱり「どうにもならない」かなあ。あと後半戦がやっぱり冗漫というか、原文の強いインパクトがなくなってます。でもこういう工夫を重ねないとうまくならないのは確かだからがんばってね。
<余談>ちょっといじりすぎた感じで、後半がシンプルじゃなくなったのがもったいないなあ。あと若いムスメがしゃべっているので、もうちょっと若さを出してもいいかも。難しいですね。この作家だったら、他にも面白いのがいっぱいあるよん。)

9.
どれだけ気をつけようと、ワンパターンなシナリオ通りの日常にこだわろうと、時々レールを外れる。泣こうがわめこうがお天道様が沈むまでには元に戻りはしない。最低だ。おまけに直したと思ったら、何もかもが滅茶苦茶になっている。

(うーん、ちょっと原意からはずれすぎちゃったかなあ。「レールを外れる」というのは意図的なのか、偶発的なのかが分かりにくいよね。日が暮れたからといって元に戻るとも限らないし。もう少し元の意味を良く考えてから訳さないと。
<余談>原文を音読してみると、リズムがうまくつかめるかも知れません。この原文の流れというかリズムをうまくとらえられるかどうかが結構、翻訳のツボだったりします。英訳の場合も、和訳の場合も一緒です。がんばってね。)

10.
どんなに注意をしていても、どんなに予定や日常をちゃんとこなそうとしていても歯車がずれてくることがあって、一旦ずれ始めると何を言おうがしようが歯車がかみ合わないままどっぷりはまってしまうときがある。うんざりすることが起こる。そして一旦起こるといろんなことがめちゃくちゃになっていくのだ。

(「歯車」を使うというアイデアは良いのですけれども、やっぱり二回でないようにした方がすっきりします。二番目の「歯車は」ってなくても大丈夫なんですよ。あと、もう少し読点を効果的に使わないと読みにくくなります。「うんざり」とはちょっと違うかなあ。もうひと工夫。)

11.
いくら注意しても、どんなに台本や決まりきった事から脱線しないよう努めてもときどき我々は失敗を起こす。夜がやってくる前に、何も言わず、そのままにしよう。良くないことはたまには起こるもんだ。そういう時は、どうしようもない。

(うーん、詩的になりすぎかなあ。(でも「もんだ」は気になるけど。)失敗を起こすというよりも、「歯車が狂い出す」という感じで、こちらが動くというより、状況の方が動いてしまう感じかなあ。あと後半はこんなにさらっとした感じではないと思います。)

12.
自分がどれだけ気を付けていようが、どれだけ習慣や台本通りにいこうと努めようが、人生の軌道から時には脱線することがある。どうもがいても、夜の暗闇が押し寄せてくる前に軌道修正は無理だ。とにかく嫌なことは起こる。そうなると、もうお手上げだ。

(「人生の軌道から~脱線」というと、自分から外れるようにも読めてしまいますね。このあたりはもう一工夫かなあ。Shit happensは「嫌なこと」というよりも「どうしようもないこと」という感じなんですよね。
<余談>ハワイいいですよねえ。ノースショアというと、こないだbig waveが来たとか。いいなあ。うちはアクティビティしないからなあ。)

13.
世の中どんなに注意深く行動していても時には予期せぬ災難に見舞われるものだ。そしていざ被害にあってしまえば最後、時が経つのを待つ以外成す術なんてありゃしない。人生そんなもんさ。

(うーん、これはちょっとはしょりすぎかなあ。もちろん枝葉を切り落とすことは必要なんだけど、これだと原文にある情報がいくつか抜け落ちてしまっているような気がするんですね。特に最後の「人生そんなもんさ」は、どこか悟ったような感じがあるじゃないですか。でもここではどちらかというと今自分がその中にいるような感覚なんですよね。
<余談>翻訳というのは、これが絶対だという解はないんですね。たとえば、「Click the icon.」でさえも「アイコンをクリックしてください」、「アイコンをクリックします」「アイコンをクリックしましょう」とちょっと語尾を変えるだけで受け取る感じは変わってきます。(アイコンの前に「この」を付けることも出来ますし、「この」と書くより「上の」とした方が良い場合もあります。)あくまで、その文脈で望ましい解があるだけです。だからその意味で言うと、誰もが満足する訳文もまたないんですよね。だから面白いのですが。)

