第40回 サイエンス本でちょっと一息

27.
経済学の大半は 4 語に要約できる。つまり「人は報酬に反応する」のである。残りは個人的見解だ。

<コメント>読み手は日本語だけしか読まないので、4語と括弧内の文章の関係が分からないと思います。後半もちょっと意味が違ってしまいましたね。

28.
人は刺激に反応するものだ。たいてい経済学は、「刺激反応」の四文字に尽きる。あとは、おまけのようなものだ。

<コメント>うーん、最初の部分はちょっと原文からはずれすぎている気がします。工夫は分かりますが。「刺激反応」はたぶん心理学からきているので、逆にこれでは分かりにくくなっていると思います。後半もちょっと離れすぎかなあ。工夫は買うんですが、全体をこれでまとめるのはきついと思う。
<余談>four wordsを活かすなら、原文を残した方が早いと思います。落雷でやられるのは多いので、バックアップをしっかり取ってくださいね。

29.
経済学の多くは一言で表すことができる。「人はインセンティブに反応する」。残りは単なる説明文だ。

<コメント>前半はいいんですが、後半は単なる説明文だと限定されすぎだと思います。文章とは限らないんじゃないかな。
<余談>どうもありがとうございます。特に政治とか経済は重要なのになぜかあまり読む機会がないかもしれません。

30.
経済学は、詰まるところ「人間はおまけに反応する」ということに尽きる。あとはどう解説するかである。

<コメント>おまけはよく分からないなあ。利益とかインセンティブはおまけではないと思いますので。後半は、most ofに対比してのthe restですね。
<余談>ご応募ありがとうございます。またトライしてみてください。

31.
経済学の大部分は次の言葉に集約される。すなわち「人は誘惑に弱い」。残りの部分はその裏付けである。

<コメント>考え方は悪くないんですが、誘惑だと「心をまどわせ、悪い道へさそいこむこと。また、そのさそい。」なので、ここでは意味がちょっとずれすぎです。ただしアプローチとしてはとても面白かったので、もう一工夫していただければ敢闘賞ものだったと思います。
<余談>円高のうちがいいと思いますが、あとは日本経済そのものがもってくれるかどうか。急激な円高というのはやはりダメージがあります。ただそれを不安のある米国国債の購入に充て、それが結果的に米国の戦争資金にしかならないのでは意味がありません。レアメタルの購入などいろいろなかたちでの円安誘導は可能なんですが、仙谷政権(菅はお飾りです)の下ではそれも難しいかと。

32.
経済学で語られていることは一言に尽きる。”人はモノにつられる”。残りの部分はその説明にすぎない。

<コメント>モノだけとは限らないですね。インセンティブはサービスの場合もありますから。アイデアはいいんですけど、もう一工夫。
<余談>カウアイ島には行ったことがないんです。今のところ、オアフ、マウイ、ハワイの三島。でもいつかカウアイもいってみたいですね。

33.
経済学は短い言葉で集約すると「人は誘因に応じる」である。残りは解説だ。

<コメント>「集約」は、「集めて一つのものにまとめること。」なので、ちょっと意味が違っています。「一言でまとめれば」とか。あとやはり「誘因」というのは専門的な言葉で、ピンとこないかも知れないので、そこが工夫の必要なところかも。
<余談>朝晩は足元が冷えるようになりました。継続は力なりといいます。どうぞがんばってください

34.
経済のほとんどは4文字に要約される。「人間は動機に反応する」残りは説明にすぎない

<コメント>四文字と訳してしまうと、次の括弧の中と意味が合わなくなってしまいます。ですから工夫が必要になるんですね。流れは悪くないんですが。「動機」は反応するものではないと思います。「動機付け」になるかな。読者は原文を読まないですから、注意が必要です。
<余談>「政治とカネ」というのは呪文です。そういうものがあるような気がする。あればとっくに検察が告発しています。1年半、総額数十億の税金を費やして、検察が真っ白と言い切ったんですよ。少なくともこの2年間問題になった件については存在しないんです。でも小沢さんや鈴木宗男さん、あるいは亀井静香さんのような政治家が活躍すると都合が悪い人がたくさんいます。お母さんには「じゃあカネの問題ってなに?」とたずねてみてください。説明できないはず。ついでに多くの政治評論家が自民党政権の時代に官房機密費というお金をもらって記事を書いていたことや、テレビの有名司会者のギャラが一回で100万から300万だということも話してみましょう。「我々国民」という言葉がうそっぱちだということがわかります。前回も書きましたが、僕は消費税増税反対、地方権限・財源移譲賛成なので小沢さんの政策を支持しているだけです。極端なことをいえば、小沢さんが真っ黒でも構いません。クリーンと称しても増税・軍拡・売国の政治家よりはなんぼかましです。

