通訳関連新刊情報『裁判員裁判時代の法廷通訳人』(水野かほる、津田守編著/大阪大学出版会)

通訳2016.03.02
20160301

『裁判員裁判時代の法廷通訳人』
水野かほる、津田守 編著
大阪大学出版会
6,000円+税
2016年2月25日発売

司法通訳人は、日本に在住・滞在する外国人が事件や事故に巻き込まれたとき、司法の場で言葉の橋渡しをする、グローバル化の進んだ現代の日本に欠かせない存在だ。本書では、さまざまな側面から法廷通訳翻訳および法廷通訳人について論じている。

第I部「概説」では、日本の裁判所における通訳と翻訳の実情、裁判員制度における通訳などが説明されている。
第Ⅱ部「法廷通訳人の声」では、法廷通訳翻訳の経験者101人、裁判員裁判経験のある通訳人19人への調査や面談をもとに、法廷通訳人の負担や報酬などについて、リアルな意見を紹介。
第Ⅲ部は「法廷通訳翻訳実務上の諸問題」として、中国語の地方語と北京語(普通語)の違いによって、被告人と通訳人が意思疎通に支障をきたすことを解説。さらに、被告人の第一言語での通訳人が見つからない場合に代替言語として英語を使用することによる司法通訳への影響、通訳しやすい日本語の文型や表現法についてなどが論じられている。
第Ⅳ部「海外における法廷通訳翻訳」では、スペインやアメリカの司法通訳などが取り上げられている。

実際に活躍中の法廷通訳人への調査から実務上の問題を指摘するなど、法廷通訳の実態を把握し、現状の改善を目指すための一冊。

<目次>

はじめに
第Ⅰ部 概説
第1章 日本の裁判所における通訳と翻訳
第2章 裁判員制度における要通訳刑事裁判の特徴

第Ⅱ部 法廷通訳人の声
第3章 裁判員裁判時代の法廷通訳人――数量調査結果とその考察
第4章 裁判員裁判を経験した法廷通訳人――聞取り調査結果とその考察

第Ⅲ部 通訳翻訳実務上の諸問題
第5章 司法通訳翻訳における中国語の多様性
第6章 要通訳の刑事手続における〈リンガフランカ〉としての英語
第7章 法廷通訳における訳出の難しさ- 否定表現の通訳例からの考察

第Ⅳ部 海外における法廷通訳翻訳
第8章 スペインにおけるリーガル通訳翻訳、司法通訳翻訳、公認通訳翻訳
第9章 通訳者の資格試験をめぐって――スペインにおける司法・警察通訳サービスの下請けの問題を中心に
第10章 米国における法廷通訳人の資格認定制度
第11章 刑事裁判手続において通訳の援助を付する自由権規約上の義務の射程

付録 主要な裁判員裁判対象事件一覧表
おわりに
索引

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