第99回 簡単な単語の翻訳には要注意

21.

彼らは階段を下り、熱くなった滑走路の上に集まった。そこで、異常な光景を目にした。まるで溶けたセメントに沈むように、アメリカン航空のジェット機の車輪が、黒い舗装道路に沈んでいたのだ。実際に、車輪はとても深く挟まっていて、機体をけん引するためにやって来たトラックが引っぱっても、引き上げることができなかった。航空会社は、その便の付加重量、つまり、乗客35名を下せば、軽くなった分、飛行機が引き上げやすくなるだろうと期待していた。しかし、現実は違った。

<コメント>階段だとちょっとわかりにくいかな。滑走路上に集まると危険です(^-^; 滑走路と書いていて、次に舗装道路となると違和感がありますね。挟まっているのではないと思います。平たくいえば「ずっぽりと入ってる」感じかな。「付加重量」はこの中では硬いです。「違っていた」の方がいいかな。

22.

乗客たちはタラップを下り、太陽の熱で焼けた舗装路面に集まった。そこで一同は異様なものを目にした。USエアウェイズのジェット機の車輪が黒い舗装に沈みこんでいる。どろどろのセメントにはまったかのようだ。実際、車輪が深くめりこんでいるため、牽引用トラックは、機体を舗装から脱出させることができなかった。航空会社は、負荷となっている乗客三十五人の重量を除けば、飛行機が軽くなり引き上げられるのではと望みをかけた。そうはいかなかった。

<コメント>「一同」は浮いているので、もう一工夫。どろどろもちょっと浮いてるかな。「脱出」は「引っ張って動かす」くらいでもいいかな。意味はわかってると思うので、もう少し読者に寄り添った訳文を心がけるといいでしょう。

<余談>おお、それはよかったですね。結局、1%の才能と99%の努力だと思います。BABYMETALの子たちは小さい頃から芸能界にいるので、言葉遣いはとても丁寧なんですね。ステージの鋭い眼光やプロフェッショナルな動きと、ステージを離れたときのフツーの女の子らしさとのギャップも可愛いんですよ。

23.

乗客は階段をおりて、暑い駐機場に集まった。そこで異常な光景を目にした。USエアの車輪が、黒いアスファルトに沈み込んでいる。アスファルがまるで 生のコンクリートであるかのように。車輪があまりにも深く食い込んでいるため、飛行機をけん引するために来た航空機牽引車は車輪をそこから抜き去ることができなかったのだ。航空会社側は航空機には余計な重量がかかっていない、たった35人の乗客しか乗っていないのだから飛行機は簡単に引っ張ることができる、と考えていた。 現実は違っていた。

<コメント>「そこで目にしたのは異常な光景だった」の方が流れるかな。USエアの車輪だとちょっと言葉足らずかな。「USエア機の車輪」ならすっきりしますね。アスファルトです。航空機牽引車は字を読めば意味がわかるものの、わざわざ説明的に書いているわけですから、そこは活かしたいです。「抜き去る」というと追い越すとかの方に読めます。重量の話は逆で、35人分の負荷を減らせば、飛行機が動くかも知れない、です。

<余談>もうすぐ100回で終わりです(^-^; 70回というと、単純に見ても6年くらい前ですね。歳月人を待たずです。

24.

乗客はタラップを降り、むせ返るような滑走路上に集まった。そこで彼らが目にしたのはただならぬ光景だった。USエアウェイズのジェット機の車輪が、水に溶かしたセメントのような黒い舗道に沈み込んでいたのだ。それどころか、車輪が深く埋まりすぎて、機体をレッカー移動しにやって来たトラックはなすすべがなかった。そこで航空会社は、乗客35人分の余分な重量がなければ機体は軽くなり十分引っ張れると考えたのだ。だが、実際は違った。

<コメント>滑走路上に降りるとまずいですよね。「水に溶かしたセメント」は工夫はわかるんですが、それなら「固まっていないセメント」の方がわかるんじゃないかな。レッカーは「ウィンチを備え、故障車などを吊り上げて牽引するトラック」なのでちょっと意味が違ってしまいます。

25.

