静山社『テメレア戦記 3  黒雲の彼方へ』(上・下)

『テメレア戦記 3 
黒雲の彼方へ』(上・下)
ナオミ・ノヴィク 作 那波かおり 訳
静山社
出版社HP Amazon

あなたは、歴史小説好きですか? それとも、ファンタジー好きですか? 両方ならもちろん、どちらか一方でも好きならば、きっとこの物語にハマれるはず。

十九世紀初頭、フランスのナポレオンが、ヨーロッパの覇権を握ろうとしていました。それを阻止しようとする英国は、オスマン帝国と密かに手を結びます。さらにプロイセン王国が参戦。時代背景はリアルな世界史そのものです。

ところが、友好国のあいだで取引されるのは、なんと竜の卵3個!? この時代、ドラゴンは国家にとって貴重な戦力です。高い能力をもつ竜テメレアと、その担い手のローレンスは、卵の受け渡しの使命を果たすべくイスタンブールへ向かいます。敵と味方が怪しく入り乱れ、死と隣り合わせの過酷な道程が、シリーズ3巻目最大の読みどころ。日本では長らく未刊だった、この歴史改変ファンタジーを、このたび多くのファンの期待に応えて復刊・文庫化しました。

(静山社 小宮山民人)