14.
どんなに気をつけていても、どんなに予定とか決まりきった日課を忠実にこなそうとしていても、歯車が狂ってしまう時もある。何を言ってもやっても、夜が来る前に修正するのは無理。そんな日もある。そしてそんな日は、何もかもめちゃくちゃになってしまう。

(前半はとてもいいんですね。ただ「Shit happens」にしては、「そんな日もある」だとどこか悟った感じを受けます。もう少し強いと思うんですが。 <余談>ミステリーというよりこれはホラー(それもえぐい)なので、むしろ以前紹介したミステリーとかの方が精神衛生上いいかも(^-^; いつから使われたかについては、こんなの(http://www.experiencefestival.com/a/History_of_the_word_quotfuckquot_-_Euphemisms/id/5134307)を見るといいかも。僕が学生の頃はテレビでこの単語を聞くことはなかったと思いますが。)

15.
どんなに注意深く行動していても、どんなに筋書きどおりに動こうしても、横道に逸れてしまう日がある。そして、どうあがいても軌道修正できないまま夜を迎えるのだ。災難は起こるものだし 、起こったら最後、すべてを目茶目茶にしてしまう。

(ああ、これはさっぱりと仕上がっていていいかもなあ。女性の語り口で仕上げてくれたらなお良かったです。
<余談>うはは、お褒めいただき恐縮至極。頭は使わないとだめなので、いろいろとひねってみてください。あとはやっぱり日頃からダジャレを鍛える(違)

16.
時々、我々がどれだけ注意深くても、どれだけシナリオや習慣のように過ごそうとしても、一日の歯車が狂う。そして何を言っても何をしても、その日のうちに軌道修正することはできないだろう。そんな日もある。そんなときは、何をしても無駄だ。

(基本的には訳せているんですが、たとえば「習慣のように過ごそうとする」というのはちょっと違和感あるよね。「習慣に合わせて」とかかな。「そんな日もある」はやっぱりどこか悟った感じがあるんですよね。
<余談>現代文学というほど高級なものは僕は読まないんだなあ(^-^; でもいろいろと頭をひねるのは楽しいのでどうぞまた参加してください。)

17.
いくら気をつけても、いくら予定通り、いつも通りに物事を運ぼうとしても、うまくいかない時はある。そして、すんなり解決できそうな見込みもなかったりする。災難はおきる。ひとつおきると、万事うまくいかなくなる。

(多少はしょりすぎという感じはしますが、流れ自体はさらっとしているところは良いと思います。あとはどこまで原文にある言葉を活かせるかでしょうね。
<余談>日本語には逆にfour letter wordsに相当するものがないですからねえ。僕が大学に入学した時、クラスメートの帰国子女は「shit」の代わりに「う○こ」といっていましたが、やっぱり違うんだよね。コンテクストの理解はその通りです。しかしこの時期にベリーズはいいなあ。ワタクシも沖縄とかに行きたい。)

18.
どんなに用心に用心を重ねても、マニュアルや手順通りにしようとしても、ときには歯車が狂うことだってある。そしたら、どんな言葉や行動も、夜がやってくるまでに修復することなんてできない。最低最悪のことだって起きるさ。そうしたら、もうどうあがいても絶対絶命だ。

(うーん、惜しいなあ。「そしたら」「そうしたら」が気になるんですよねえ。あと「どんな言葉や行動も」の部分は意味が違っていないかな。雰囲気は好きなんですけどね。
<余談>1ヶ月にどれくらい読むかというご質問ですが、仕事の忙しさによってばらつきがあるんですね。1年で100冊だけは今のところ30年くらい続けています。まあ読んでいるのは新書やYAとかなんですが。(「バッカーノ」とかDVDまで買ってしまいました。)