35.
経済学の大半は、僅か四つの単語だけで言い表すことができる。それが「ピープル・レスポンド・トゥー・インセンティブズ」である。これは「褒美は人を動かす」という意味だ。以下が解説である。

<コメント>カタカナにしてしまうとかえって分からなくなりますね。それなら英語で残して、訳文を付けるかたちがすっきりするはず。後半は意味が違ってしまいました。most ofに対してthe restなんですね。
<余談>こういうのがどう処理されているのかは、やはり調べてみることです。たとえば格言事典とかを見てみる。翻訳の大部分は調べ物です。やり方を覚えるまでは大変ですが、がんばってみてください。

36.
経済学とは、なんといっても「人の行動はインセンティブによって決まる」という思想であり、その上であれこれ解説がなされる。

<コメント>「なんといっても」は少し文語としては荒っぽいかなあ。「何よりも」。それから「思想」がちょっと引っかかります。それなら「経済学の考え方は基本的に」のようなかたちでも処理は可能。most ofとthe restの対比なので、most ofじゃない部分がcommentaryになります。
<余談>過分なお褒めにいただき恐縮です。僕は体が良いわけではないので、ハワイくらいしか行きませんが、それでもいろいろなものが見られていいです。コメントはねえ、けっこう大変ですが、いろいろなメッセージが読めるのが一番の励みですね。

37.
経済学の主要な部分は、一言に集約できる。すなわち、「人は刺激に反応する」のである。残りの部分は、その注釈に過ぎない。

<コメント>意味はきちんと訳されているのですが、「主要な部分」という表現はやはりインパクト不足かな。「概して」とか「おおよそ」くらいの方がすっきりします。
<余談>はじめてということなので、慣れればもっとレベルアップすると思います。がんばってくださいね。

38.
経済学とは、あらかた3つの言葉で表わせる。「人は/刺激に/反応する」これに論評をプラスしたもの、それが経済学だ。

<コメント>工夫は買います。ただ斜線で切るというのは、読者の意識がそっちに行っちゃうんじゃないかな。つまり「3つの言葉」が重要で、中身はその次であると。「反応する」のあとには句点が必要ですね。

39.
経済学の大半は「人々は誘因に反応する」の一言に凝縮できる。あとは余計な飾りつけのようなものだ。

<コメント>前半は悪くないと思います。「凝縮」と難しくしなくても、「まとめる」とか「言い表せる」でも十分わかると思います。後半は「余計な」が気になります。そうではなくて、この文章を説明(解説)しているだけだという意味ですから。

40.
経済とは「人の利益に対する反応」の一文にほぼつきる。あとはそれへの論評だ。

<コメント>厳密には利益だけに限定されるわけではないですが、まあいいとして、economicsは経済学ね。「ほぼつきる」だったら「~でまず表せる」とか。あと全体に断定口調なので、少し読み手は引くかも知れません。
<余談>どうもありがとうございます。仕事でやっていますが、最近は前振りの話が大きくなりすぎているかも。

41.
経済学の大半は「人は金に弱い」ことを言っている。残りはそれを解説しているにすぎない。

<コメント>インセンティブは必ずしもお金とは限らないので、これはちょっとはずれすぎ。インセンティブって別の言葉に置き換えるのが意外に難しいんですよ。後半はOKです。

42.
経済学の大部分は簡単に要約できる。つまり、「人は見返りがあればがんばる」。あとはすべて解説だ。

<コメント>うーん、悪くないんですよ。「見返り」は、「人が自分にしてくれたことにこたえて、その人に何かをしてあげること。」ですから、まあ悪くない。ただ訳文として見た時に、「つまり」が気になります。ない方が良かったんじゃないかな。

43.
経済学の大部分は、次のように要約することができる。「人々は刺激に左右される」 残りは全て解説である。

<コメント>そつなくまとめた感じなんですが、悪くはありません。色気がちょっとないけど、「左右される」は良いと思いました。
<余談>では来月メッセージをお待ちしています。