搭乗客達はタラップを降りて熱いアスファルトの上に集まった。そこで 異様なものを目にする。USエアジェットのタイヤが黒い滑走路に沈みこんでいるの だ。まるで柔らかいセメントの上ででもあるかのように。実際、タイヤがあまりに深くはまりこんでいて、飛行機を牽引に来たトラックもぴく りとも動かせずにいる。航空会社は飛行機の余計な重み、三十五人の乗客がいなければ、引き出せるくらい軽くなるのではないかと期待していた。そうはいかなかったが。

<コメント>「USエアジェット」だとそういう飛行機があるようにも読めます。「引き出せる」は「動かせる」くらいでも大丈夫じゃないかなあ。

26.

乗客はタラップを降りて熱い滑走路に集まると、そこで異様な光景を目にした。ユーエス・エアウェイズのジェット機の車輪が、まるで渇いていないセメントのような黒い滑走路にめり込んでいたのだ。車輪は深くめり込んでいて、牽引するためにやって来たトラックが飛行機を滑走路から引き離すことができないでいる。搭乗した三十五名の乗客と彼らの手荷物を降ろせば、飛行機が軽くなって引っ張れるようになると航空会社は期待していたのだが、叶わなかった。

<コメント>滑走路はちょっと違うかな。手荷物は足す必要がなかったと思います。全体的にはまとまっている方だと思うんですが、もう一工夫あっても良かったかなあ。

27.

乗客は階段を降りると、熱くなった滑走路の上で集まった。そこで見たものは普通ではなかった。USエアウェイズのジェット機の車輪が、黒々とした滑走路に沈み込んでいた。滑走路は乾ききっていないセメントのようだった。車輪は実際深くはまっていて、ジェット機の牽引にやってきたトラックでも引っ張り出すことができなかった。航空会社は、乗客35人を降ろせば、その分軽くなって引っ張り出せるのではないかと考えたびだが、そうはいかなかった。

<コメント>滑走路は「飛行場内で、飛行機の離陸や着陸のため、地上を走るのに用いる道路状の部分。ランウェイ」なので、大きな空港で、滑走路上に乗客を降ろすというのはまずないと思うんですね。滑走路とエプロンやゲートの間には、さらに誘導路があります。ですから滑走路と訳すとまずいんですね。もちろん事故があって滑走路に人が降りることはありますが。「考えたびだが」は「考えたみたい」かな?

28.

彼らは階段を下りて、熱くなった舗装の上で集まった。そこで彼らは異様な光景を目にした。アメリカ航空のジェット機、その車輪がアスファルトに沈んでいたのだ。まるで、まだ乾き切っていないセメントに沈むかのように。実際、車輪はとても深く沈んでいたので、大型のレッカー車をもってしても、ジェット機はびくともしなかった。”35人もの乗客の増員がなければ、というのが航空会社の思いだった。その分の重量さえなければ、ジェットを引くことができるのに。しかし、その考えは現実的ではなかった。

<コメント>階段はタラップの方がいいかな。「上に」かな。USエアウェイズはそのままの方がいいかも。「沈むか」だとこれからという感じがします。レッカー車については別コメント参照。増員というのは、「人数をふやすこと。定員をふやすこと」だからここでは使えません。飛行機そのものの重量+乗客が現在の舗装面に対する負荷なので、飛行機そのものの重量だけにすれば、という話ですね。

29.

乗客たちはタラップを降り、熱いアスファルト舗装の滑走路に集まった。そして、そこで異常なものを目にした。USエアウェイズのジェット航空機の車輪が、黒い舗装面に沈み込んでいたのだ。乾いていないセメントを踏んでいるかのようだ。しかも車輪はかなり深く食い込んでいたので、飛行機を牽引するためにやってきたトラックでも引っぱり出せなかった。航空会社は、35名の乗客を降ろして余分な荷重を減らしたら、飛行機が軽くなって引けるだろうと考えたらしい。だが、そうはならなかった。

<コメント>滑走路だとちょっとまずいんですよね。「引ける」は「動かせる」とかが良いのではないかなあ。

<余談>通ってしまいましたが、次の選挙で与野党が逆転すれば、法律を止めることができます。その上で廃案にするまで粘るしかないですね。

30.