19.
ときどき、どんなに気をつけていても、どんなに決められた通りにやろう、いつも通りにやろうとしてみても、軌道をはずれてしまい、何を言っても何をやっても、どうしてもそれを修正することができないまま夜になってしまう、そんな日がある。まずいことは起こるものだ。そしてまずいことが起こると、なにもかもがめちゃくちゃになってしまう。

(かなり原文に忠実で良い訳なのですが、後半のインパクトがやや弱いかなあ。この訳文を見る限り、読点の打ち方はうまくできていると思いますよ。
<余談>悩んだ時にはちょっと早口で読んでみて、息継ぎがひつようになったところは読点がいると思います。)

20.
いくら慎重にしたって、いくらちゃんと型通りやってみたって、歯車が狂ってしまっていて、何を言っても何をやっても、夜になるまで解決しないって日がある。そんな日もある。でもそれって最悪なんだ。

(全体的に良くまとまってはいるんですが、気になるのは「それって最悪なんだ」の部分。これだと「そういう日があることが最悪」って読めちゃうんですね。そのあたりだけ注意すれば良いできだと思います。)

21.
時にどれほど気をつけても、どれほど予定通り、いつも通りにこだわっても、どうにもできないことが起こる日がある。何を言おうがしようがムダ。そしてそんな日は、最後までチョーバッドなままだ。

(うーん、女の子だしなあ。確かにもともとそういうのを見に行っている女の子だから、言葉として悪くはないけど、そのノリの人が「どうにもできないことが起こる日がある」というかなあ。アイデアは悪くないのでバランスが問題かと。
<余談>使っている本人たちには日常語なんですね、四文字言葉は。でもそれが汚い言葉であるかないかは別問題で、そこは切り分けた方がいいです。でも努力は買います。もう一声。)

22.
時に、私たちがどれだけ気を付けて、どれほど動作や台詞にこだわろうとしても歯車が狂ってしまう日がある。何を言っても何をしても、夜が来る前に状況は回復しない。そんな日もある。そんな日は、何もかもメチャクチャだ。

(全体的には悪くないんですが、「動作や台詞」と訳出すると、「歯車」が浮いてしまうんですね。そのあたり、英語では違和感なくても「筋書き通り行かない」みたいにしないとアンバランスかな。あと後半戦はちょっと弱いかも。でももうちょっとで敢闘賞まではきているんですけどね。)

23.
どんなに気をつけていても、いくら決まった道を歩こうとしても、コースから外れ、何を言おうが何をしようが、夜になる前に軌道修正できないことがある。災難が訪れる。災難が起これば、事態は最悪になる。

(さらっと訳せているところを買います。その反面、やや原文の巻き込まれ感というのが薄れている気がしますが、そのあたりは今後の工夫かな。
<余談>たとえばc○ntやf○ckをそのまま日本語にしてしまったらまず日常では使えない、というか使ったらその人ぜったいやばいですよね。「くそ」というのは日本語でも使うので、それなりに違和感ないです。そのへんはただ訳せばいいのか、字面通り訳したからその感覚が伝わるのかというのは個人的には疑問です。あとその時代によっても違いますよね。)

24.
どんなに注意していても、どんなに日常の筋書き通りにしようとしても、レールからそれてしまって、何を言っても、何をしても、暗くなる前に元のコースに戻ることができない。そういう日があるものだ。そうなると、エラいことになる。

(うーん、これもさっぱりとした訳ですが、後半戦がやっぱりどこか悟っている感じがするんですね。「そういう日って絶対ある」とか、もう少し積極的に攻めてもいいんじゃないかなあ。
<余談>「はまぞおくん」の由来はヒミツですが、ヒントは機動戦士Zガンダム、それに西原理恵子。)

