第70回 “constitution”についてとハワイの所感

1.
ネット上の敵を倒す最も良い方法? 無視することだ。ネットで友人をつくる確実な方法? 相手をほめること。
「私の知っているただひとつのルール――それは思いやりを持つことだ。」

<コメント>まず体言止めというのは箇条書き以外ではあまり多用すると読みにくくなるんですね。「ことだ」が繰り返されてしまっているのもちょっと色気に欠けます。もう一工夫。

2.
インターネットで敵を打ち負かす方法はって?そいつらを無視することだ。インターネットで友達を作る方法?その人たちに関していいことを言うことだ。
「私が知っているただ1つのルールがある。それは、親切でなければならないということだ。」

<コメント>疑問符の後には全角スペースを入れるのが原則ですね。こういうのが参考になります。 「そいつら」と「その人たち」は意識してやっているんでしょうが、かえって違和感があるかな。「はって?」は文章としては読みにくいですね。

3.
インターネットで気に食わない奴らを断ち切る最もよい方法とは?無視することです。インターネットで友人を作る最もよい方法とは?お世辞をならべれることです。
「唯一の法則を知っています。要は寛容であれということです。」

<コメント>「縁を切る」とかは可能ですが、「奴らを断ち切る」は普通ないのではないかなあ。「お世辞をならべれる」はおかしいですね。「唯一の法則」は意味が分かりにくいです。もっと色気を。

4.
ネットで嫌な奴を一掃したい?無視すりゃあいい。つるむ仲間が欲しいって?おべんちゃらを使うのさ。
『要は、人には親切にしとけ、っていう一言に尽きるわけだ』

<コメント>うーん、そういう功利的な話ではないんですよ。おべんちゃら=口先だけで御機嫌をとろうとすることです。もっと素直な話ですね。もう少し口調はきれいだと思うんですが。

5.
インターネットで敵に勝つには?一番いいのは無視すること。インターネットで友達を作るには?一番いいのはほめること。
私が知っているのはたったひとつ、他人に対しては親切でなければいけないということ ――― これが原則です。

<コメント>疑問符のあとにはスペースをよろしく。カート・ヴォネガットからの引用部分は引用符で囲ってください。最後の行はもう少しシンプルでも良いのではないかなあ。工夫はいいんですが。
<余談> 元気は元気ですよー。お仕事が見つかって良かったですね。結局ね、仕事として翻訳することで一番力が付きます。技術翻訳は特にユーザーとかリーダーを意識しての訳になりますから、それが文芸系の翻訳にもフィードバックされると思いますよ。がんばってください。

6.
ネット上で敵を黙らせる最善の方法は? 馬耳東風。
ネット上で味方を作る最善の方法は? 嘘も方便。
「私の知っている鉄則はたった一つしかない。つまるところ『情けは人のためならず』だ。」

<コメント>工夫は買うので敢闘賞差し上げます。でも格言とかを使うのは実は難しいんですね。今回選ばれたのはセーフかなという気がするんですが、たとえば「河童の川流れ」とか「仏作って魂入れず」とかになってくると欧米の作品の翻訳には使えない。そのあたりの縛りは意識していくといいですね。

7.
ネット上で敵をやっつける最高の方法は? 相手を無視することです。では、友人をつくる最高の方法は? 相手をほめることなのです。
「私が知っているルールは一つだけだ。人には優しくしなくてはならない」

<コメント>「やっつける」というのは少し荒っぽいかなあ。「優しくしなくてはならない」のような文章はたとえば「優しくあれ」みたいにすると締まるんですね。
<余談> 楽しんできました。今回はずっと課題になっていたワイピオ渓谷訪問、テックス・ドライブインで食事、カネオヘ探訪(もやさまで大江アナが行った平等院とか)、ラニカイ・トレイル踏破、ダイヤモンドヘッド登山、タンタラスの丘ドライブと全部やってきました。

8.
ネット上で敵を負かすのに最適な方法は? 無視すればいい。ネット上で友達になるのに最適な方法は? お世辞を言えばいい。
「私が知っている法則はただひとつ。人に親切にすることだ」

<コメント>「友達になる」が少しひっかかりました。「友達を増やす」とか「友達を作る」の方がいいかな。お世辞だとflutterとかで、心がこもってないと思うんですね。「良いことを言う」がベースです。
<余談> おかえりなさい。復活してね。続けるのはとても大切。自分の勉強のリズムも作れますから。

9.
嫌な奴をネットで見つけたら、無視すること。友達をネットでつくりたかったら、相手に何か素敵なことを言ってみる。
黄金のルールは、寛容でいるということです。

<コメント>「言ってみましょう」の方がいいかな。「黄金のルール」は悪くないんですが、「only one rule I know of」のニュアンスがちょっと出てないかな。もう一工夫。
<余談> Welcome back! これを機にまたよろしく。

10.
インターネット上で敵を負かす最良の方法とは? 無視することだ。 インターネット上で友人を作る最良の方法とは? おだてるのだ。
「私にわかることは、たった一つだけだ。親切になればいいのだ」

<コメント>「おだてる」というと、「あることをさせようという意図をもって、人を盛んにほめていい気にさせる。」なので、少しネガティブに響くかなあ。最後のところは「~だ。~だ。」となっていて少しくどい感じがします。
<余談> 難しいんですねえ、簡単な方が。大切なのは、原文の字面ではなくて、意味を自分の中で咀嚼してから訳すことなんです。

11.
インターネット上で自分の敵を打ち負かす一番良い方法は何かって?それは彼らを無視することさ。インターネット上で友達を作る最善の方法は何かって?彼らについて素晴らしいことを言えば良いんだ。
「僕が知っている方法が1つだけあるんだ。僕たちは優しくならないといけないってことさ。」