乗客たちはタラップを下りて、駐機場の焼けるように熱いアスファルトの上に集まった。そしてそこで不思議な光景を目にした。USエアのジェット機の車輪が、まるでまだ固まり切っていないセメントにはまってしまったように、黒いアスファルトに沈み込んでいるのだ。車輪はかなり深くまで食い込んでいて、けん引トラックではジェット機をひっぱり出すことができなかった。USエアは、35人の乗客を降ろして飛行機を軽くすれば機体を引っ張り出せると考えたのだが、そうはいかなかった。

<コメント>やや色気にはかけますが、うまく訳してあると思います。「そしてそこで」は「そこで目にしたのは~」のようにすれば「そ」の繰り返しを避けられますね。

31.

乗客はタラップをつたって、熱くなったアスファルトの上に降り立った。そこで見たのは異常な光景だった。USエアウェイズのジェット機が黒い滑走路に沈み込んでいる。アスファルトが、乾く前のセメントのように柔らかくなっていた。車輪が深くはまりこんでしまっており、トラックで機体を引き揚げようとするものの、一向に動く気配がない。ジェット機本体以外の重量物、つまりは三十五人の乗客を降ろせば、軽くなって動かせるのではないか、USエアウェイズはそう期待をかけていた。しかしまだ重すぎた。

<コメント>やや色気には欠けますが、うまくまとめてあると思います。「しかしまだ重すぎた」は少しリズムが悪いかな。「それでも」とか。

32.

彼らは階段を下りて、熱いアスファルトの上に集まった。そこで、あり得ないものを見た。USエアウエイズ社のジェット機の車輪が、乾いていないセメントの上にあるかのように、黒い滑走路に沈んでいる。実は車輪が深く沈みすぎたので、牽引のためにやって来たトラックは、てこを自由に動かすことができなかった。航空会社は飛行にこれ以上の加重がないことを望んでいた。35人の乗客は航空機が充分引ける軽さだった。そうはいかなかった。

<コメント>「乾いていないセメントの上にあるかのように」は少し冗漫かな。「てこ」は、pry looseの部分だと思いますが、ここは「引っ張り上げて自由にする」ということですよね。

<余談>日本語の発想では、どうしても接続詞をはさみたくなるんですが、英語は可能な限り、あるいは必要でない限り、接続詞ははさまないんですね。がんばってください。

33.

タラップを降りて焼けた滑走路に集められたところで、客はいつも通りならあり得ない光景を目にする。USエアのジェット機の車輪が乾いてないセメントにとられるように、舗装された黒い滑走路に沈んでしまっているではないか。車輪は路面に深くはまっていて、事実、ジェット機を牽きにきたトーイングカーは車輪を浮かせない。会社の方では乗客35人分の負荷がかかっていなければ、いまに機体を引けるかもと思ったのだが、実際そんなことはない。

<コメント>集められたではなくて、集まった。「いつも通り」ならというか、この時点で既にいつも通りではないので、「そこであり得ない」くらいでいいんじゃないかな。「乾いていないセメントにとられる」はわかりにくいです。「ではないか」は少し大げさかも。「牽きにきた」もちょっと読みにくいかな。「いまに」はいつかというつもりかなあ?

34.

乗客は飛行機の階段を下り、熱くなった滑走路に集まった。彼らはそこで異様なものを目にした。USエアーのジェット機の車輪が生乾きのセメントのようになった黒い舗装道路に沈み込んでいた。車輪は実際かなり深くまで入り込み、トラックが機体を牽引する為にやってきたものの引きずり出す事ができなかった。航空会社は35人の乗客という重みがなくなれば機体の重さは牽引できるくらいになると期待していた。しかしそうはいかなかった。

<コメント>工夫はわかるんですが、「飛行機の階段」とすると、飛行機に階段がついている感じを受けますね。「彼ら」はまったく間違いではありませんが、なるべく「彼」、「彼女」といった代名詞を消す工夫が大切です。「舗装道路」とすると、飛行機の側に道路があることになってしまうわけで、「舗装」だけでOKですね。「機体は牽引できるのではないか」みたいな感じでもいいかな。全体に惜しい感じです。

35.