25.
時々、いくら気をつけてスケジュール通りにやろうとしたり、習慣を守ろうとしたりしても、毎日の予定が狂ってしまう。モノも言わず、行動も起こさずにいると、日が暮れる前にもう修正がきかなくなってしまう。そんな日もある。そうなると、すべてが台無しだ。

(うーん「毎日」という話ではないんですね。たまにあるじゃないですか。何をやってもうまくいかない日って。鍋料理を作っていてポン酢が切れていることに気付き、あわてて近所のスーパーに走ったら、その日に限って臨時休業、しかたなく遠いスーパーに行って戻ってきたら、鍋の火が付けっぱなしでこげてる。とほほと思いながら、レトルトで食べようと思ったら全部消費期限切れ、挙げ句の果てにご飯も炊き忘れていたみたいな。そういう日のことなんですね。
<余談>いえいえ、一行コメントがどんどん長くなるので、その辺がネックかと(^-^;)

26.
どんなに注意しても、どんなに台本や定められた手順に忠実であろうとしても、時には歯車が狂い、夜が訪れるまで言うことなすことすべてが無駄に終わってしまう。そんな日もある。そしてそんな日には、何もかもめちゃくちゃになる。

(流れはいい感じです。さらっと読めますし。後半が多少弱いかな。)

27.
時には、どんなに気をつけていても、どんなに筋書き通りに、いつものようにやろうとしていても、道から外れてしまうことがある。そうなったら、真っ暗になるまでは何をしても無駄だ。最悪な状況。そういう時には、みんなダメになってしまう。

(これだと「真っ暗になる」と何とかなるように読めるんですよね。で、ろくでもないことが起こって、状況はどんどん悪化していくという感じなんだと思います。だからShit happensの部分をもう一工夫。
<余談>そうなんですよ、昔の英語はとてもきれいというか、汚く書いたら大変なことになったというか。英語だとするって入ってくる文章なんですけど、いざ日本語にとなると難しいですよねえ。)

28.
ときとして、どんなに慎重であっても、どんなに台本通りに、あるいはいつもと同じようにふるまおうと努めていても、人はわき道にそれる。こうなると、どうあがいたところで、その日のうちの修正はきかないことが多い。ろくでもないことは起こる。しかも、そうなったときには収拾のつかない事態になるものだ。

(意味はきちんと取れているんですけど、果たして十代のねーちゃんがこういう言葉遣いするかどうか。悩ましいですね。言っていることは存外哲学的だったりするんですが、これを木下優樹菜あたりがしゃべっているというのはなかなか想像つかないかな。そこまで行かなくても、Mihimaru GTのヒロコとか。その辺のイメージだといいかもなあ。
<余談>簡単な言葉って実は日本語でも一番難しい。というか、日常語であるほど辞書では説明し切れていない感覚的なものになるんですね。本当に感覚としては「ろくでもない日」なんだと思うんですが。)

29.
どれだけ注意して、決まりの筋書きやルーチンどおりにやろうとしても、思惑が外れて、何を言おうがやろうが軌道修正出来ない、そんな日もある。そうなると、もう事態は収拾がつかない。

(ルーチンはやっぱりちょっと大人過ぎる言葉かなあ。女の子の口からは出にくいかと。「思惑が外れて」というのもいいなあと思う表現ですが、全体的に大人っぽいですよねえ。訳文としては読みやすくて良いのですが。
<余談>あら、喜んでいただいて何より。僕の方には応募者の個人情報は一切こないですから、メッセージを読んでいるときに、何人かはああ、あの人かあと見当が付く程度。でもその方が客観的に見られていいですね。翻訳がとても難しいと感じるのはやっぱり日常に近づくほど、現代に近づくほどですね。今回試訳作っていて、ああ年取ったなあと実感しましたとほほ。)

