第75回 原文の体裁を変えて訳すのはNG?

1.
4.権利のために戦う
人は、自分が信じるもの、そのものです。信じるもののために戦ってください。あなたが心から大切だと思うものは何ですか? 創造の自由をもつこと、尊敬されること、それとも、金銭でしょうか? では、そのために戦うのです。みんながあなたに同意してくれるわけではありません。けれど、自分が信じるもののために行動し続ければ、だれもがあなたを尊敬します。戦うのです。

<コメント>意味的には良いと思うんですが、今ひとつ流れが悪くなっているのは、読点を打ちすぎているからじゃないかな。「自分が信じるものそのもの」、「それとも金銭でしょうか?」。「では」も過剰な気がします。
<余談> 僕は夏の疲れがどーんと出てますw  健康は大切ですよ。散歩するとか、軽い運動をするとかが重要な年齢になってきてしまいました。はあ。

2.
No. 4 自分の権利のために戦いましょう
あなたの信条は、あなたそのものです。自分の存在のために戦いましょう。あなたは、何を信じていますか? 創造性の自由? 尊敬? それともお金でしょうか?  信じるものがあるなら、そのために戦いましょう。誰もが賛成してくれるとは限りません。それでも、自分の信条と一致した行動をとるあなたには、皆が敬意を払うはずです。戦いましょう。

<コメント>なかなかうまくまとまっていると思います。そうすると「戦う」の部分ももう一工夫したくなってくるかも知れませんね。「創造性の自由」は少し分かりにくいかな。
<余談> そうなんです、タイトルを見ただけで買ってしまいました(笑) アメリカはもともとハウツー本とかが多かったと思うんですが、最近は日本でも増えたなあと書店に行くたびに思います。もちろん普遍的なルールみたいなものは確かに存在するとは思いますが、最後は自分のやり方であり、個性だと思うんですけれども。

3.
4.権利のために戦え
あなたが信じる何かがあなた自身です。何かであるあなた自身のために戦いなさい。あなたが信じるのは何ですか?創造的自由、尊敬、それともお金?ならば、そのために戦いなさい。誰もがあなたに同意するわけではない。でもあなたの信念と行動が一貫していれば、誰もがあなたに敬意を表すでしょう。戦いなさい。

<コメント>「何か」を使ってしまったので、ちょっと分かりにくくなっていないかなあ。「何かであるあなた自身」は、今ひとつ読み手には通じないと思います。信念と行動が「一致」かな。

4.
4. 権利のために戦いましょう
人は信念を持って生きています。信念を貫きましょう。何を信条としていますか。創造の自由、尊厳、それともお金ですか。それならばそのために戦うのです。すべての人があなたに同意するわけではないでしょう。しかし、自分の信念にしたがって行動すれば、皆があなたの意見を尊重します。戦いましょう。

<コメント>訳文としてはなかなか工夫されていると思うんですが、そうするとタイトルとの一貫性がなくなってくるんですね。それからお金って信条になるかなあ。そのあたりの訳語の選択が今後のポイントになってくるかも知れません。
<余談> あらまそれは残念。また頑張りましょう。

5.
4 権利のための闘い
自分とは、自分の信じているものです。ありのままの自分でいるために、闘ってみてはどうでしょうか。あなたの信じているものとは? 発言の自由、敬意、それともお金でしょうか? ではそのために闘うのはどうでしょう。すべての人があなたの言うことにうなずきはしないでしょう。でも、自分の信念に基づいて行動するあなたに一目置くでしょう。闘ってみましょう。

<コメント>「自分=自分の信じているもの」ってピンと来るかなあ。それなら「自分が何を信じているのかによって、自分がどういう人間なのかが決まります」くらいまで行ってもいいんじゃないかな。「発言の自由」はfreedom of speechだからちょっと違うような。「どうでしょう」だと弱くなっている気がします。
<余談> 文の体裁については先に説明しました。要は切っても、切らなくても訳せることが大切なんですね。原文の体裁通りにきちんと訳せて、なお論理の流れや日本語としての読みやすさからさらに価値が加えられるというのがポイントだと思います。

6.
#4 己の正義のために戦いましょう
あなたは、あなたが信じている事、そのものです。あなた自身のために戦ってください。あなたは何に価値を感じますか?創造の自由、尊敬、それともお金でしょうか?では、そのために戦うのです。たとえ、あなたの考えが全員に受け入れられなくとも。しかし、自分の信念に対し一貫した行動を取るあなたに、みんなは敬意を抱くことでしょう。戦うのです。

<コメント>「そのもの」の前に読点を打つとリズムが悪くなるような気がします。「己の正義」と「己」を足したのは良かったですね。
<余談> 継続は力なりということでがんばってください。自己啓発本は考えようによっては自分の思考をショートカットさせてしまうので、こういう課題にはちょうど良いのですが、実際にどこまで役立つかはまた違うような気がします。