乗客はタラップを降りて熱い滑走路に集まった。そこで目にしたのは異様な光景だった。USエアウエイズのジェット機の車輪が、まるで固まっていないセメントの上にあるかのごとく黒い地面に沈み込んでいたのだ。あまりにも深く食い込んでいたので、機体を牽引しにきた車両をもってしても動かせなかった。航空会社側はその便への追加の重量、つまり35人の乗客の重さがなくなれば動くかもしれないと期待したが、そうはいかなかった。

<コメント>「あるかのごとく」よりは「あるように」の方がさらっと行けると思います。「黒い地面」は少し弱いかな。「黒い舗装」くらいでいいかと。「もってしても」も少し硬い感じです。「車両でも」。「追加の」は「余分な」みたいな感じでもいいかな。もう一工夫。

<余談>まあ人間そういうものです。

36.

乗客はタラップを降り、暑い駐機場に集合した。そこで、ただならぬ光景を眼にした。ユーエス・エアウェイズのジェット機の車輪が、まるで水に溶かしたセメントのような、黒い舗装路に沈んでいたのだ。実際、車輪が、深く埋まっていたため、飛行機をレッカー移動しようとトラックが手配されたが、機体はびくともしなかった。航空会社は、搭載重量、つまり、三十五名の乗客や手荷物を降ろせば、機体が軽くなり、引っ張り出すことができると考えた。そうはいかなかった。

<コメント>「集合した。そこで」のところは少しぎくしゃくしています。もう一工夫。「機体はびくともしなかった」はとても良いと思います。レッカー移動は意味が違いますね。搭載重量の一部が乗客や手荷物ですから、この部分ももう一工夫。全体にもったいない感満載。

<余談>課題文を出すのも今回で最後です。

37.

階段を下りて熱くなった滑走路に集まった彼らは、そこで異様なものを見た。USエアウェイズのジェット機の車輪が黒い路面に、まるでセメントがまだ乾いていないかのごとく沈み込んでいたのだ。実際、車輪はジェット機を牽引しに来たトラックが動かせないほど深く埋まっていた。USエアウェイズは機体に加算された重量(三十五人の乗客)を除けば牽引できる程度に軽くなるのではと期待していたが、無駄だった。

<コメント>階段はもう一工夫。滑走路じゃないです。「乾いていないかのごとく」はas ifの訳としては定番ですけれども、やはり大げさな感じはいなめないです。加算はありかな。

38.

彼らは、階段を降りて、舗装道路に集まった。そこで彼らは珍しいものを目にした。US エアウェイズ社のジェット機の車輪は、まるで湿ったセメントのような真っ黒な道路に沈んでいたのだ。実際、車輪は相当深く道路に突き刺さり、牽引するためにやってきたトラックでさえ少しも動かすことが出来なかった。35人の旅客が降りたら機体を動かすことができるだろう、と航空会社は考えていた。だが、そうでは無かった。

<コメント>階段、舗装道路はもう一工夫。道路は「人・車馬などが交通するための通路。みち。往来。往還。」なので、ここにはフィットしません。「旅客」よりは「乗客」かな。もう少し言葉の選択に注意を払って下さい。

39.

彼らは階段を下りて、熱くなったタール舗装の上に集まった。そこで目にしたのは何とも異常なものだった。USエアジェットの車輪が、まるで生セメントのようになった黒い舗装路に沈み込んでいたのだ。実際、車輪は深く埋まっており、機体をレッカー移動するための空港トラックでも動かすことができなかった。旅客会社は35人の追加乗客の重みがなければ、十分動かせるだろうと期待していたのだが、そうはならなかった。

<コメント>「階段」はもう一工夫。「空港トラック」と言うことばは確かにネット上では見つかりますが、ゲームの解説だったりします。かえってわからなくなるので「トラック」で十分。追加乗客というと「XX人の乗客がいて、それに対して追加された」と読めます。

40.

皆は階段を降り、暑い駐機場に集まった。そしてそこで不思議な光景を見ることとなった。ユーエス・エアウェイズのジェット機の車輪が、黒いアスファルトに沈んでいたのだ。まるで乾いていないセメントに埋まったかのように。車輪は深く深く埋まっていた。トラックがやってきて機体を牽引しようとしたが、引きあげることはできなかった。乗客35名という追荷重がなければ軽く引っ張ることができるだろうとの希望的観測もあったが、うまくはいかなかった。

<コメント>「階段」はもう一工夫。「深く深く」は「深く埋まっていたので」のように原文の区切り通りに訳した方がいいと思います。「追荷重」は硬い感じです。「light」は「lightly」ではないので、要注意。希望的観測の主語は訳出しましょう。

<余談>今回で課題文はラストです。

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