30.
日頃どんなに気をつけていても、いくらマニュアル通り・いつも通りを心がけてみても、時には歯車が狂うこともある。じたばたしたところで、そう簡単に状況は変えられないものだ。トラブルってやつは避けられない。そのうえ巻き込まれたら最後、何もかもめちゃくちゃになる。

(「トラブル」とはちょっと違うんですね。何かうまくいかない日っていうのがあって、そういう日にはもう何もかもうまくいかないという感じなんです。だから「トラブル」というよりは「何をやってもうまく行かない日」を念頭に置いて訳してもらうといいですよ。
<余談>はじめましてー。たくさん読んで、たくさん訳すのが一番の早道ですよ。がんばってねえ。)

31.
いくら自分たちが気をつけていようと、いくらシナリオ通りにやろうとか、いつものパターンでいこうとしてもそううまくいかない日というのがある。そうなったら最後、あとはなにを言ってもやってもどうにもならないまま夜がやってくる。まずいことはいやでも起きるものだ。そして実際に起こったら、事態は悪化の一途をたどる。

(「そううまくいかない」の「そう」はいらないんじゃないかな。文章のリズム自体は割と良い方じゃないかな。ただ最後の締めの部分がちょっと弱いかも知れません。
<余談>「なんとなく」というのが一番あぶなかったりします。ぜひUrban Dictionaryなどで調べてみてください。)

32.
時に、たとえどんなに慎重でいても、どんなに決められた通りに、いつも通りにしようとしても、歯車が狂ってしまう日がある。そして何を言っても何をしても、夜が訪れる前には修正できない。厄介な事は起こるものだ。そんな時は、何もかもが滅茶苦茶になる。

(全体に少し硬い感じを受けますね。心の中の声みたいな感じなので、そのあたりをうまく出せるともっと良くなると思います。「厄介」はちょっとだけニュアンスが違うかなあ。
<余談>もう北海道は寒いみたいですね。僕も暮れは仙台に帰るのですが、まあ強烈な寒さですねえ。以前は大河原という南に40キロほど下がったところにいたんですが、やはり仙台市内まで移るとずいぶん寒さが違うそうです。)

33.
どんなに慎重でも,筋書きや手順にこだわっても,うまくいかない日ってのはある.何を言おうがどうあがこうが,好転しないまま夜になってしまう.ひどくついてない日.そんな日は何をやったって最悪だ.

(文芸の場合は、縦組みが前提ですから、「,」や「.」は使わないので注意してください。このあたりは本当は統一した政令がないところがネックなのかな。wikipediaのこの記事(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A5%E8%AA%AD%E7%82%B9)など一読してみてください。それ以外のところは読みやすくて良いと思います。
<余談>ユーモアミステリーというと僕はオヨヨ大統領シリーズとか好きだったんですが、翻訳物だとやっぱりジル・チャーチルみたいな軽いコジー系が多くなるのかなあ。Joyce Porterとかちょっと入手しにくいけどどうかなあ。あとはP. G. Wodehouseとか。たぶん、Wodehouseが一番入手しやすいかと。(うちにも一冊あるし。)

34.
時に、どんなに注意していようと、どんなに予定や習慣を守ろうとしてみても、日常生活からそれてしまうことがあり、そうなると何を言おうが元に戻そうと努力しようが、その前に宵闇がおりてきてしまう。そしてとんでもないことが起こる。いったんそうなると、何もかも手がつけられなくなっていく。

(これだと、「宵闇が降りてきてしまう」ことが文章のキーポイントのように読めます。実際にはそうではないので、もう少し注意を払うと良いかなあ。)

35.
どれだけ用心しても、たとえハメを外さないように努力したとしても、問題が起きるときは起きるもので、対処しようにも何も手立てがないまま一日が終わってしまう、そんな日がある。一旦不測の事態に陥ると、何をやってもうまくいかずお手上げ状態だ。