44.
おおよそ経済学は「人は動機に基づいて行動する」という言葉に集約することが可能であり、それ以外は評論である。

<コメント>色気はないですが、オーソドックスな訳で悪くないと思います。「集約」は「まとめる」でも十分だと思います。
<余談>はい、こちらこそよろしく。

45.
経済学の大半は「人々はインセンティブ(誘因)に影響される」という4語に要約できる。あとはその注釈だ。

<コメント>これだと4になってないですよね。そこが工夫のしどころです。全体のまとまりは悪くないので、そう言う細かいところまで気をつけるようにすると良くなりますよ。
<余談>最初はヤングアダルトとか映画のタイアップ作から始めるとイメージがわかりやすくていいですよ。あとなるべく薄めの本からスタート。読了するという感覚をつかむことです。最初は月1冊目標でもいいですよ。

46.
経済学はおおまかに次の1文に要約できる。世の中に影響される人々。その他はただの注解である。

<コメント>うーん、これはちょっと荒っぽいかな。「一文に要約」はいいのですが、普通は「人は世の中に影響される」ものですし、体言止めにしているのも文章の座りを悪くしています。もう一工夫。

47.
経済学のほとんどは一言に要約できるだろう。「人々は報酬に従う。」 それ以外は注釈だ。

<コメント>「報酬に従う」というのはちょっとニュアンスがわかりにくくありませんか? それなら「報酬に応える」とか。やや紋切り型の印象を受けます。もう少し柔らかく。
<余談>テイクアウトだとカコアコ・キッチンとかも良いのですが、シュリンプの良い屋台がクヒオ通りに出ていたような気がします。

48.
経済学の大半は、言うならば「大衆は刺激に反応する。」 この言葉で事足りる。残る部分はその解釈である。

<コメント>「大衆」と限定するのに違和感があります。金持ちでも一緒じゃないかなあ。それなら「人は」くらいの方が良いでしょう。「解釈」はinterpretationですから、解説とか注釈の方がいいかなあ。
<余談>をを、パソコン直って良かったですね。やはりネットとメールがないと仕事にならないです。

49.
経済学はほとんど、四つの言葉に要約できるであろう。「刺激が、消費者を、駆り立てる、要因である」あと全ては、その解説である。

<コメント>うーん、これもfour wordsにこだわりすぎ。文章を無理して切っている感じが伝わってきます。消費者と限定するのもどうかと思いますしね。もう一工夫。
<余談>をを、がんばっていますね。英語力も大切ですが、日本で働く場合には、日本語力がとても大切。あと実務経験というのはいろいろな意味で財産なので、大変でしょうがぜひベストを尽くしてくださいね。

50.
経済学の大半は、きわめて短い文でこう要約できる。「人は刺激に反応する」。残りの部分はその解説だ。

<コメント>「きわめて短い文」としなくても「要約」自体がまとめになっていますから、かえってパンチが欠けているかも。
<余談>メール事故はけっこうありますね。フィルターに引っかかってしまう場合もありますし。クライアントには一応受領のメールをくれる人もいますが、完全に放置の場合もありますので困ります。

51.
経済学の本質は次の一言に集約できる。「人はインセンティブに反応する」。残りは注釈である。

<コメント>オーソドックスですが良くまとまっていますね。もう少し色気があるといいですが。

<全体解説>

今月の孔明の罠は、four wordsの部分、それにincentivesをどう処理するかでした。工夫は全体に感じられ、大変楽しんで読むことができましたが、文章のトーンにもう少し気を遣った方が良い訳文も散見されました。ともあれ、正解はありませんから、いろいろ工夫すること、人の訳文を見ることでレベルアップがはかれると思います。どうぞ地道な努力を重ねてください。

敢闘賞は、10さん/12さん/20さん/43さん/51さん、今月のMVPは河村裕紀さんです。来月はさらにインパクトのある訳文を期待します。

<講師試訳>

Most of economics can be summarized in four words: “People respond to incentives.” The rest is commentary.

経済学を一言でいえば、およそ「人はその気にさせるものに反応する」となる。残りはこのことの説明に過ぎない。

<次回の課題文>
今月はNancy Martinを。

Everyone ought to be forgiven at least one mistake.

I gave my nephews Harcourt and Hilton a sum of birthday money I figured couldn’t possibly buy anything that might endanger a pair of fourteen-year-old mad scientist. Unfortunately , I hadn’t counted on them squirreling away cash for months, because as soon as they ripped open their cards and found the modest gift, they jumped on the Internet and purchased a fetal pig.

一応、続きも出してありますが、訳して頂くのは一行目の「Everyone ought to be forgiven at least one mistake.」のみ。常体(だである調)で
。小説の書き出しなので今月もインパクト一発、読みたくなるような訳文を期待します。

それではまた来月。

★★訳文の応募は締め切りました★★

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