第55回 ピンチはチャンス 学びの時間を

41.
「不死をもって全人類は滅びる」
ファーストアベニューの端から端まで大胆に貼られた貼り紙にはそう書かれている。最近ミッドタウンに行った者ならわかるだろう。簡素なモノクロの貼り紙。普通の印字。派手な字体でもなければ紙にデザインもない。ウェブアドレスもない。その一言だけを壁面の四方八方で繰り返し呼びかけている。

<コメント>「もって」を使うんだと「不死をもて、人は皆滅びぬ」とかにしたいかも(まあ、ストーリーには合わないですが)。ただ全体には良いリズムだと思います。
<余談> ありがとうございます。健康にはとても気をつけています。

42.
<不死が全人類を滅ぼす>
そんな文言が書かれた物騒なビラが、ファースト・アベニューのいたるところに貼られている。最近ミッドタウンに行った人なら、その貼紙のことはもう知っている。そっけない白黒の貼紙だ。文字のみ。飾り文字でもないし、背景にもまったく何も描かれていない。ウェブサイトのアドレスもなし。例の一文だけが、紙面にぎっしりと繰り返されている。

<コメント>うーん、全体はリズムがあっていいんだけど、postersだから。紙面にぎっしりだと1枚しかないように見えますね。でもいたるところに貼られているんですよね。ちょっと見えている風景が違うかな。
<余談> それならいっそ「不死は人を滅ぼす」の方がかっこいいんじゃないかな。

43.
「不死がわれら全員を殺す」
食ってかかるような言葉の貼り紙が、1番街沿いに延々続く。最近ミッドタウンに足を運んだことがあるなら、そこで目にしたはずだ。モノクロが主張するポスター。活字だけだ。文字も背景も飾りなし。ウェブサイトの記載もない。ただその1文が、言わんとするすべてとして繰りかえされ、あちこちに貼りつけられている。

<コメント> 「全員」とかを加えるとやっぱりくどくなりますね。それなら「不死が皆を殺す」くらいでもいいかも。「モノクロが主張するポスター」はちょっとわかりにくいかな。down and acrossはもう一工夫。
<余談> どういう小さな機会であれ、それを活かしていくことで道がひらけるのだと思います。誠実な仕事の積み重ねが信用となっていきます。どうぞがんばってください。

44.
「永遠の命は我々すべてを滅ぼす。」
一番通りの端から端まで乱れた字でこう書いてあった。最近ミッドタウンへ行った人なら見かけたはずだ。モノクロのポスターでタイプしただけのものだ。背景に派手なフォントやデザインもないのである。ウェブアドレスもなし。広告掲示板にその一文が書いてあるだけ。繰り返し、通りのはじめから向こう側まで書いてあるのだ。

<コメント>「永遠の命」はいいですね。ただ「乱れた字」だとtypeと合わないんです。「ないのである」は「ない」で十分。通りのはじめから向こう側というと、どうも空間的にどうなっているのか分かりにくくなっています。

45.
「いずれ永遠が我らを滅ぼす」
誰の仕業かもわからない貼り紙がファーストアベニュー沿いに端から端まで貼り付けられている。ここ最近でミッドタウンに行ったことがあるならば、見たことがあるだろう。白地に黒文字でタイプされただけの簡素なものだ。書体に趣向が凝らされているわけでも、背景に何かデザインがあるわけでもなく、ウェブアドレスの記載もない。数ある掲示板のそこら中に貼られた紙が、何度も何度も繰り返し訴えるのはその一文だけだ。

<コメント>  「永遠」と「不死」はちょっと違うので、注意してください。black and whiteだから白黒で十分、モノクロでもいいし。原文のコンサイスな感じがちょっと薄くなって、全体に長くなりすぎているかも知れません。

46.
「不死が人類を破滅させる」
こんなことが書かれた狂気じみたポスターが、ファーストアベニュー沿いの至る所に貼られていた。最近ミッドタウンに行った人は、目にしたことだろう。モノクロ印刷で文字だけのそっけないポスター。しゃれた書体を使うでもなく、背景にデザインがあるでもなく。ウェブサイトのアドレスもなかった。ただその一文だけのポスターが縦に横にいくつも貼られ、掲示板を埋めつくしていた。

<コメント>「狂気じみた」というとどうもポスターから狂気が伝わってこないといけないと思うんですね。「でもなく」で文章を止めるのはちょっと違和感あるかな。後半はなかなか工夫されていますね。

47.
「不死で全員皆殺し」
ファースト・アベニューに沿って、こんな暴言が貼り出されている。最近ミッドタウンにいたなら、目にしただろう。単なる白黒のポスター。ただの活字。しゃれたフォントでもなければ、背景のデザインもない。ウェブアドレスもない。その一文だけがひたすら繰り返され、掲示板の下へ、向こう側へと続いている。

<コメント> 「全員皆」だとトートロジーですね。暴言というと、それ自体が価値判断になってしまうので、ストーリーの始まりとしてはどうかな。向こう側だとbeyondとかto the other sideとかになりそうですね。
<余談> イメージがうまく浮かばないとなかなか訳せないですよね。そういう訓練としては映画などをいろいろ見てみるというのがあります。

48.
「不死を求めれば人類は滅亡する」
こんな突拍子もない貼紙が一番街のここかしこで目につく。最近、ミッドタウンにいた人なら、見たはずだ。シンプルな白黒のポスターに活字のみ。しゃれたフォントではなく、余白に模様もなく、URLの記載もない。この1文のみが広告板の上下左右に何度も何度も繰り返されている。

<コメント>不死になってしまった社会の話なのでちょっと微妙かな。全体に少し色気に欠けると思うんですね。alongあたりをもっと活かせるといいですね。

49.
”不死は我々を殺す”
一番街中にこの野蛮な言葉の広告が見られる。最近ミッドタウンに行ったことがあるなら見たことがあるだろう。シンプルな白黒のポスターで、活字だけが載っている。字体も凝ってないし、背景に何のデザインもない。もちろんホーム・ページのアドレスも載っていない。ただ一言が広告主の言いたいすべてであり、ポスターの左右上下に何度も何度も書かれている。

<コメント> 一行目はこうポスターが貼ってあったとしてインパクトがあるかなあ、とちょっと思います。「野蛮」とはちょっと違うんじゃないかな。ホームページ。もう一工夫。

<全体講評>

一行目は皆さん苦労したようですね。METALLICAのアルバムにKill ’em Allというのがあったような気がしますが。

敢闘賞は2さん、12さん、16さん、39さん、46さん、MVPは41. 小垣外はるひさんです。そんなに差があったわけではないですが、逆にそれだけこれはという訳がなかったということでもあります。来月はがんばってね。

<講師試訳>

「不死は滅びへの道」
そう書かれた紙が一番街に沿って乱雑に貼られている。最近ミッドタウンを訪れたことがあれば、目にしたはずだ。シンプルな白黒のポスターで、文字だけがタイプされている。しゃれたフォントも凝った背景もない。ウェブアドレスもない。ただこの一行だけが書かれていて、それが繰り返し、板囲いに沿って縦に横に、ずらっと並んでいる。

<次回の課題文>

「Economics unmasked」から。

Life is an unending sequence of bifurcations: the decision that I take implies all the decisions I did not take. Our life is inevitably a permanent choice of one possibility out of an infinity of ontological possibilities.

常体(だである調)で。専門用語や難しい言葉にとらわれずに、読者にうまく伝わるような訳文を作ってください。ontologyはThe branch of philosophy that deals with beingです。

ではまた来月。

★★訳文の応募は締め切りました★★

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