(「ハメを外す」はちょっと違うような気がします。「問題」というよりも、どうも何をやってもうまくいかない日というのがあるという話なんですね。特にブロークンな英語の場合、通常の辞書には出てない事が多いので、なるべくUrban Dictionaryのような最新のスラングが載った辞書をチェックするといいですよ。
<余談>酷評しているつもりはないんだけどな(笑)。訳文を作る前に、まず伝えたい(えるべき)メッセージを頭の中できちんと作り上げてから訳すと良いですよ。)

36.
時に我々がどれだけ慎重に慎重を重ねても、台本どおりに順序良く物事を進めようとしても、軌道を外れてしまう日がある。しかも、その日のうちに事態を改善することは往々にして不可能に近い。ツイてない日は誰にでもある。そんな時は何をやってもダメなのだ。

(「軌道を外れてしまう日」ってぱっと意味が分からないんじゃないかなあ。ただ後半はとても良いと思います。前半をもう少しわかりやすくまとめたら敢闘賞ですね。
<余談>トライアルに合格する時に大切なのが、視点としてユーザーやクライアントが入っているかどうかなんですね。ですから、上の訳文でもそうなんですけど、字面は確かにそうだけど、読み手にそのままで通じる? という疑問を常に持つようにしてください。)

37.
いくら注意深くっても、思い通りにいかないことはある。教科書どおりにしようとしても、型にはまった手順でさばこうとしても、空回りしてしまうだけ。どんな言葉も行動も状況を好転できないまま夜を迎えてしまう。事故は避けられない。だが起こってしまった後は、さらに手をつけられないほど事態は悪化する。

(うーん、もう少し訳語の選択に注意を払った方がいいかなあ。たとえば「事故」って限定的な意味なんですね。「ろくでもない日」の話だから事故が必ずしも起きるとは限らない。「思い通りにいかない日ってある」くらいでスタートした方がわかりやすいんじゃないかなあ。
<余談>Craigslistというのはないですねえ。何でだろう。オークションから仕事から出会いまで何でもありというのはこちらにはそぐわないのかなあ。最近は町中でリサイクルショップが増えてきました。それ自体はいいことですが、その分だけ消費も減っていくわけですからねえ。ここ10日ほどはずっと咳がとまらなかった(気管支炎らしい)ので、いまはクラリスのんでます。早く直らないかなあ。お気遣いありがとうございました。)

38.
どんなに気をつけていても、どんなに予定通りに、毎日やっているように行動しようとしても、一日の歯車が狂って、何を言っても、何をしても、夜がやってくる前に元通りにならないこともある。厄介事がおこる。そして、そうなったら、みんなめちゃめちゃになるんだ。

(訳文としてはすんなりと読めるし、まとまりもいいんですが、やや色気がないかな。Shit happensは前の部分を受けていると考えて訳した方がわかりやすくなると思いますよ。もう一踏ん張り。
<余談>あれ、もう30回になるのかあ(^-^; ということは2年以上やっていることになるんですねえ。ああ、びっくり。皆さんおつきあいありがとうございます。)

39.
どれだけ気をつけようが、どれだけ予定通り、日課通りやり遂げようとしようが、日常ってものは脱線してしまう時がある。夜になるまでに元に戻そうと、何を言っても何をしても、どうしようもない。厄介ごとは起こるのだ。そして、そうなると、物事はめちゃくちゃだ。

(これだと夜になれば元に戻るように読めるんですが、そこまで言ってないんじゃないかなあ。「物事」は「万事が」とかかなあ。ちょっとインパクトが弱い気がします。
<余談>どうぞよろしくね。翻訳は読んだ量、訳した量しか実力になりませんから、結局コツコツやったもん勝ちです。)

40.
どんなに気をつけても、どんなに頑張って計画通り、いつもみたいにやろうとしてもうまくいかない日もある。何を言っても、何をしてもうまくいかないまま夜になる。やばいことが起きる。そうなれば、状況はめちゃくちゃだ。