7.
#4 自分の権利のために戦いましょう
あなたの信念こそが、あなた自身です。自分を形作っているもののために戦いましょう。あなたが信じて疑わないものは何ですか? 創造の自由、尊厳、それともお金でしょうか? そのために戦うのです。みながあなたに同意するわけでなくても、信念を曲げずに行動する姿に誰もが尊敬の念を抱くはずです。立ち上がりなさい。

<コメント>タイトル行はもう一工夫。全体の流れはいいと思うんですが、もう少しシンプルに訳してもいいかも。
<余談> 大切なのはやっぱり流れとリズムじゃないかなと思います。がんばってね。

8.
その4 権利のために戦うべし
あなたという存在は、自らの信念そのものです。ありのままの自分のために戦いなさい。あなたの信念は何ですか?創造的自由?尊敬、それともお金?ならば、そのために戦うのです。皆があなたに賛同してくれるわけではないでしょう。しかし、信念にぶれずに行動しているあなたのことを、誰もが尊敬しますよ。がんばって。

<コメント>「権利」というと広辞苑には
a. 一定の利益を主張し、また、これを享受する手段として、法律が一定の者に賦与する力。「―を取得する」
b. ある事をする、またはしないことができる能力・自由。
とありますが、やっぱりちょっと違う感じがするんですね。せっかく本文中で「信念」使っているからもったいないなあ。最初の2行は良いと思います。全体のトーンは良いと思うんですが、あと「創造的自由」がわかりにくいかな。
<余談> 僕が信じているもの……。モットーは一応「日々是好日」ですがなかなか実践は難しいですねえ。

9.
4.己の道理のために戦う
自分とは何を信じるかです。自己の在り方のために奮闘しなさい。何を信条としますか?創造的自由、関心、それともお金?そして、そのために戦いなさい。誰もがあなたに賛成するとは限りません。しかし、誰もがみな己の信条の下で行動するあなたに敬意を示すでしょう。

<コメント>タイトルがいいですね。「あり方」と開いた方が良いと思います。「創造的自由」はちょっとわかりにくいかな。respectは関心だと意味が違うかな。

10.
4 自己正義のために戦おう
あなたが信じることが、あなたという人間を形成しています。あなた自身のために戦いましょう。あなたが信じるものは何ですか?創造的自由?尊敬する人物?それともお金が持つ力でしょうか?とにかく、信じるもののために戦うのです。すべての人があなたを支持してくれるわけではありません。しかし、信念を持ち続けて行動するあなたに、皆は一目置くことでしょう。さあ、戦いを挑もう。

<コメント>「尊敬する人物」ではなくて、respectは要するに「尊敬されたいから」ということですね。全体的に言葉を足しすぎている嫌いがあるのがちょっともったいないです。

11.
4 己の正義のために闘え
自分が何者かは何を信じるかで定まります。己を己たらしめているもののために闘いなさい。己の信念は何ですか?創造的自由?評判?それとも金銭?信念が定まったら、そのために闘うことです。誰もが自分に賛同してくれるとは限らないでしょう。でも、信念に沿って行動していることで、誰もが敬意を払ってくれます。闘いなさい。

<コメント>「己を己」は「自分を自分」でもいいんじゃないかなあ。全体的にちょっと硬い感じがします。
<余談> シンプルなものほど実は難しいんですね。

12.
#4 権利のために戦いなさい
あなたの信じているものはあなたそのものです。あなた自身であるために戦いなさい。あなたの信じるものはなんですか?創造の自由、尊敬、それともお金ですか?それなら、その信じるもののために戦うのです。しかし、みんながあなたの信念を貫く姿勢を良しとするわけではないでしょう。だから、戦いなさい。

<コメント>一行抜けちゃったかな。意味が取れてないわけではないんですが、流れが今ひとつ悪いんですね。「あなた」が多すぎると思うので、同じ言葉をどうやったら繰り返さずに済むか工夫してみましょう。

13.
No.4 正義のために戦いましょう
あなたが信じているもの―それがあなた自身です。自分自身のために戦いましょう。何を信じていますか? 独創的な自由、尊厳、またはお金ですか?それならそのために戦うのです。誰しもあなたに賛同するとは限りません。しかし、みなあなたに尊敬の念を抱くでしょう。信じていることと行動が矛盾していないのですから。さあ戦いましょう。

<コメント>「正義」というとjusticeを考えちゃうかなあ。このあたり英語のright=正義・権利ではないところが難しいですね。「いないのですから」はちょっと違うんですよね。will…forだから、「あなたが自分の正義のために戦うならば」という条件がついていると考えるとよいです。
<余談> 大変でしたね。フリーランスですから忌引はありませんが、仲間内でやりくりしたり、クライアントと交渉したりして解決しています。(たとえば、別の翻訳者を紹介するとか、翻訳会社を紹介するとか。)

14.
#4 正しいと信じたもののために戦え
人をつくるのは信念であり、人は自分らしく生きるために戦うのです。あなたにはどのような信念がありますか? 創造的であるために自由でいること、他人から尊敬されること、あるいは金もうけ? では、その信念のために戦いなさい。自分自信の信念に従った行動をとれば、たとえ考え方が違っていたとしても人は敬意を払うでしょう。信念のために全力を尽くすのです。