<コメント>疑問符や感嘆符の後にはスペースを。「彼ら」があるとどうしてもくどくなりますね。日本語はあまり代名詞を使わない言語なので、いかに代名詞を消すかが読みやすい訳文を作るコツだったりします。ruleは方法だとちょっと違いますね。ルールですから。
<余談> ありがとうございます。今年は珍しくいろいろなアクティビティーに手を出しました。

12.
ネット上で敵に打ち勝つ最良のやり方は? 相手を無視せよ。ネット上で友人を作る最良のやり方は? 相手を褒めよ。
『ぼくが心得ているルールは一つだけだ。優しくなければならない』

<コメント>悪くないんですけど、ちょっと直訳っぽいかなあ。「最良のやり方」はまったく間違いじゃないんですけど、さて実際にそういうかというと、「一番良いのは」とか「一番のやり方は」となりそうなんですね。「ぼく」が主語だと、「~よ」よりも、「無視すればいい」みたいな感じになるかなあ。
<余談> ご指摘ありがとうございました。剣呑剣呑。

13.
インターネット上で敵を打ち負かす一番の方法は? 気付かないふりをするのです。インターネット上で友達を作る一番の方法は? 相手のことを褒めるのです。
「私が知る限りルールはただ一つ、思いやりが一番!」

<コメント>前半はまだまだ工夫の余地があると思うんですけど、最後の行が良かったので敢闘賞。「打ち負かす」はやっぱりちょっとひっかかるかなあ。もうちょっとコンパクトにできるはずなんですよ。
<余談> はじめまして。まあ自分自身がなかなか色気のある翻訳ができないので、お互いに頑張りましょう。

14.
ネット上で君の宿敵をぎゃふんと言わせる一番いい方法は?その人達を相手にしないことだ。
ネット上で友達をつくる一番いい方法は?相手のことを褒めてあげればいいんだ。
僕が知っている決まりは一つしかないよ、相手に優しくしないといけないっていうことさ。

<コメント>工夫は分かるんですが、「宿敵」=「年来の敵。ずっと以前からのかたき。」ですね。「相手にしない」はよかったかな。

15.
ネット上の悪質ないたずらへ最強の方法は?相手の様子を無視することだ。
ネット上での友達になるよい方法は?相手に適当に褒め言葉で伝えることだ。
わたしの唯一のルールで。上手くやるには、親切になろうとすることである。

<コメント>「悪質ないたずら」はさすがにやり過ぎ。「様子を無視」はちょっと意味が不明。「適当に」というとちょっとネガティブに読めます。最後の行も分かりにくいかな。読み手にどう伝わるのかにもっと意識を。

16.
ネット上で自分の敵を打ち負かす最良の方法を知りたいですか。その敵を無視しなさい。ネット上で友達を作る最良の方法を知りたいですか。その友達になりたい人について素敵な事を言いなさい。私が知っている法則は1つだけです。人を思いやる気持ちを持たなければなりません。

<コメント>うーん、直訳というか、すーっと入ってこない訳文になってるんですね。実際に声に出して読んでみると良いのですが、こうは言わないと思うんですね。

17.
インターネットで敵を圧倒する最高の方法? 無視すればいい。
インターネットで友だちをつくる最高の方法? その人をほめればいい。
「私が知っている唯一のルール、それは『人には親切に』だ」

<コメント>「圧倒する」は少し違和感があるかなあ。一行目と二行目はペアあるいは対比になっているわけですから、そのへんをもう一工夫。後半はいい感じでした。
<余談> 翻訳を生業にしていく場合、要は「安い、早い、上手い」のどれか二つは満たさないときついと思うんです。僕は前の二つが売りかな。なので月産1,000枚とかやってたんですね、昔は。(いまは体力的にムリ。)不景気で仕事が減ってきたのもあって、のんびりとやるようになってしまいました(苦笑)。量は慣れです。自分はアレルギー持ちなので、ハワイはとても暮らしやすいんですね。自動車とかは少なくないんですが(ホノルルとか)、やはり緑が多いのと、風が吹いているので。

18.
インターネットで嫌な奴を負かす最良の方法は? そいつを無視するこ と。ネット上で友達を作る最良の方法は? その人の良い所を言うこと。
「私が知っているルールはひとつだけだ。親切であれ」

<コメント>意味は合ってるんですけど、ちょっと色気に欠けるかなあ。書き手のことを考えると、あまり「最良の方法」って言わないと思うんですね。「一番いいのは」くらいで十分だと思うんですよ。もっと自然な日本語を意識してみましょう。

19.
インターネット上で、いやな相手を打ち負かす最良の方法とは? 相手を無視することだ。
それでは、インターネット上で仲間を作る最良の方法とは何か? 相手を褒めることだ。
たった一つのルールがあるだけだと思う、寛大でなければならないってことだ。

<コメント>語尾が「~だ。」で揃ってるのは意識的かも知れませんが、少しくどいかな。「~ってことだ」の部分だけ口語風なんですが、「最良の方法」みたいなきちんとした表現とはマッチしないと思います。

20.
インターネットで敵を打ち負かす最良の策は? 取り合わないこと。 インターネットで友を作る最良の策は? ほめること。
「私が知っているたった一つの法則はこれ。親切が、いちばん」

<コメント>「最良の策」は少し硬い気もしますが、全体の流れが良かったです。前半はもう一工夫あっても良かったかな。
<余談> こっちもおとぼけなことやったのであまり言えないんですけど、翻訳やっていて行き詰まった時のコツの一つが「離」なんですね。何でもそうですけど、何かにつかまったり、こだわりすぎたりすると良く見えなくなることが多いんです。そういうときにはちょっと散歩したり、別の仕事したりすると不意にぽんと良い訳語が浮かんだりします。お互い頑張りましょうね。

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