(「どんなに頑張って計画通り」のところのつながりが分かりにくくなっています。「うまくいかない」が繰り返されてしまうのもちょっと弱いかな。「状況はめちゃくちゃだ」って実際に言うかなあ。そのあたりをもう一工夫すると敢闘賞レベルまでいけると思います。
<余談>政治は駆け引きですから、日本もアメリカも中国もそれぞれ思惑で動いているんですが、マスコミが足を引っ張るばかりではどうしようもないですねえ。)

41.
時々、自分がどんなに気をつけていようが、決まったことを予定通りにしていようが、とんでもない方向に転がっちまう日ってのがある。夜が来る前にどうにかしようとジタバタしても、どうにもならない。ヤバイことが起きる。そしてそうなると、何もかも滅茶苦茶になっちまう。

(工夫は分かるんだけど、「ちまう」が何度も出てくるのはやっぱり引っかかるかな。「とんでもない方向に転がってしまう」というのは良いセンス。「夜が来る前に」の部分はむしろ、「もう一日が終わってしまう」の方でしょうね。
<余談>Kerriは女性でした。「好きなジャンルの物ばかり読むだけでは力は付かないでしょうか」というご質問ですが、これは必要条件だけど十分条件じゃないということですね。どのような分野でもその分野ごとの「お約束」があるわけで、その意味では専門は必要ですが、といってミステリーのことしか知らないのではミステリーは訳せないということだと思います。またミステリーでもコージー系からエルロイのような難解なものまで幅広いわけですから、いきなりお堅い経済本を読むというわけにもいかないでしょうから、自分が今まで読んできたものとは違う趣向のミステリーを読むことから始めたらどうでしょうか。)

42.
どれだけ慎重にしてたって決められた通りしてようったって、道からそれちまうこともある。何を言っても何をしても、夜が来るまではどうにもならねえ。いったんクソみたいなことになると、もう取り返しがつかねえんだ。

(文体って逆に単語や表現を縛るんですね。これは(性別を別にして)原文のノリを比較的伝えているとは思うんですが、あまり堅気らしい言葉遣いではないですよね。あと、全体をこのトーンで訳すのは逆にかなりの語彙が必要になるんですね。あとこの文章だと「慎重」が浮いていると思います。「おとなしく」とか「用心」かなあ。)

43.
時には、どんなに気をつけていようが、筋書きや習慣にこだわろうが、日常の歯車が狂うことがある。そうなると、どうあがいても、夜になるまでに元の日常に戻すのは無理だろう。そんなこともあるさ。実際そんな巡りあわせの日には、物事はめちゃくちゃになっちまう。

(フランクな感じを出そうとしたという点では良いのですが、このスタイルだったら、「習慣」とは言わないでしょうね。「筋書きやお約束」かな。「日常の歯車」はとても良いと思いました。あとやっぱり「なっちまう」というのはリスキーな訳し方で、これ一つで逆に使えない訳語が増えてしまうんですね。
<余談>単語につかまると、どうしても縛られた感じになってしまいますね。そのあたりをどううまくさばいていくのかが翻訳の楽しさでもあり苦しさでもあるのだと思います。)

44.
ときどき、どれほど我々が注意深く振舞おうと、どれだけ決まった手順や予定に沿う努力をしようと、その日は思ったように物事が進まず、そして何を言っても何をやっても、決して夜がおとずれる前には解決に至らない。そんな日だってある。そしてそれが起こると、事態はどうにもお手上げだ。

(全体にまじめな訳文です。意味は合っているんですけど、元の雰囲気とは違う感じがします。もう少しくだけた感じだと思います。そのあたりをうまく訳文に出せるといいですね。
<余談>はじめまして。英語自体は良くおわかりだと思うんですが、むしろ日本語を浴びるように読むのが大切だと思います。最近amazonが発売しているkindleに青空文庫(日本の著作権フリーの文学作品が見られるサイト)のデータがのせられるようですから、そうすればけっこう簡単に名文にアクセスできるのではないかなあ。)