<コメント>全体的にはうまくまとまっていると思いますが、命令形はタイトル行以外は避けた方がすんなり読めるかな。「自分自信」がなければ敢闘賞。もったいないなあ。
<余談> そうです。

15.
その4 自分の正義のために闘え
信念が何であれ、それがあなたなのです。今の自分のために闘ってください。あなたにとって大切なのは何ですか? 創造的自由? 尊敬? それとも金銭?では、その大切なもののために闘ってください。皆が皆、あなたと同じ意見ということはないでしょう。でも、信念に沿って行動するあなたは、きっと皆の尊敬を集めるに違いありません。さあ、闘うのです。

<コメント>「それ」が何か分かりにくいかな。「創造的自由」がちょっと引っかかる気がします。もう少し読者に寄り添って訳すといいですよ。
<余談> ルビについてのご質問(振り仮名以外のルビを振ることは、翻訳ではどこまで許容されるのでしょうか?例えば、(漫画にでてきそうな)「我が生涯の敵(とも)よ」のような例は、翻訳上ありでしょうか?)がありました。最低限のルールはありますが、絶対的なルールというのはありません。そうではなくて、必要かどうかなのだと思います。文体によっても、内容によっても変わります。ヘミングウェイを訳すのとエリオットを訳すのではアプローチも変わりますよね。

16.
4.自分の権利のために闘いなさい
あなたは、自分が思っているとおりの人です。自分らしくあるために、懸命に努力しなさい。信じるものは何ですか?何かを創り出そうとする自由、尊敬、それともお金でしょうか?だったら、それを手に入れるために懸命に努力しなさい。自分も同感だ、と思ってくれる人ばかりではないでしょう。でも、信じていることと行いが一致するあなたは、誰からも尊敬されるでしょう。懸命に努力するのです。

<コメント>「自分が思っている通り」はちょっと違うかなあ。「あなたの信じるものがあなたを作っている」みたいな意味です。「信念と行動が一致すれば」で十分じゃないかなあ。
<余談> いらっしゃいませ。こちらこそよろしく。

17.
#4 自分にとって正しいことのために努力しなさい
人は自分の信じるものによって成長します。自分らしくあるために努力しなさい。あなたは何を信じていますか。創造的自由、尊敬、お金でしょうか。それなら、その信じるもののために努力しなさい。他人が全員あなたの考えに賛同するとは限らないでしょう。それでも、あなたが自分の信じるものにしたがって行動するならば誰もがあなたを尊敬するでしょう。さあ、努力しましょう。

<コメント>「成長」だと意味が違ってしまう気がします。「創造的自由」も噛み砕きたいよねえ。ただ工夫は買います。
<余談> そうです。文体については、習うより慣れろであり、また調べよでもあります。

18.
#4 自分の正義のために戦いなさい
あなたは、あなたが信じているものと不可分です。自分が自分であるもののために戦いなさい。何を信じて生きていますか? 創造的自由? 尊敬? それともお金? ならば、そのために闘うのです。みんなが味方はしてくれないかもしれません。しかし、信じるもののために妥協せず行動すれば、誰もが敬意を払うはずです。戦うのです。

<コメント>「不可分」は悪くないですが、ここではちょっと使いにくいかなあ。「創造的自由」はもう一工夫。後半の流れは良い感じです。

19.
#4 権利のために闘おう
あなたはあなたが信じる物そのものです。自分自身のために闘いましょう。あなたは何を信じていますか。創造のための自由、尊敬、それともお金ですか。ではそのために闘いましょう。あなたに反論する人もいるでしょう。しかし、自分が信じる物をもって、一貫して行動するあなたに誰もが敬意を表するのです。闘おう。

<コメント>「物」は「もの」と開いた方がいいかな。「尊敬」は「権利」でしょうか。ちょっと違うと思うんですね。そのあたりをもっと工夫してみると良いかも。あと「反論」のところは少しやりすぎかも。
<余談> 今回のは見た目のわかりやすさ(?)とは裏腹に、相当難しいですよ。

20.
#4 自分の権利のために戦いましょう
あなたを形づくっているのは、あなたが信じるものです。あなたがあなたでいるために、戦いましょう。あなたは何を信じますか?創造的な自由、敬意、それともお金?それなら、信じるもののために戦ってください。すべての人があなたに同意することはないでしょう。それでも、自分が信じることに一貫した姿勢を貫くあなたに、周囲は敬意を示すでしょう。戦いましょう。

<コメント>「権利」ってなかなかこの文脈だと使いにくいですよね。二行目はなかなか良いと思います。ただ「戦う」の部分も工夫してみるといいですね。
<余談> ちょうどこれを書いているのは観測史上最も遅い真夏日を記録した日なのですが、たぶんこの記事がアップロードされる頃には、気温も下がっていると思います。(だといいなあ。)継続は力なりなので、地道にがんばってください。

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