45.
ときどき、どれだけ気をつけていても、いくらがんばってお約束やお決まりどおりにやってもうまくいかない日があって、何を言おうがしようが元に戻せないうちに夜がやってくる。まずいことは起きるもんだ。そうなれば、全部めちゃくちゃだ。

(悪くないです。「いくら~やっても」は、「お約束やお決まりどおりにいくらやっても」の方がすっきりするかな。もう少し読点を打った方が読みやすくなると思いますよ。)

46.
どんなに用心していても、どんなに型通りでいつもと同じ生活を送ろうとしていても、思いもよらない出来事が起こって、何を言ってもやっても、一日中ずっと調子が戻らないことがある。そんな日もあるさ。災難がふりかかると、全部台無しになっちまうんだ。

(これも間違っているのではないんですが、ややリズムが悪いかなあ。「型通りでいつもと同じ生活」は原文のコンパクトさに対して長いですよね。逆に「何を言ってもやっても」はどうもリズムが崩れています。before night comes aroundの夜という部分は何とか出したいところで、たとえば、「何を言ってみても、やってみても、どうしようもないままに日が暮れてしまう」とか。原文の文言にとらわれすぎずに、どういう意味を伝えようとしているのかを考える方が早道だと思います。 <余談>結局、原文の言葉につかまっているということだと思います。最終的に、翻訳というのは原文にある意味を、訳文としてあるがままに提示するみたいな作業なんだと思います。だから翻訳であることを忘れるような文章というのがベストなんでしょうねえ。難しいんですが。)

<全体コメント>
みなさん、意味は漠然と分かっているんでしょうけど、その「何となく」の部分を「きちんと」に変えることが大切で、そのためには、Urban Dictionaryのような辞書を引くことや具体的な用例を確かめることが大切です。今月の敢闘賞は、15さん、17さん、23さん、26さん、44さん、そしてMVPは、末包恵子さんです。完璧ではないので、みんなもっと精進してください。

<講師試訳>
どれだけ気をつけても、どれだけいつも通りにやろうとしても、どこかで歯車が狂ってしまって、けっきょくどんな手を打っても、何ともならないまま、夜を迎えてしまう日もある。ツキのない日ってあるわ。そういう日には何もかも悪い方に行っちゃう。

(おまけ)
気ぃつけて、いつも通りっす、いつも通りっすって言い聞かせてても、あれ、違くねというときがあるっすよ。もうそうなると、やべぇ、やべぇって何とかしようとしても、あれもう夜ってか。激ヤバなことが起こるっす。そうなったらもうドツボっすよ。(浜田ブリトニーってこんなだっけ?)

気をつけなきゃ、いつもとやり方変えたらダメって自分に言い聞かせてても、ちょっとコースはずれてるじゃんみたいな日もあるよね。そうなっちゃうと、何とかしようとするだけムダ。あっという間に夜がきちゃう。ダメポな日ってあるのよねえ。で、そうなっちゃうと、もうサイテー。(腐女子風?)

安全第一、いつも通りが一番って考えてるのに、あれ思っているのと真逆? みたいな日もあるじゃん。口使っても手使っても、もうどうにもならないみたいな。で、気がついたら夜だったしーみたいな。地雷みたいな日ってあるわよ。で、そういう日はもう絶望一直線、やばし。

<次回の課題文>

小説ですから、常体(だである調)で。語り手は女性ですので、そこに注意してください。訳していただくのは「It all started…」から「but not in peace.」まで。

It all started with Gus Scarpetti.
More specifically, it all started when I was leading a tour at the cemetery where I work and smacked my head on the marble step of the mausoleum where Gus Scarpetti’s mortal remains were resting, but not in peace.
High heels. Uneven ground. Gravity.
Not a good combination.

メッセージやコメントも楽しみにしています。ではまた来月。

★★訳文の応募は締め切りました★★

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